第48話

慎一のこの態度、まるで私を敵のように見ている。これを知らない人は、まるで刺されたのが雲香じゃなく、慎一だと思い込むだろう。

「慎一、この件は康平にも夜之介にも関係ないわ。関係ない人を巻き込まないで」慎一は以前から、私を警察に突き出そうとしていた。私はそれを軽く受け流し、ただ無実の証拠を見つければいいと思っていた。

しかし、今では彼が本気だと分かった。彼が雲香のために、ここまで冷酷になれるとは思わなかった。

彼が私を追い詰める理由は二つだろう。雲香のために怒りを晴らしたいか、あるいは私が彼にすがるのを待っているのだろう。しかし、私はどちらも選ばない。

「無関係だと？夜之介が立て続けに俺に攻撃を仕掛けてきたが、さぞかし気分がいいだろう？」慎一の目はますます暗く陰鬱になり、私は彼に向かって笑顔を浮かべた。「そんなに分かりやすかった？慎一、真相が明らかになるその日を心から楽しみにしているわ。その時は自分の手で、あなたを打ちのめしてやる！」

慎一の記憶に、こんなに自信に満ちた私の姿は残っていないだろう。これまでの私は、いつも穏やかで従順だった。彼は、佳奈が本来どんな女性だったか、忘れてしまったに違いない。

私たちが結婚する前、両家は政略結婚を意図していた。私は大胆に彼の前に現れ、彼に告白した。

私は何の隠し事もせず、ずっと彼を愛していると言った。彼は、私の目の中に燃えるような情熱を感じ、驚いていたが、その言葉を本気にはしていなかった。彼は私の告白を、ただの男を誘惑するための小細工だと受け取っていたのだ。結婚後も、私は彼を引き寄せるために、幾度となくその手を使った。

彼を喜ばせるため、彼の両親を喜ばせるため、私は少しずつ自分の角を削っていった。彼も、私がかつてどれほど自信に満ちた女性だったか、すでに忘れてしまったに違いない。

でも、彼に思い出させてやるわ。私は本来、どんな女性なのか。そして彼に告げるのだ。こんな私が、もう二度と彼のものにはならないと！

ダメ男への最高の復讐は、自分をもっと素晴らしい女にすることよ！

私の反抗が彼の威厳を揺るがし、慎一の声はますます平静になっていった。だが、それこそが彼の怒りの前兆であることを私は知っていた。「どんなにあなたがここで理屈をこねようと、雲香がお前のせいで20針も縫った事実は変わらない。佳奈、お前が反省しない限り、