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第7話

両親が階下から駆け上がってきた。

「京介、何をしているの!小夏はあなたの妹なのよ、どうして首を絞めたりなんかするの!」

母は兄の手を引っ張り、彼が彼女の首を離すようにしようとした。

だが、兄はその場に立ち尽くし、陰鬱で恐ろしい目つきのままだった。

母は兄の手を引き離せないとわかると、今度は父に向かって「早く京介を引き離してよ、彼は狂ってるわ!あの子を絞め殺す気よ!」と叫んだ。

父も加勢し、兄を引き離そうとしたが、兄は冷たい表情のまま、彼女を思い切り遠くへと突き飛ばした。

彼女は床に倒れ込み、うつ伏せのまま泣きながらこちらを見上げた。

「雪奈が死んだことなんてどうだっていい。彼女が死んだからこそ、この家は大いに繁栄するのよ」

「もし今回、彼女の運命が良くなければ、あの子も軽傷で済まなかったわ。

昔、あの占い師が言った通りだわ。雪奈が不幸になればなるほど、この家はどんどん栄えるって。彼女が死んだから、これで私たちはきっと良い方向に進むわよ」

母は彼女を抱きしめ、髪を整えてやりながら、私に目を向けることさえしなかった。

小夏が母の胸にすがりつき、涙を浮かべているのを見て、私は目を伏せた。

「よく泣く子がかわいい子」と言うけれど、私が強がりすぎたのかもしれない。

それとも、私の涙なんて両親にとっては価値がないのかもしれない。だから私が死んでも、彼らには全く痛くもかゆくもなかったのだろう。

「雪奈が死んだのに、彼女の遺体の前でこんな冷たいことを言って......お前たちには心がないのか」

兄は彼女を指差して冷笑し、「お前たちは彼女を宝物のように扱ってきたけど、雪奈のことは一体なんだと思ってるんだ?お前たちが雪奈にどう接してきたか、俺は全部見てきた」と言った。

「雪奈が死んだから、もうお前たちに脅されることもない。今からは、雪奈のために復讐する。お前たち、誰一人逃れられない......」

兄は冷たい笑みを浮かべ、その眼差しは見る者すべてを凍りつかせるかのようだった。

母は兄を見つめながら、彼の手を引き、彼女をかばうようにしてドアの方へと一歩後退した。

「京介、あなたは私たちの息子なのよ。雪奈が死んで、あなたがどれほど悲しんでいるかはわかっているわ。

でも、彼女はもう亡くなったの。死んだ人間は戻らない。それに、昔のことだって私たちはずっと隠
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