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第179話

冬は寒くて外に出たくない人が多く、家の中で村の人たちと一緒にマージャンをした。勝ったり負けたりしても大した金額ではなかった。

由佳は子供の頃、小さな椅子を持ってきて、祖父の後ろでマージャンを見ていた。見ているうちに、自然とルールを覚えた。

「何回か見れば分かる。」

少しして、山口清次の携帯電話が鳴った。

彼はポケットから携帯電話を取り出し、画面を見た。パートナーからの電話だった。

彼は立ち上がって外へ向かい、由佳に「代わりに少しやってくれないか?」と言った。

数回のゲームを見た後、由佳はルールを理解し、頷いた。「分かった。」

山口清次の席に座り、数枚の牌を打ち出した後、由佳は遅れて気づいたように尋ねた。「どのくらいの賭け金なの?」

和也は二本の指を立てた。

由佳は眉を上げた。

大網が説明した。「二十万円だ。」

由佳は内心驚き、さらに真剣になった。

廊下の階段口で、山口清次が電話を切り、ふと見ると大和が近くに立っていた。

「どうして外に出てきたんだ?」山口清次が尋ねた。

「ちょっと空気を吸いに来た。」大和は前に進み、山口清次のそばで止まった。「山口清次、おこがましいかもしれないが、どうしても聞きたいことがある。君はどうするつもりなんだ?」

山口清次が黙っているのを見て、大和は続けた。「歩美を一生愛人にするつもりか?」

「そんなことはしない。」

「じゃあ、いつ由佳と離婚するつもりなんだ?君のお祖父さんにはどう説明するんだ?」

山口清次は彼の言葉を遮った。「歩美とは何もないし、これからも何もない。」

大和は呆然とした。

「でも、前に歩美を連れて来たし、メディアにも何度か撮られたことがあるじゃないか?」

それは彼が歩美と再び関係を持とうとしていることを示していた。

大和は非常に困惑していた。

以前、山口清次は確かにそのつもりだった。

その時、彼はまだ歩美を愛していると思っていた。

だが、今ではそうではないと感じている。

感情の問題は複雑で、今はただ由佳と離婚したくないと思っているだけだ。

大和の表情を見て、山口清次は言った。「もう過去のことだ。彼女にはっきりと伝えた。国内に留まるか、国外に行くかは彼女の自由だ。」

大和は山口清次を見つめ、何と言っていいか分からなかった。

彼はこのような展開になるとは全く思っていなかっ
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