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第7話

兄が私の死を知り、未完の出張を放り出して帰ってきた。

家に戻ると、父と母は顔を深く沈ませ、苦しみを堪えてソファに座っていた。

一方、静香は涙に濡れた顔をして、目が腫れ、鼻の先も赤くなっていた。

「お兄ちゃん、やっと帰ってきたね。お姉ちゃんが誰かに殺されちゃったの!」

「まだ犯人は捕まってないけど、お姉ちゃんは普段から誰かとトラブルを起こしていた

から、これもそのせいなのかもしれない……」

父が突然声を絞り出すように叫んだ。「もういい!この事件の犯人は既に特定されていて、警察が捕まえる手続きを進めている。お前のお姉ちゃんとは関係がない」

言いながら、父と母はお互いに視線を交わし、その目に苦しみを浮かべた。

この犯行は彼らがかつて犯人の弟を連行したことに対する復讐だったと知り、両親は打ちひしがれて意識を失ってしまった。

彼らに最も嫌われていた娘が、彼らのせいで命を落とすことになるとは。

静香はその言葉を聞いて、一瞬緊張した表情を浮かべた。

彼女は自分のスカートをぎゅっと握りしめ、額に冷や汗を滴らせながら言った。「こんなに早く犯人が特定されたけど、お姉ちゃんを殺した理由は何なの?」

母は顔を青黒くして、疲れた様子で話した。「静香、私たちがあなたの試合を見に行けなかったのは私たちのミスだったわ。結果に影響を与えてしまったかもしれない」

兄が冷ややかに笑った。「彼女は桜子が永遠に戻ってこないことを願ってるんだ。彼女が本当に悲しんでいるようには見えないよ」

静香はお兄ちゃんをちらりと見て、母の胸に縮こまった。「お兄ちゃん、あなたとお姉ちゃんは血の繋がった兄妹だけど、お姉ちゃんの死を私に押し付けないでください」

「私はお姉ちゃんの代わりに、しっかりと親孝行しますから!」

母は感動してうなずいた。

 母が私のために涙を流しているのを見て、私は心がほろ苦く感じた。

 感動と共に辛さが込み上げてきたが、母が静香を擁護するのを聞いて、自分自身がどうしようもないと感じた。

静香は私を絶望の淵に追いやり、私を殺した共犯者だった。

生きていた頃、私は母が静香の嘘に気づき、優しく私を守ってくれることを願っていた。

しかし今、私の心はただ、両親が真実を知った時の反応を期待するだけだった。

父は静香を疑わしそうに見つめ、小声で兄を呼んで上の階へ向かわせた。

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