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第42話

 「秦さん、母の具合はどうですか?」

 玲奈は不安げな顔で尋ねた。

 「病状はかなり複雑で、一言では説明しきれません。

 ただ、幸いなことに、一部の炎症などの小さな問題だけで、今のところ大きな心配はありません。一度鍼灸を施し、その後数日間漢方薬を服用すれば、完全に治るはずです」

 真一は微笑んで安心させた。

 芹奈は、この間の治療で脊髄の損傷はほぼ回復していたが、残っている合併症が厄介だった。今すぐに治療すれば、合併症は大した問題にはならないが、放っておくと全身麻痺や命に関わることになる。

 「治せるのですか?

 本当に?それは素晴らしいです!」

 玲奈は大喜びだった。

 元々は試しに頼んでみただけで、真一の医療技術に大きな期待はしていなかった。

 しかし、真一が治せると言ったことで、彼女は非常に驚き、また興奮していた。

 「小さな問題?

 病院のプロの医者たちが治せない母さんの病気を、小さな問題だと言うのか!

 姉ちゃん、まだわからないのか?彼は明らかに嘘をついているだけだ。騙されないで!」

 浩介は姉の腕を引っ張り、冷笑を浮かべながら真一を見つめた。

 彼は今や確信していた。真一がでたらめを言って、姉を喜ばせようとしているだけだと。

 「そんな……」

 玲奈は冷水を浴びせられたように一瞬で冷静を取り戻した。

 病院からは母親が脊髄を損傷していると告げられており、真一が言う炎症とはまるで合わない!

 どちらを信じるかと言えば、彼女は当然、医療技術の権威である病院を信じた!

 「秦さん、もしかして見間違えたのでは?

 母は今、起き上がるのも大変で、そんな軽い病気だとは思えません」

 玲奈は躊躇しながら言った。彼女は真一の医療技術に疑念を抱き、彼が母の病気を見逃しているのではないかと思った。

 「見間違いではありません!

 安心してください。治せると言ったからには、必ず治します!」

 真一は真剣な表情で言った。

 「そうか?

 それなら、母さんの病気を100%治せると保証できるのか?」

 浩介は冷笑した。

 「それはできません!

 治療というものは、誰もが絶対に保証できるものではありません。でも、少なくとも九割以上の自信があります!」

 真一は率直に答えた。

 普通の風邪や発熱ですら、どの医者も絶対に
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