隣の家が変態すぎて、毎日が戦争

この一家、本当に信じられない。私が引っ越してきたときから、盗み癖があった。 引っ越してきた当初、一棟まるごと住人の玄関先に傘や靴棚がまったくないのを見て、不思議に思ったものだ。 だけど今ならわかる。あの一家を警戒してのことだったのね。 彼らは、どんなものでも盗む。 玄関に置いた靴棚、取るのを少しでもためらった出前、ドアマット、屋上に干した下着や靴下……全部！ たまりかねて、私は監視カメラの映像を持って警察を呼んだ。 すると向かいの老婆は、突然地面に倒れ、体をけいれんさせ始めた。 まるで女優顔負けの演技力だ。 警察も慣れているのか、ため息をつきながら私にこう言った。 「あなた、もし引っ越せるなら引っ越す方がいいですよ」 呆然として言葉を失った私だったが、数日後、ゴミ捨て場に放置していたゴミ袋が荒らされ、玄関先がめちゃくちゃにされたのを見て、もう我慢の限界に達した。 そこで、重度の水虫持ちの親友から、あの「悪臭漂う靴」を借りることにした。 案の定、その夜に盗まれた。 ところが、これで終わらなかった。夜中に彼らが家に怒鳴り込んできて、汚水を浴びせてきた上、罵詈雑言まで浴びせてきたのだ。 本気でこの建物が自分たちのものだと思っているの？ ここまで私を追い詰めるなんて、許せない。この一家、全員ここから追い出してやる！

夜になり、私は下の階の空いている部屋に移動して泊まることにした。 スマホをセットし終えると、待ちきれずに監視カメラの映像を確認する。 精神病の青年が、子どものようにふらふらと向かいの家に近づいていく。そして、何かを描きながらドアを軽く叩き始めた。 しばらくすると、ドアが開き始め、中から声が聞こえてきた。 「やっと金を持ってきたか。全く、どこまで待たせるんだ！」 その言葉が終わるやいなや、ドアが完全に開き、黒くて説明のつかない何かが勢いよく投げつけられる。 「バシャッ！」 謎の物体が男の顔にべったりと貼りついた。男は目を大きく見開き、驚愕の表情を浮かべるが、叫び声を上げる前に、青年が勢いよくジャンプしながら叫んだ。 「ダイナミックビーム！ピュンピュンピューン！」 青年の叫びとともに、黒い粘着物が次々と家の中へ飛び込んでいく。 ドアの向こうからは老婆と妊婦の悲鳴が聞こえ、彼らにも容赦なく降りかかった。 その瞬間、まるで時間が止まったように感じた。しかしすぐに、湧き上がる怒りと混乱が画面越しにも伝わってくる。 だが青年はまったく動じることなく、喉をすっきりさせると大声で歌い出した。 「ぼくらのアタマ、鉄腕アタム、アタム、アタム、鉄腕アタム～」 真っ先に耐えきれなくなったのは妊婦だった。場に響き渡る叫び声を上げ、体を震わせながら青年を指さしてわめき立てる。 「お前、誰だ!?どこから来た神経病患者なのよ！ぎゃー！」 その間にも、老婆のたるんだ皮膚がぷるぷると動き、何かを叫ぼうと口を開いた瞬間、黒い物体がその口に直撃した。 一瞬で顔が豚の肝臓のような赤紫色に変わり、激しく嘔吐し始めた。大混乱の末、現場には本物の「排泄物」が飛び散る事態に。 一方、太った男は怒りに震えながら青年を掴み上げ、大声で怒鳴りつける。 「てめえ、ふざけるな！クソなんか投げやがって！どこから来たガキだ！ぶっ殺してやる！」 その場面を見て、私の心臓はぎゅっと締めつけられた。危険を感じた私は、思わず立ち上がり階段に向かおうとした。 だが青年は慌てることもなく、額に「精神病診断書」と書かれた紙をぺたりと貼りつけた。そして、歯を見せてにっこり笑いながら歌う。 「どこから来たか聞かないで～♪どうせ殺しも放火も誰も構わない～♪」

住民たちが返信してくれた後、すぐにグループチャットが活発になり、一人ひとりが意見を言い合った。 あの老婆一家がどれだけ嫌われているか、みんな知っているからだ。 次々と住民たちが反撃を始めた。 「明らかに誰かが嘘をついているんだろ！あれはいい青年だよ、私は目が見える！」 「本当に、他人のことを心配する前に自分の生活を良くしなよ！本当に狭量で可哀想な人たちだわ」 「やっぱり盗めなかったから、今度は汚名を着せるんだな！」 …… 私はその言葉を見て、胸の中のモヤモヤが一気に晴れ、すごくスッキリした。 住民たちが全員自分の味方になってくれたのを見て、心から嬉しくなった。 その時、水虫の女性が怒りに震えた声で叫んだ。 「お前たち！頭おかしくなったのか！みんな狂ったんじゃないの！この精神病者がうちの家まで来て、お前たちの家に入ってお前らをバラバラにしてやるまで、笑っていられるか！」 だが、彼女の叫びはすぐに他の住民たちの非難の声にかき消されてしまった。 私はついに笑ってしまった。 気分が良くなって、部屋に戻り、監視カメラの映像を確認した。 あの老婆が歯を食いしばりながら、ドアに付いた汚物を拭き取る姿を見て、全身がスッキリした。 だが、すぐに老婆が電話をかけ始めた。その顔はまるで毒を持った蛇のようで、目が凶悪な光を帯びていた。 私は思わず眉をひそめ、嫌な予感が胸に浮かんだ。 予感は的中した。夜にならないうちに、十数人の年配の男性と女性が勢いよくやってきた。 到着すると、老婆は声をかすれさせて泣き叫んだ。 「お姉さん！お兄さん！おじさん！私たち、もう死にそうだよ！みんな見てよ！この家、ひどいことになってる！汚いものでいっぱいだよ！ 全部、向かいのあいつがやったんだよ！」 三角眼の老人たちはその言葉を聞くと、鋭い目つきでじっと見つめ、怒鳴り声を上げた。 「誰がうちの妹をこんな目に合わせたんだ！命知らずの奴らだな！こいつらに見せしめをしてやる！」 老婆は嬉しそうにうなずき、目に毒気をたたえながら向かいをにらみつけた。 だが、彼らがまだドアを壊しにかかる前に、ドアが開いた。 HIVの男は斜めに目を向け、煙をくわえながら冷笑した。 「おいおい、うちの前でこんなに騒いで、迷惑だって分からない

外で焼肉を食べて、私は一気に何皿も牛肉を食べて、ようやく満足して口を拭った。家に帰った時、またあの奇妙な一家に遭遇した。 あの水虫の女性、手術を受けていなかったのだ。 私は木の陰に隠れ、明日この一家を追い出す準備をしようと思った。 どうせ彼らは月契約だから、いつでも追い出せる。 その時、男が突然、腰を曲げて痛みに耐えている妻に向かって平手打ちをかました。 「役立たず！子どもも守れないなんて！」 そのすぐ横にいた老婆も、足を一発蹴り入れて怒鳴った。 「嫁にもらったことがこんなに悪いとはな！手術なんかするわけないだろ！腎臓でも売って治療しろ！生めないなら、最初から嫁にするな！」 しかし、老婆が言い終わると、息子が突然老婆を押し倒した。 老婆は驚き、目を見開いて息子を見つめた。 「この死にぞこない奴め！お前がいっつも泥棒のようなことをして、とうとう大家に迷惑をかけたじゃないか！これで追い出されることになったんだ、全部お前のせいだ！」 「どうして私を責めるの！あなたもあの服を着たじゃない！」 老婆は必死に叫んだ。 すると、息子は再び怒鳴り返す。 「お前、よくもそんなことを言えるな！お前が盗んだ汚いものは、着た瞬間に俺を痒くさせるんだ！」 その時、地面にうずくまっていた妻がようやく立ち上がり、怨みの目で老婆を睨みながら言った。 「彼の言う通りよ！絶対にあんたが盗んだ汚れた下着が原因だ！だから子どもを失ったんだ！それに今度は家も失う羽目に！」 その言葉を聞いた男は怒りが頂点に達し、血の気が頭に上る。 一発で母親を蹴飛ばした。 「お前、いい加減にしろ！さっさと田舎に帰れ！」 「いや！息子よ！お願い、そんなこと言わないで！田舎の家はあなたたちの結婚式のために売ったじゃない！私にはもう住む場所がないのよ……」 老婆は必死に泣きながら懇願する。 しかし、息子とその妻は振り返ることなく階段を上がり、老婆を無情に外に閉め出した。 私はその光景を見て、思わず呆れて息を呑んだ。 こんなにも冷酷で無情な家族がいるなんて……親子の絆もここまで壊れてしまうのか。 しかし、このような毒を持った母親に育てられた子どもたちが、どうしていい人間に育つだろうか。 結局、こういったことは遺伝子に関係してい

警察が完全武装でやって来た後、やはり全員が逮捕されて連行されていった。 以前は威張り散らしていたあの男は、今や死んだ犬のように、体中に傷だらけで無惨な姿だった。 その妻は幸運にも部屋に隠れて一命を取り留めたが、精神的に少しおかしくなっていて、体が震え続け、時々お尻を掻いていた。 そのお尻に見える花柄の下着、あれは私のおばあさんのだった。 私は思わず頭を振り、急いで入居者たちを落ち着かせた。 「みんな、心配しないで。すぐ隣の建物に移動してもらいます。あちらも私の物件だから、安心してください。この建物は専門の業者に頼んで、しっかり消毒させますから」 入居者たちは驚きながらも、ほっとした様子で頷いてくれた。 その日一日、建物内は夜遅くまで片付けられ、私はすぐに父に連絡を取って、この建物を封鎖してもらうよう頼んだ。 再度住むことはないけれど、この建物にはあまりにも多くの汚れが残っていて、考えるだけで心が落ち着かなかった。 その後、遠くで人々から離れて立っている三人の患者の友人たちを見かけ、私はすぐにメッセージを送った。 「皆さん、これを受け取ってください！ほんの気持ちですが、私からの小さな贈り物です！心配しないでください、このエリアは全部私のものですから。三つの建物のうちどれでも選んでください！絶対に断らないでくださいね！ お互いに助け合うのが友達ってもんですからね！」 その瞬間、三人全員が驚いた顔で私を見つめ、私は遠くから軽く微笑んで手を振った。 その夜の朧げな月光が、ちょうど彼らの顔に優しく降り注ぎ、その光の中で、彼らの顔に流れる涙がはっきりと見えた。 私はその光景に心が震え、かつて感じたことのない感情が湧き上がった。 これは、間違いなく「善意」だ。（終わり）