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2. 「最強になるために」⑳

Penulis: 佐行 院
last update Terakhir Diperbarui: 2025-01-21 11:47:41
-⑳秘密の部屋にて-

 光明と結愛は先日、義弘の秘密の図書室、いや、書斎に仕掛けたドローンの映像をじっと見ていた。普段義弘以外出入りする事がない空間、勿論ずっと同じ映像が続いている。義弘が来ない限り当たり前の事なのだが2人は飽きてきていた。しかし、結愛は光明が自分の為に頑張ってくれていると思い余計な事かと発言を控えていた。その時だ、映像に義弘の姿が現れ、秘密の書斎で彼はパソコンに向かっていた。電源を入れ分厚い本を何冊も持ち寄り何やら真剣に調べものをしている、よくよく考えたら義弘は普段から知識やうんちくを会話に色々と差し込んでくる事が多かった事を結愛が思い出した。

結愛「親父って思ったより勤勉だったんだな・・・。」

光明「感心している場合かよ。」

結愛「悪い悪い(わりいわりい)、何の資料を見ているか見えるか?」

光明「やってみるわ。」

 光明は映像を解析し、義弘の手元を拡大した。ただ何冊もの書籍は全て義弘の陰になってしまっているので内容は全く見えない。なのでパソコンの内容を見えないかと色々とやってみたが全然確認できなかった。

 光明の横で結愛は現場のドローンから送られる生の映像を見ていた。そこにも義弘が現れた。パソコンと分厚い本を数冊持ってきて調べものをしている。光明に操作方法を教えてもらい結愛は義弘の手元を探ろうとした。やたらと分厚い本が5~6冊、また比較的薄い本が1~2冊ある。

結愛「あれは・・・。」

光明「ん?どうした?」

結愛「あの本なんだけどよ・・・。」

光明「どれどれ・・・。」

 光明は自分が見ていた映像を一時停止し、結愛の操作していたパソコンのマウスに手を伸ばした。マウスにしては柔らかい物に手が当たった。

結愛「お・・・、おい・・・。」

光明「ん?」

 マウスの上で2人の右手が綺麗に重なっている。光明は慌てて手を離した。2人とも顔が赤くなっていた。

光明「悪い、すまねぇ。」

結愛「まぁ、良いけどよ。」

 それから暫く2人とも心臓の鼓動がバクバクと鳴っていた、本題に戻るのに何故か時間がかかる。

 その間に映像の中の義弘はパソコンが並ぶ机の端っこにあるプリンターの方に移動していった、大きめの紙数枚に何かを印刷している様だ。その間に結愛はパソコンの前の書籍を見た。各教科ごとの大学入学共通テスト(旧:大学入試センター試験)の過去問題集と高等学
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    -97 ご飯のお供③- 光明は抱えていた小さな発泡スチロールを降ろし、ゆっくりとビニールテープを剝がしていった、宅急便の届け票がまだ付いていたままだったので届いたばかりと言うのは嘘ではないのだろう。光明「むふふ・・・、これこれ。」 にやけながら発泡スチロールから小さな箱を取り出す光明、嬉しさは満更ではなさそうだ。光明「今回は誠に勝手ながら2種類ご用意致しました、まずは福岡県博多の辛子明太子です。」 炊き立て熱々の白飯に真っ赤な辛子明太子を乗せ、皆が1口齧る。プチプチとした卵の食感や舌ざわりと赤い唐辛子の辛味がご飯を誘う。光明が持参したもう1種類を知る前にかなりの量の白飯を堪能してしまっているが光の魔力のお陰でまだまだお腹は余裕だ、林田に至っては1腹だけで白飯を2杯食べてしまった。林田「光明さん、早く次の物を出してください。私のお茶碗の中の白米が今か今かと待ち構えています!!」結愛「いや、待ち構えているのは警部さんでは?」光「そんなこと言ってる結愛さんだってそうでしょ?」結愛「あ、バレました?あなた、早く出して!!」 結愛に急かされた光明は発泡スチロールの中から小瓶を2本取り出した。光明「焦らない焦らない、すぐ出すから待ってな。では皆様お待たせしました、こちらは粒雲丹です。今回は北海道利尻島産の物と山口県下関産の物を用意しました。小皿に移してお出ししますので宜しければどちらが利尻か、もしくは下関かを当てて見て下さい。」光「何処か今日の趣旨と違っている様な気がしますがやってみましょうか。」 白と黒の小皿に少しずつ粒雲丹が盛られており、全員最初は白の皿の物から食べていった。少量だが濃厚な粒雲丹だ。 とろりと口の中で溶け雲丹の風味が広がる、それを白飯で追いかけるというこの上ない贅沢。全員が少量の粒雲丹でお茶碗2杯分のご飯を食べると、水を飲んで口の中をリセットした。 全員が黒の皿の粒雲丹に移る、口の中で溶かすと白の皿の物と同様に優しい雲丹の風味が広がるが・・・。光「白(こっち)が利尻ですね。」光明「もう分かっちゃったんですか?」 味には明らかに大きな違いがあったのだが他のメンバーが正直チンプンカンプンな様子だったので、某有名グルメ漫画の主人公のであり、厳格な美食家を父に持つ新聞社のぐうたらサラリーマンの様な口調で説明した。光「白の皿も黒

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    -96 ご飯のお供②- 温かな朴葉味噌を熱々の白米に少しずつ乗せご飯を楽しむ一同、そんな中林田が懐で何かをごそごそと探し始めた。林田「次は私がご紹介させて頂いて宜しいでしょうか、ゲオルさんのお店でこれを売ってたので助かりました。」 林田は懐から小瓶を取り出すと嬉しそうに中身を自ら用意した小皿に出した、誰もが食べた事があるであろうメンマの「やわらぎ」だ。林田「そのまま食べても美味しいのですが、これを胡瓜キムチと混ぜても食感が良くてご飯にピッタリなんです。」 小皿とは別に少し大きめの器を用意し、胡瓜キムチとやわらぎを混ぜて振舞った。シャキシャキの胡瓜と柔らかなメンマがバランスよく混ざっている。メンマに和えられた辣油が味のアクセントになってご飯を誘い、それにより光と結愛はずっと箸が止まらなかった。結愛「アクセントの辣油がキムチの味を引き立てていますね、今日ご飯足りますか?」光「一応2升は用意しているんですが追加注文しないとダメかもしれませんね。」 光と結愛、そして羽田や林田のご飯のお供の時点で用意をしていた半分の1升が無くなろうとしていたので実は焦っていた。念の為、今現在もう半分の1升をお釜で炊いている状況だが無くなるのも時間の問題だろうか。林田のやわらぎ入り胡瓜キムチの出現は一同にとって大きかった、光は『瞬間移動』を利用して地下の貯蔵庫から追加の米を持って来る事にした。念の為に2升程追加を用意し、食事に戻った。 すると、家の入口の辺りから聞き覚えのある男性の声がした。男性「林田さん、林田さん?いらっしゃいますか?来ましたよー。」 その声に返事をする林田、ただ口の中には米が残っている。林田「ああ・・・、待って・・・、ましたよ・・・。裏・・・、庭に・・・、どうぞ・・・。」光「あれ?どなたか呼んだんですか?」林田「ごくん・・・、失礼しました。光さんもお会いした方ですよ。」男性「こんにちは、お久しぶりです。」 優しい笑顔で見覚えのある男性が裏庭に入って来た、この異世界で車を購入したお店の店主・珠洲田だ。珠洲田「光さん、お久しぶりですね。林田さんにご招待を頂きまして来させていただきました。私も皆さんと一緒でご飯が大好きなんです。」光「お久しぶりです、レースの映像でお見かけしましたよ。」珠洲田「これはこれはお恥ずかしい、まさか見られていたとは

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   3. 「異世界ほのぼの日記」95

    -95 ご飯のお供- 光の考えた計画はこの異世界に転生してきた日本人で集まり、転生前から愛して止まないこれぞ白米にぴったりだと言う1品を持ち寄り美味い白米を思う存分食べ尽くそうという物だった。光「ご飯片手のパーティーなので、敢えて酒は無しにして純粋にご飯を楽しむものにしてみようと思ってまして。」結愛「たまにはそういう催し物もありかも知れませんね、やってみますか。」 次の日、林田や結愛の呼びかけに応じて数名が光の家に集まった。各々の「好き」を発表する場にする為、ご飯のお供は自分で持ち寄ると言うルールにしていた。ただ米は光拘りの新潟県魚沼産のコシヒカリを使用する。いつもは炊飯器を使用しているが今回は御厨の提案で昨晩林田家で使用した直火でのお釜での炊飯を行う事となった。 光の家の裏庭にある以前ナンを焼いたり燻製をするのに使用した焼き窯をベースに用意したお釜で炊いた白米が空腹を誘う香りを漂わせている。光「我慢・・・、出来ない・・・。」結愛「私も・・・、です・・・。」 「はじめちょろちょろ中パッパ」の教えを大切に、最初は柔らかな弱火で途中から火を強めた後、より美味しくする為じっくりと蒸らしていく。蓋を取った瞬間立ち込める湯気と共に魅惑の香りがやってきてそこにいた全員が日本人であることを喜んだ。 杓文字で返すように混ぜ、各々の茶碗に優しく盛り付けると輝かんばかりに美しい純白の白米に皆が目を輝かせていた。光「では、折角の炊き立てご飯が冷めない内に始めて行きましょうか。最初は私から、シーチキンを提供させて頂きます。」 各々にシーチキンを贅沢にも1缶ずつ渡し、光が拘っている調理の手順を説明していく。「調理」と言っても混ぜるだけなのだが。光「蓋を利用して油を切ったシーチキンにマヨネーズと醤油を加え一旦混ぜます。そこに辣油と一味唐辛子を好みの量で加えて下さい。」結愛「もう後は混ぜるだけですか?」光「よく混ぜたら騙されたと思って最初の1口を思いっきり頬張ってみて下さい。」林田「むぐむぐむぐむぐ・・・、ん?!嘘でしょ?!もうお代わりだなんて!!」 参加をした全員が最初の1口を食べるとすぐにご飯を口に搔きこみ出した、そして気付かぬ内に全員が1杯目を数秒で平らげてしまった。(※是非お試しあれ、美味いよ!!)光「凄いでしょ、この1口目でどれ位の量のご飯を食べるか

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   3. 「異世界ほのぼの日記」94

    -94 日本人が故の楽しみ- 宴もたけなわとなり、皆が酒の〆にサラサラとした物を求め始め、解体していた牛肉のお店から光がテールも仕入れていたので御厨がそれを使いテールスープを作っていた。ただしつこい様だが呑みながらなので途中「味見」という名目で数回ほど飲んでいる、どうやら濃厚なスープをも肴になってしまっていた様だ。 出来上がったスープに中華麺や窯のご飯を入れてラーメンやお茶漬けに仕上げていく、光と林田警部はご飯を入れてお茶漬け風に楽しんでいた。光「ああ・・・、日本人はやっぱり米だわ。」林田「そうですね、米が美味しいと日本人で良かったと実感できますね。」光「そう言えば林田さんは好きなご飯のお供はありますか?」 林田は食事の手を止め、目を閉じて自らの好物を思い浮かべていた。林田「そうですね・・・、やはり京都のちりめん山椒でしょうか。あの風味がご飯を呼ぶんですよね、光さんはどうですか?」光「私はシーチキンですね、マヨ醤油に辣油と唐辛子を組み合わせると朝からご飯3杯は行けますよ。」林田「それにシーチキンは酒にも合いますもんね。」光「林田さん、警察の方なのに罪な人ですね。思い出したら欲しくなっちゃったじゃないですか。」林田「あらま、これは申し訳ございません。」 談笑する2人に数人ほどが近づいて来た、解体を終えた結愛がハイボールを片手に光の隣に座る。ハイボールは少し薄めに作っている為ごくごく呑める様だ。 大きなジョッキ一杯に入ったハイボールを煽ると会話に参加し始めた。結愛「何だか楽しそうな話していますね。」光「ご飯のお供の話をしていたんですよ、結愛さんは社長さんだからやっぱり高級品が出て来るんですかね。」結愛「私はそうですね・・・、胡瓜の糠漬けですかね。」林田「意外ですね、もっと拘った珍品が出てくるのかと思いましたよ。」 すると、結愛はジョッキに残っていたハイボールを飲み干した後、自分の『アイテムボックス』から壺を取り出して蓋を開けた。自らの手で中の糠を混ぜると胡瓜が数本お出ましした、結愛は糠を落とすと光と林田に1本ずつ振舞った。結愛「私が漬けた胡瓜です、家にもいっぱいあるので良かったらどうぞ。」 光と林田は手渡された胡瓜を思いっきり齧った。光・林田「頂きます・・・。カジッ・・・、え?!カジッ、カジッ、カジッ・・・、美味い・・・。美味

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   3. 「異世界ほのぼの日記」93

    -93 巨獣人族達の未来- 刺身をたった1口食べただけで号泣するデカルトを見てガヒューはもらい泣きをしてしまいそうになっていた。目の前で1国の王が自分の料理で涙しているのだ、これほど嬉しい事は無い・・・、はずだった。マック「叔父さんは相変わらずだな、何でも美味い美味いと言ってすぐ泣くんだから。」ウェイン「特に日本酒を呑んでる時とかな。」 ガヒューの涙は一気に引いてしまった、目の前にいる人化した上級鳥魔獣は酒を呑むと涙もろくなり味音痴になるのだろうか。キェルダ「ガヒューさん、ごめんなさいね。古来からなのですがコッカトリスは情に厚い者が多いんですよ、叔父さんはその代表格でして。」 それを聞いたデカルトが重めの口調で反論した。よっぽど刺身が気に入ったのだろうか。デカルト「愚か者たちよ・・・、何を言っているのだ。そういう事は1口食ってから言わんかい。」 たかが刺身だろうと言わんばかりの様子で各々が刺身を1切れ掴み、口へと運ぶ。豊かな甘みを含んだ脂が口いっぱいに広がりゆっくりと消えて行く。醤油に混ぜたおろしたての山葵の辛さの中にある穂のかで優しい甘みと、皮の香りをつけながら絞った酢橘の酸味が手伝い日本酒を誘った。3人が揃って日本酒を呑む。キェルダ「前言・・・、撤回・・・。」ウェイン「美味・・・。」マック「過ぎる・・・。」 自分達の発言を反省する兄妹、デカルトと同様に涙を流していた。キェルダ「実は私、あまり刺身は好きでは無かったのですがこんなに美味しい刺身は初めてです。本当にごめんなさい。」マック「ガヒューさん、あんた天才だよ。料理人になったらどうだい、なぁ、叔父さん。」ウェイン「これお店出したらお客さん凄くなるんじゃないか?」マック「叔父さん、どうだろう?」 デカルトはマックの言葉を受けて深く考え込み、ガヒューに質問した。デカルト「ガヒューさん、貴方や今回我々が救出した方々を含むジャイアントの皆さんは料理人の方々ばかりなのですか?」ガヒュー「私みたいに調理師免許を取って料理する者もいますし、魚介類を養殖する漁師もいれば無農薬の農産物を専門で作る農家もいます。勿論、牧場や養鶏所を経営する者もいたりして食料自給率はほぼほぼ100%と言っても過言ではありません。」デカルト「そうですか・・・、何か勿体ないな・・・。」 デカルトは腕を組んでま

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   3. 「異世界ほのぼの日記」92

    -92 飽き対策- ずっと焼肉を食べて呑んでばかりいる者達を見て解体をずっと行っていたネスタがぼそっと呟いた。ネスタ「皆ずっとバクバク食べているけど肉ばっかりで飽きない物かね。」 その一言を待っていたかの様に結愛が動きを見せた、丁度いいタイミングで林田家の裏庭にやって来た羽田の方を向いて頷いた。結愛「フフフ・・・、そろそろ誰かがそう言うと思ってましたよ。師匠、私に任せて頂けますか?羽田さん、お願いします!!」羽田「貝塚社長から光さんへのお礼と皆様へのプレゼントです。」 羽田は氷の詰まった発泡スチロールをひっくり返し中身を木製のまな板へと取り出した、脂の乗りが十分で一番うまい状態であがった鰤だ。ネフェテルサでは特殊な海水の海に囲まれている為に季節や時期を問わず年中新鮮で美味な鰤が採れる。ただ、バルファイ王国から研究に来たどの海洋学者も理由は分からないと言う。羽田「今朝ネフェテルサ王国沿岸で採れた鰤、運よく一番の上物と出会えましたのでお持ちしました。社長・・・、それで・・・。」 羽田がこそこそと結愛に細長い紙を渡す、おそらく領収証だろう。金額を見て結愛は目が真っ白になり、そのままの姿で後ろに倒れてしまった。羽田「社長、大丈夫ですか?!」結愛「こ・・・、こんなに高いの・・・?」 その様子を見たネスタが結愛の持つ領収証を見てみた。ネスタ「ありゃ、これはこれはかなりの上物を掴んだ様だね。よっぽど美味い鰤なのかね。」御厨「それでは僭越ながら私が捌かせて頂きましょう。」 御厨が包丁を握り羽田が持って来た上物を捌こうとすると羽田が声を掛け、同行してきた男性達を呼んだ。羽田「すみません板長、少々お待ち頂けますか?こちらですよ。」林田「き・・・、君は・・・。」デカルト「貴方方は・・・。」 林田とデカルトが驚くのも無理は無い、そこにいたのは事件解決の為林田に協力した梶岡浩章とガヒュー達巨獣人族だったからだ。ガヒュー「デカルト国王にお礼がしたくて来ちゃいました、俺と梶岡さんでこの鰤を捌こうと思います。あの時のハーブティーとフルーツタルトは本当に美味しかった。」梶岡「俺も林田警部には冤罪にして貰ったり昼飯を食わせて貰ったりと恩義があります、是非お礼をさせて下さい。」林田「梶岡君、君の食べた丼はこちらの板前さんが特製の物だ。」ヤンチ「お口に合いまし

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