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第135話

時が経ち、二日が過ぎた。

松本若子はまだ藤沢修と連絡が取れずにいた。幸いなことに、最初に戸籍謄本を手に入れたのは金曜日だったため、その日はなんとかごまかせた。

そして二日目と三日目は週末だったため、役所が休みで身分証の再発行ができないと言い訳できた。

この二日間、若子はあらゆる方法を使って修と連絡を取ろうとしたが、何度電話をかけても電源が切れたままだった。彼が桜井雅子とどこまで進展しているのか、完全に外界と連絡を断つとは、若子には想像もつかない。

彼女は心を痛め、焦りながら待つしかなかった。

そして、月曜日がやってきた。

朝早くから石田華から電話がかかってきて、彼女は率直に言った。

「若子、今日は身分証を再発行しに行きなさい。午後には戸籍謄本をおばあちゃんのところに戻すこと。これ以上引き延ばしは許さないわよ」

石田華の声は非常に厳しかった。彼女は、戸籍謄本が若子の手元にあることをとても心配しているようだった。

若子は目を覚ましたばかりで、まだぼんやりしていた。「おばあちゃん、何でそんなに急かすんですか?」

「急かさなきゃいけないのよ。若いのに、どうしてこんなに何でも引き延ばすの?金曜日にすぐに身分証を再発行すべきだったのに、まだ終わってないなんて。もうこれ以上遅れたら、私があなたを連れて行って手続きさせるわよ」

若子は慌ててベッドから起き上がった。「わかった、おばあちゃん。今日は必ず身分証を再発行しに行きます」

これ以上引き延ばしたら、おばあちゃんに疑われてしまう。彼女はとても賢い人だ。

「早く手続きをしなさい。午後5時までに戸籍謄本を返しなさいよ、わかった?」

「わかりました、おばあちゃん」

おばあちゃんの前では、若子の小さな計画もすぐに見抜かれてしまう。彼女は従うしかなかった。

電話を切った後、若子は再び藤沢修にメッセージを送った。「私のメッセージ見てる?おばあちゃんが今日中に戸籍謄本を返せと言ってるわ。早く返事して!」

この数日間、彼女は何度も何度も修にメッセージを送ったが、返事はなかった。

若子は起きて洗面を済ませ、朝食を食べ終えた頃、電話がかかってきた。

彼女は修からの電話だと思い、慌ててスマートフォンを取ったが、画面に表示されたのは遠藤西也の名前だった。

若子は少し落胆したが、それでも電話を取った。「もしもし」

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