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第7話

凛と尊が駆けつけ、私と親友はやっと解放された。

同時に、梨花と優花も護衛によって引き出されてきた。

梨花は、私が凛の腕の中に抱かれているのを見るや否や、崩れ落ちるようにして怒りを爆発させた。

「凛お兄様、あなたが替え玉を見つけたことは許すから、お願い、この賤民を抱きしめるのはやめて!」

優花は田中家の兄弟たちの態度を見て、ようやく悟った。

本当の替え玉は自分たちだったのだと。

彼女は梨花に、これ以上事態を悪化させないようにと諫めようとしたが、梨花は何も聞かず、ただ凛に私を抱かないでほしいと叫び続けた。

凛の顔はますます険しくなり、冷たい声で護衛に言った。

「彼女たちを高級風俗店へ送れ」

優花はその言葉を聞いた瞬間、体が震えて止まらなくなった。

人気女優が夜のクラブで売り物にされるとなれば、競争相手にこの噂が広まることだろう。

以降、彼女のスキャンダルは尽きることがないに違いない。

梨花は崩れ落ちながら叫んだ。

「凛お兄様、どうしてこの替え玉のために、私と妹をそんな場所に送るの?」

彼女は私と親友を指差しながら言い続けた。

「彼女たちは偽物よ!私が本物なのに、どうして偽物を宝物のように扱うの?」

その時、凛は胸のポケットから結婚証明書を取り出し、尊も同じくものを取り出した。

二人は声を揃えて言った。

「詩韵/和遥は俺の合法的な妻だ!」

護衛が結婚証明書を梨花と優花の前に見せ、そこには私と親友の名前、そして凛と尊の名前がはっきりと印刷されていた。

梨花はその場に崩れ落ち、力を失った。

優花は尊の足元に這い寄り、必死に懇願した。

「田中家と高橋家の提携を考えて、どうか私と姉を許してください…」

その時、親友が「痛い…」と弱々しく声を上げ、脚の内側を血が伝って流れ落ちた。

私は驚いて「和遥!」と叫び、意識を失ってしまった。

凛と尊は慌てて私たちを抱きかかえ、車に乗せた。

梨花と優花は護衛によって車に押し込まれようとしていたが、その時、高級スーツを着た中年の男性が彼女たちの前に立ちふさがり、制止した。

「待て、二人を降ろせ。私が田中社長と話をする」

消毒液の匂いが鼻を刺し、まぶしい白い光が視界に入る。

私は体中を白い包帯で巻かれ、ベッドの上に横たわっていた。

頭を横に向けると、親友が隣の病床に横たわっているのが見えた。
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