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第5話

私は警察に通報し、晴子を傷害罪で訴えた。

警察は私の傷の検査を行い、最終的に「軽傷」という診断結果が出た。

弁護士に相談すると、晴子は未成年のため、判決は軽く済む可能性が高いと言われた。

そもそも、彼女を刑務所に送るつもりはなかった。

そんな軽い罰では、むしろ無意味だと感じたからだ。

弁護士は帰る前に、彼らが軽い判決を得るために、私に対して「嘆願書」を求めてくる可能性が高いと警告してくれた。

予想通り、数週間後、私が退院して家に戻ると、沙織が晴子を連れて家にやってきた。

「晴子はまだ子供なのに、どうして残酷に警察に通報したの?」

おそらく亮が何か言ったのだろう、晴子はまだ私が愛人だと思い込んでいた。

「お母さん、彼女に頼まないで!どうせ私生児なんだから、そもそも生まれるべきじゃなかったのよ」

「美羽、あなたがどう私を虐めようと構わない。でも、娘を刑務所に送るわけにはいかないわ。あなたはただ一人の子供を失っただけ、もし晴子が刑務所に入れば、彼女の人生が完全に潰れてしまうのよ!」

目の前で演技をする親子の姿を見て、私はすぐに嫌気がさした。

私は亮との結婚証明書を取り出し、彼女たちの前に叩きつけた。

晴子は肩をすくめて無関心な表情を見せた。

「何?愛人じゃないことを証明するために、わざわざ偽の証明書を作ったの?」

「本物かどうかは、役所に行って確認すればいいわ」

私が一切恐れない態度を見せると、晴子の表情には一瞬、疑念が浮かんだ。

「お母さん、これ本物なの?」

沙織は見ることさえせず、すぐに答えた。「もちろん本物よ!」

晴子は呆然とし、顔には疑いと理解できない表情が浮かんだ。

「結婚証明書なんて大したことじゃないわ。私はあなたの父親と籍を入れていないもの!」

沙織は堂々と背筋を伸ばし、目には異様な光が浮かんでいた。

「あなた、聞いたことないの?愛されていない方こそが本当の愛人なのよ!」

私は鼻で笑い、晴子に向かって言った。「見たでしょ、あなたの母親こそが愛人で、あなたこそ生まれるべきじゃなかった私生児なのよ!」

「そんなはずない!お父さんはそんなこと言ってなかった!」

晴子は地面に落ちた結婚証明書を拾い上げ、じっくりと確認し始めた。

その時、亮がどこからか情報を得たのか、慌てて家に戻ってきた。

「お父さん、美羽がずっと
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