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学生が私の授業資料を「愛人の自白」に差し替えた
学生が私の授業資料を「愛人の自白」に差し替えた
著者: 瑞木ベリ

第1話

全ての準備が整い、校長と教育委員会のリーダーたちが見守る中、私の授業が始まろうとしていた。

ベルが鳴り、私は軽く声を張り、「授業を始めます」と告げた。しかし、教室内の学生たちは全く反応を見せなかった。

教室の雰囲気が明らかにおかしいのは一目瞭然であったが、たくさんのリーダーたちが見守っている手前、私はただ微笑んで、強引に授業を進めようとした。

数分後、授業の進行に合わせてプロジェクターを使おうとしたとき、元々準備していたパワーポイントが誰かによってすでに差し替えられていたのに気づいた。

スクリーンに映し出されたのは、「愛人の自白」という大きな文字だった。

私が呆然としている間に、教室の後ろに座っていた中島晴子が立ち上がり、声高に言った。

「皆さん、私は今日、この場で告発します。歴史の教師である五十嵐美羽は、不倫して、私の家庭を壊した張本人です!」

彼女のこの言葉に、教室中がざわめいた。

教育委員会のリーダーたちもこの状況に驚き、主任に視線を送っていた。

私はできるだけ冷静を装い、「中島さん、もし私に何か不満があるのなら、後で話し合いましょう。今は授業の時間です。授業の進行の邪魔はしないでください」と言った。

校長は立ち上がり、「生徒の言うことはあとでしっかり確認します。今は授業を続けてください」と彼女をなだめようとした。

晴子は鼻で笑い、「もし本当にこの女をちゃんと管理してたなら、彼女が愛人になんてならなかったはずよ!お偉いさんたちは結局、私たちを子ども扱いしてるだけだ!」と反論した。

この言葉をきっかけに、クラスの学生たちは一斉に興奮し、次々と口々に叫び始めた。

「不倫の愛人が副校長なんて、何を教えるつもりなんだ?男を誘惑する方法ですか?」

「俺はもう親父を保護者会に連れて来たくないな、いつ誘惑されるかわからないし!」

「そうだよな、彼女は親だけじゃなく、いつかは学生にまで手を出すんじゃないか?」

彼らの言葉は次第にエスカレートし、私は思わず教科書を卓上に強く叩きつけた。

教室は一瞬静かになったが、その後すぐに騒然となった。

主任は状況が手に負えなくなったと感じ、上司たちを先に退室させようとしたが、晴子は素早く立ち上がり、教室のドアに鍵をかけた。

私が「鍵を渡せ」と叫ぶ間もなく、彼女は手を上げ、窓から鍵を放り投げた。

何人かの上司たちは、今日の状況がただで済むわけがないと悟り、クラス全員の視線を受けながら元の席に戻った。

公開授業が台無しになり、私は真っ青になって言った。「中島くん、君は誤解しているかもしれないが、私はもう結婚している!」

「結婚しているかどうかなんて関係ないわ!結婚しているからって、不倫してはいけない理由があるの?」

晴子は得意げに笑った。「今日はここで、みんなの前であんたの罪を詳しく説明してやる!」

彼女は私の手からリモコンを奪い、教壇に向かって操作を始めた。

「罪その一、愛人だから、教師にふさわしくない」

「私の両親は結婚して15年、ずっと仲が良かった。父は常に指輪をしていて、彼が既婚者であることを証明しているのに、美羽という女は、私の父と同じデザインの指輪を密かに買った上に、父を誘惑するために不適切な言葉を送ってきていた!これが証拠よ!」

彼女が示した証拠を見て、私は突然顔が赤くなった。

まさか、私と夫とのチャットの記録が公然と晒されるとは思ってもみなかった。

結婚してからずっと子供を授かっておらず、年齢が日々増す中、ここ数ヶ月でようやく焦り始めていた。

そのため、チャットの内容には色々な話が含まれていた。

私が何も言えないでいると、晴子はパワーポイントを続けた。

「罪その二、セックス取引で職位を得ようとしている。これらの写真は私が自ら撮影した証拠よ!」

スクリーンには、私と夫の中島亮との写真が映し出された。

放課後、彼のオフィスで抱き合っている写真、彼の膝に座っている写真、そしてキスをしている写真。

晴子は私を厳しく非難した。「美羽、まだ何か言うことがあるの?」

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