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第46話

これはまずい。

事前に鈴木慎太郎に話をし、万全の準備をしておかないといけない。何としても、自分の正体がばれてはいけない。

新谷結菜は食事中に二人に言った。「今度京都に来た時、以前のクラスメートとも会う約束をしたの。そしたら皆がこれを機に同窓会をやろうと言っていたの。あなたたちはどう思う?」

田中健太はすぐに言った。「君たちの同窓会には、僕は行かないけど」

「どうして?」新谷結菜は言った。「確かに4年間一緒にいたわけではないけど、少なくとも1年間はクラスメートだったでしょう!」

当初、佐藤だいすけが田中健太を引き取って世話をした時、佐藤まゆみと事前に知り合わせたいと、田中を京都大学に通わせて、四年生の時佐藤まゆみと同じクラスで過ごさせた。

卒業後、二人はすぐ結婚したのだ。

田中健太はクラスメートと言っても1年間だけ同じクラスだったが、ほとんどの人はずっと彼のことをバカにしていたのだ。。みんなとあまり親しくないので、同窓会なんて全く興味がなかった。

佐藤まゆみもあまり参加する気がないようで言った。「私たちは行かないよ。卒業してから、ほとんど皆と連絡を取っていないから」

新谷結菜は急いで言った。「今回は、クラスの中村正雄がレストランを開業するから、同窓会を計画しているの。明日が開業式で、皆を招いて、彼のレストランを盛り上げてあげたいって言い出してて、ついでに一緒に食事を楽しもうって話だったの」

「開店祝いの大事な日に、行かないと失礼なんじゃない?」と新谷結菜は続けて言った。

声が落ちた途端、三人の携帯電話が一緒に鳴り響いた。LINEの通知だった。

すぐに、たくさんのメッセージが表示された。

皆が携帯を取り出して確認すると、中村正雄がクラスメートのグループチャットを作っていて、既にそのグループには30人以上いた。

中村正雄はグループチャットで言った。「昔のクラスメートの皆さん、私の投資した小さなレストランは明日の昼に正式に開業します。レストランは京都にありますので、京都にいる皆さんが来てくだされば幸いです。同窓会として楽しんでいただければと思います!」

「ちょうど我がクラスの美人のうち、新谷結菜も京都で働くことになり、彼女も同窓会に参加するそうです。新谷さんはまだ独身だそうですよ。グループ内の独身の男たちは、チャ
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