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第18話

 鍼を施した後。

 真一は顔色が真っ青になり、額から汗が滝のように流れ、一瞬のうちに力尽きて床に座り込んでいた。

 彼はまだ初心者で、気で鍼を御する能力はなく、体内の未知の力だけを頼りに何とか施術を行ったのだ。

 「げっ!げっ!」

 その時、林さんが突然反応し、目を見開き、連続して血を吐き出し、すぐに服と床を真っ赤に染めた。

 そして、林さんは目を閉じ、一切の動きが止まり、呼吸も止まって、息を引き取った!

 「おじいちゃん……」

 「父さん……」

 和子と健一は驚愕し、悲鳴を上げながらすぐに林さんの元に駆け寄った。

 「だから言っただろ、この子はただの目立ちたがりで、功を焦ってるだけだって。こんな無謀な行動をして、人の命をなんだと思ってるんだ。

 世の中が荒んでいくのは、まさにお前のような奴のせいだ!」

 助手が首を振り、真一が無茶な治療を行った結果に驚くことはなかった。

 斉藤さんも残念そうに首を振った。最初、彼は真一が天命六鍼を使っていると思ったが、どうやら思い違いだったようだ。

 「真一、お前のせいだ!

 お前がうちの父さんを殺したんだ!」

 健一は怒り狂い、真一の襟をつかんで、ひょろひょろとした体を床から引き上げた。血走った目で今にも彼を殺しそうな勢いだった。

 父親はついさっき死にかけたところだったが、何とか息はある。息を引き取らなければ、一筋の希望がある。

 しかし、真一の無責任な施術のせいで、父親の唯一の生命線も絶たれてしまった!

 健一の怒りは想像に難くない。

 「この小僧を捕まえろ!

 父親を殺した奴を、すぐに警察に引き渡せ!」

 健一は怒号を上げ、数人の林家の護衛が外から急いで入ってきた。

 そして、彼らは犯人を捕まえるかのように、真一を押さえつけた。

 「私は……」

 真一は青ざめて、どうするべきか分からなかった。

 「おじいちゃん……」

 和子は泣き声を上げ、後悔と絶望に心を痛めた。

 彼女は事前に真一の素性を調べていて、真一は馬場家三年間入り、いつも無力で医術も何もない無能な男だと分かっていた!

 さっき真一を信じるべきではなかった。そうでなければ、おじいちゃんを死なせることもなかったのに!

 しかし、今さら後悔しても遅い!

 「ふぅふぅ!」

 その時、林さんが突然激しく咳き込
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