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第127話

おばあちゃんも本当に、何でこんなことをするのよ!

孫を少しでも気遣っているかと思ったら、結局は計算しているだけだった。

だから部屋に入った途端、藤沢修が飛びかかってきたんだ。元気いっぱいの男に、あんなに滋養強壮の物を飲ませれば、衝動を抑えられないのも無理はない。

だから彼が私の手を振り払ったのは、彼が衝動を抑えきれないことを恐れたからだったのか?私は彼を誤解していたんだ。

男が苦しそうな様子を見て、松本若子は小声で言った。「それで…どうしたらいいの?」

この状況では、ああいうことをするしか解決策はないのかもしれない。でも、今の彼らの関係ではそれはできないし、何より自分は妊娠している。

「冷たいシャワーを浴びてくる」

藤沢修は立ち上がり、浴室へ向かった。

松本若子は、自分が誤解していたことに少し恥ずかしさを覚えた。

彼女は部屋を出て、キッチンの冷凍庫から氷をいくつか取り、容器に入れた。

すると突然、後ろから声が聞こえた。「若奥様、こんなに遅くまで起きていらっしゃるのですか?」

松本若子はドキッとし、慌てて振り返りながら、どもりながら言った。「執事、あなたもまだ起きていたのね…?」

「片付け忘れたところがないか、確認しに来ました。若奥様、なぜそんなに氷を?」

「私は…」松本若子は内心焦っていた。執事が彼の仕事部屋の鍵が1本なくなっていることに気付くかもしれない。

それに、執事も藤沢修があの大補スープを飲んだことを知っているだろうし、今彼が火照っていることもわかっているはず。

氷をこんなにたくさん持っていけば、疑われるかもしれない。

彼女は言い訳を考えたが、赤面して言った。「執事、これは私たち夫婦の…ちょっとしたプライベートなことなんです。あまり詮索しないで、恥ずかしいから…」

「そうですか…失礼しました。どうぞお続けください」

執事は少し困ったように笑い、軽く会釈して道を譲った。

松本若子は氷を抱えて彼の横を通り過ぎた。

「そうだ、執事」彼女は立ち止まり、振り返って言った。「早く休んでね。まだ家の中で起きている人がいると、私たちも修も恥ずかしいから…」

彼女は執事が仕事部屋の鍵がなくなったことに気付いてしまうのではと恐れていた。もしもおばあちゃんに知られたら、面倒なことになる。

「わかりました、すぐに休むことにします」執事は微
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