共有

第226話

最近のニュースが炎上しているが、会社の上位はそのことを口にしなかった。彼らにはその資格がないからだ。

しかし、この常務副社長にはその資格がある。彼は単に常務副社長であるだけでなく、会社の株主の一人であり、取締役会のメンバーでもある。会社の株価にも直接関係しているため、彼がこの件を持ち出すのは不自然ではない。

おそらく皆が問題の原因が山口清次にあることは理解しているだろうが、誰も彼を非難する勇気はなかった……

その場で指摘された由佳の顔色はさらに青ざめ、心の中で深く恥じ入っていた。「私の個人的な問題で会社にご迷惑をおかけし、本当に申し訳ありません……」

言葉を続ける前に、山口清次が彼女を遮った。

彼は皆を一瞥し、「今はその話をする時ではないと思います」と述べた。

財務部長の任免だけは取締役会の投票が必要だが、他の部署やプロジェクトの責任者に関しては山口清次が直接決定権を持っている。

高橋取締役は無理に笑みを浮かべた。「確かにそうですね」

山口清次は明らかに由佳を守るつもりで、これ以上何を言っても無駄だった。

「続けてください」山口清次が淡々と促した。

山本さんはにこやかに言った。「私が言おうとしていたことは、前の方々がすでに話されたので、繰り返しません」

「ただし、」と彼は話を切り替えた。「数日前、森監督と食事をしていた際に、山口総監督が彼の招待を断り、さらに彼をブロックしたと聞きました。由佳、その件について何か説明がありますか?」

別の常務副社長が続けて、「森監督? 彼は現在、オーディション番組を準備しているんじゃないのか? スポンサーになるのは良いことだ。国内のアイドルファンの消費力はかなり高いからね」

この常務副社長の姓は林で、MQや他のブランドを管理しており、由佳の直属の上司である。ただし、普段はあまり細かいことには関与せず、部下に権限を委譲している。

皆が一斉に由佳を見つめた。

由佳は山本さんを見つめ、率直に認めた。「その件は確かにありました……」

「由佳、山口氏に入社してもう三年になるのに、何をすべきか、何をすべきでないか、まだ分かっていないのか?」

山本さんはすぐに非難の声を上げた。

林副社長が和やかに場を取り成し、「由佳のここ数年の仕事ぶりは誰の目にも明らかだ。この件はおそらく誤解だろう。ではこうしよう。いつか森監督
ロックされたチャプター
この本をアプリで読み続ける

関連チャプター

最新チャプター

DMCA.com Protection Status