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第27話

「五割だ!」北條守は入口に立ち、中の人々を見渡した。ただし、さくらの目だけは避けた。「彼女の持参金は、五割を返還する。太公と伯父が納得できないなら、役所に訴えてもいい。俺のやり方が適切かどうか、そこで判断してもらおう」

上原世平は怒って言った。「五割だって?よくそんなことが言えたものだ。さくらがあなたに嫁いだ時、十里にわたる華やかな嫁入り行列があったじゃないか。あれはどれほどの現金や田畑、店舗、商号だったと思う?よくもそんな欲張りなことが言えたものだ」

守は既にくしゃくしゃになった手紙を握りしめ、冷たい声で言った。「言っただろう。訴えるなら訴えればいい。離縁状はすでに用意してある。まずは目を通してくれ」

彼は執事に合図し、離縁状を渡すよう指示した。さくらは手を伸ばしてそれを受け取った。

執事はほとんど聞こえないほどのため息をつき、下がった。奥様はこんなに良い方なのに、なぜ離縁するのだろうと思いながら。

さくらは離縁状に目を通した。確かに守の筆跡だった。この一年、彼女は彼からの手紙を受け取っており、筆跡を知っていた。

離縁状は簡潔で、彼女の不孝と嫉妬について簡単に書かれ、最後に彼女が良い夫を見つけられることを願う言葉で締めくくられていた。

「今後再婚する時は、このような策略を弄することなく、人に誠実に接すれば、幸せになれるだろう」守は複雑な表情で言った。離縁状を渡した後、なぜか胸が痛んだ。

「将軍のご教示、ありがとうございます」さくらは離縁状を掲げた。「まだ役所の印がありませんね」

守は彼女の視線を避けた。「俺が直接持っていく…持参金については、すでに十分な配慮をしている。法律では、離縁された者は持参金を持ち出せないとされている。俺を責めないでほしい。すべては君が先に招いたことだ」

さくらはすでに持参金の大部分を適切に処理していた。彼らが持っていけるものはそれほど多くない。彼女はただ、この一家とこれ以上もめたくなかった。結局、和解離縁の勅旨がまだ下りていないのだ。彼女が心配していたのは、陛下が琴音の嫁入り後まで和解離縁の勅旨を出すのを待っているのではないかということだった。

彼女は言った。「怒るも怒らないもありません。少しのお金で将軍家の人々の本性が見えたのですから、それだけでも価値があったというものです」

守はこの言葉に刺激され、冷たく言った
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