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第34話

 「僕はダメだと言ったんです!

 山本さん、もしかしてわざとこの男をかばおうとしてるんじゃないでしょうね!」

 隆司は顔を曇らせた。彼は真一を警察に引き渡さない限り、気が済まないのだ。

 彩香は隆司のしつこさに怒りを覚えた。「大山さん、私は何度も優しく相談しました。もう十分あなたの顔を立てたのだから、いい加減にしなさい!

 真一はかぞ...、私の友人です!

 とにかく、あなたが同意しようがしまいが、この件はこれで終わりです!」

 彩香は少し苛立っていた。生理中でイライラしていたため、言葉に気を使わず話してしまった。

 彼女の言葉が他人の耳には別の意味で伝わった。

 周りの人々はすぐにざわめき始めた。

 「なるほど、そういうことか!」

 「どうりでこの小僧が大山さんに対抗できるわけだ。山本さんの後ろ盾があったからか!」

 「これは面白くなってきたな!」

 ......

 皆は驚き、ひそひそと話し始めた。誰もが真一がただ強いだけでなく、彩香という強力な後ろ盾があることに驚いた!

 これで事態はさらに複雑になった。

 「いいだろう!

 彩香、あなたは権力を使って僕を押さえつけるつもりか!

 たとえあなたが社長補佐でも、僕は簡単には引き下がらないぞ!

 私たちの地位は同じなんだ、あなたが僕を押さえつけるなんて無理だ!」

 隆司は怒った。彼の権力は彩香に及ばないが、地位はそれほど劣っていない。

 他の人は彩香を恐れるかもしれないが、彼は違う。

 「無駄話は終わりよ!

 隆司、警告しておくけど、私の忍耐力には限界がある。無理を通そうとしないで!」

 彩香は冷たい顔で言い放った。

 「彩香、僕を脅しても無駄だ。そんな手には乗らないぞ!

 あなたが社長と親しいのは知っているが、それがどうした!

 社長はいつも正しい判断をし、公私を分ける人だ!

 この若者は会社の規則を重大に違反した。あなたが彼をかばうつもりなら、社長にあなたの職権乱用を訴えるぞ!

 その時に社長が怒れば、あなたは大変なことになるだろう!」

 隆司は冷笑し、言葉に明らかな脅威の意味を込めていた。

 「見苦しい奴ね!

 やれるもんなら訴えてみなさい!

 でも言っとくけど、社長を巻き込むと、お前にとって不利になるわよ!」
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