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第395話

由佳は暴露の騒動を経験した後、Twitterのフォロワー数が大幅に増加した。

前回、離婚証明書の写真を投稿したツイートには、多くの人が彼女を誤解していたことを謝り、彼女に同情し、応援の声を寄せていた。

本当はもうこのTwitterアカウントにログインしたくなかった。

だが、現代のネット社会では、どんな小さな出来事もすぐにオンラインに拡散される。

由佳は、父を殺した背後の黒幕が誰なのかまだ分かっていなかったが、自分が進めている私的な調査が明るみに出たとき、自分も父と同じ運命をたどるかもしれないと危惧していた。

だからこそ、彼女は自分の露出を維持し、万が一に備えておく必要があった。

もし自分が命を落としたなら、そのことがすぐに暴露されるだろう。

また、健二が手がかりを掴んだとしても、手続き上の問題や内部の妨害で再審が進まないという可能性もある。

そのときは、自分の影響力とフォロワー数を利用して、関係機関に圧力をかけて、再審を強制させるつもりだった。

そう考えると、インターネットは確かに両刃の剣だった。

露出度を維持するため、由佳はそれに抵抗を感じつつも、Twitterの大規模アカウントをしっかりと運営する必要があった。

ちびの写真を2枚投稿すると、すぐに多くのコメントが寄せられ、その多くが「かわいい」という称賛や、過去の出来事について彼女を励ます言葉だった。

そんな中、由佳は誰かが彼女にオーストラリアの旅行を尋ねていたのを目にした。おそらく高村の投稿を見て、彼女たちが旅行していたことを知ったのだろう。

由佳は考え、高村とのオーストラリア旅行をまとめた記事を書き、旅行中に撮った写真を都市ごとに整理して投稿した。これもまた、多くの称賛を受けた。

……

翌朝6時20分、黒い高級車が空港の駐車場に入ってきた。

清次は車から降り、ターミナルビルへ向かい、到着ゲートで待機した。

彼はグレーのコートに身を包み、すらりとした体型で多くの人の視線を集めていた。

清月は沙織を飛行機に乗せた後、清次にメッセージを送り、飛行機が予定通り離陸したことを知らせた。到着もほぼ予定通りのようだった。

清次は腕時計をちらりと見てから、前方の通路に目を向けた。

5~6分後、出口から乗客が続々と出てきた。

その中に、厚手の長いコートを着て、小さなブーツを履いた4~5
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