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第17話

 「笑わせるな!」

 国の名医の斉藤さんですら林さんの奇病を治せないのに、お前は何者だというんだ!どんな手段があるというのか?」

 「まさかお前が斉藤さんよりも医術が優れているとでも言うのか!」

 斉藤さんの助手が当てこすった。

 「名を欲しがり過ぎだろう!」

 斉藤さんが眉をひそめ、真一を見下ろし、「お前も医者か?」

 「俺は医者ではないですが……」

 真一は首を振った。

 「医者でもないくせに、妄言を吐くとは!

 たとえ医者であったとしても、この歳で人を救うなんてできっこない。ただの道化者だ!」

 健一が激怒し、真一をにらみつけた。

 真一は黙り込んだ。彼はすでにこのような結果を予測していた。

 案の定、再び赤恥をかいた。

 「それは必ずしもそうではないです!

 真一は最初におじいちゃんを見たとき、おじいちゃんの額が青ざめ、頬が紫になっていると言いました。命が危ないと!

 それに、先ほど斉藤さんが鍼を打った時、彼も穴位が間違っていると指摘したが、みんなが信じなかっただけなんです!

 しかし、結果的には彼が正しかったのです!」

 和子は前の出来事を振り返り、徐々に頭の中がはっきりしてきて、目に希望の光が再び宿った。

 「今、彼が祖父を救えると言うなら、彼には本当に方法があるのかもしれません!」

 「それは……」

 健一は一瞬口ごもりましたが、すぐに反応し、冷笑した。「彼はただ偶然に当たっただけで、それが何かを証明するわけではない!

 とにかく彼は医者ではない、君の祖父を無理やり治療させることには同意しない!」

 「祖父が今こんな状態であるのに、あなたは見て見ぬふりをして彼を殺す気ですか?

 斉藤さんはもう祖父を治療できないと言っています。それなら真一に試してもらうのも悪くないではありませんか!

 もしかしたら彼は本当に奇跡を起こすかもしれません!」

 和子は理屈をこね続け、決意が固い様子だった。

 健一の顔色が変わり、口ごもるばかりだった。娘が藁にもすがる思いであることを理解していたが、それ以外に良い方法もなかった。

 「この若者が方法があると言うのでしたら、試してみさせてはどうでしょうか!

 私も彼の医術がどれほど優れているのか、見てみたいと思っています」

 斉藤さんは淡々と健一に言った。

 彼は長
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