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第48話

 「その通り!

 前に見た恥知らずはいたけれど、こんなにずうずうしいのは初めて!」

 「自分のことを少しは鏡で見てみろよ。玲奈さんはこんなに美しいのに、どこが彼女にふさわしいんだ?」

 「本当に、どこからそんな自信が湧いてくるんだ?」

 ……

 病室にいた他の二人の患者も、博明の無恥さに笑って、みんなで玲奈の肩を持った。

 博明は怒りを抑えきれずに言った。「山田さん、条件はもう提示した。もし納得しないなら、100万をすぐに支払え。さもなければ警察に通報するぞ!

 警察が詐欺罪でお前たちを逮捕しても、文句は言うなよ!」

 「そ、それは……」

 芹奈母娘は言葉を失った。今、10万円すら用意できないのに、100万以上なんてとんでもない額だ。

 こんな大金、彼女たちがどこからも工面できるわけがない!

 一瞬の間に、芹奈たちは絶望に包まれ、どうすればいいのか分からなかった。

 「たったの100万だろう?その金、俺が出す!」

 真一は冷たく言った。

 「小僧、またお前か!」

 博明の顔色が青ざめた。

 さっきも真一が漢方薬での不正を暴いたせいで、芹奈一家と対立することになった。

 今、もう少しで芹奈一家を従わせるところだったのに、真一が再び現れた!

 彼の真一に対する心中の憎悪は募るばかりだった!

 「秦さん、ありがとうございます。でもあなたのご好意は受け取れません。

 今回、あなたが母の病気を治してくれたことだけでも、どう感謝すればいいのか分かりません。それなのに、お金まで出してもらうなんて!」

 玲奈は真一の申し出を断ろうとした。

 「大丈夫です!

 このお金は一旦僕が貸すと思ってください。将来お金が手に入ったら、その時に返してもらえればいいんです」

 真一は笑顔で言った。

 「でも……」

 玲奈はまだ迷っていた。

 「何も心配しなくてもいいです。誰でも困ったときがありますから。もし僕が困ったときは、あなたも助けてくれればいいんです」

 真一は優しく言った。

 「うん……ありがとう……」

 玲奈は感動で涙が出てきて、言葉にならないほど心の奥底で感謝していた。

 彼女が真一に出会って以来、真一は何度も彼女を助けてくれた。それも一切の見返りを求めずに。この素晴らしい人柄が彼女の心を深く動かした。

 彼女は心の中
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