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第180話

「明日は私もここで寝るわ」

お腹の中の赤ちゃんも、パパと一緒にいたいだろう。

「じゃあ、明後日は?」修はまるで子供のように次々と質問を続け、まるで毎日お菓子を欲しがる子供のようだ。

「明後日も」

「じゃあ、大明後日は?」しつこく食い下がり、まるでしぶとい妖精のようだ。

「もう、隣の部屋には行かないわ。あなたと一緒に寝るために戻ってくるわ」

彼のあまりのしつこさに、若子の顔が少し赤くなり、手の甲でそっと自分の熱くなった顔を押さえた。

「本当?」修は少し信じられない様子で、疑わしげな目で彼女を見つめた。

「もちろん本当よ。こんなことでどうして嘘をつくの?さあ、横になって休んでて。私は自分の部屋からパジャマを取ってくるから」

「わかった。でも、絶対に戻ってきてね。君が戻ってこないと、俺は寝ないから」修は名残惜しそうに彼女の手を離し、まるで寂しがり屋の子供のようにベッドに横になった。

若子は苦笑しながら、その様子を見つめた。まるで彼が自分の子供のように感じられた。実際、彼女はもう母親だった。妊娠した瞬間から、彼女はすでに母親としての役割を背負っていた。修を子供だと思って、母親の練習でもしようかしら、と軽く考えた。

若子は隣の部屋に行き、荷物を取りに行った。戻ってくると、修はすでに部屋にはおらず、

浴室の扉が開いていて、中から水音が聞こえてきた。どうやら彼はシャワーを浴びているようだった。

医者からは、傷に水をかけないようにと言われていた。彼が不注意で怪我を悪化させないか心配だった。

若子は慎重に浴室の扉の前まで近づき、中を覗くと、修の服が床に散らばっているのが見えた。急いで顔を背け、顔が真っ赤になり、熱くなった。

すると、浴室の中から低い呻き声が聞こえてきた。

若子は驚いて振り返ると、修が床に倒れているのを目にし、慌てて駆け寄った。「修、大丈夫?」

修を抱き起こすと、彼は力なく彼女に寄りかかり、弱々しい声で「若子......目が回る」と言った。

強そうな彼が、今はまるで風に吹かれる柳のようにか弱い姿に見える。そのギャップが強烈だった。

若子は彼のことが気がかりで仕方なかった。彼は彼女のために怪我を負ったのだから、当然だった。

「病院に連れて行って、もう一度検査してもらったほうがいいかも」

医者は軽い脳震盪だと言っていたが、若子にはそ
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