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第7話

13、

「強制性交等罪で問われたいの?」

私は全力で彼に抗った。

彼は一瞬動きを止め、信じられない様子で怒鳴り返してきた。

「どういう意味だ?あいつと一晩寝るだけで、僕はもう仲間外れされた?」

康之の呼吸は乱れ、すでに以前の冷静さを失っていた。

「あいつが指動かしただけで、君は嬉々として駆け寄ったのか?」

「君は本当に……」

「気持ち悪い」

私は冷静に言った。

「それを言いたかったの?」

彼は一瞬驚いたように動きを止め、徐々に顔色が暗くなっていった。

「違うか?」

「君も、君の母親も、まったくもって気持ち悪いんだよ」

私はゆっくりと首を振り、初めて彼の非難と八つ当たりに対して反論する勇気が湧いた。

「違うよ。康之に借りを作った覚えはないよ」

「昔、真実を知らなかったのは私だし、抵抗する勇気がなかったのも事実」

ここ数年、滝森おじさんは私を良くしてくれていた。

でも康之は、いつも私に「君は僕に借りがある」と繰り返していた。

その言葉は、私の心に罪悪感の種を植え、やがて根を張り始めた。

そして、18歳のあの日、康之にレイプされた後。

その一つ一つの出来事が、私の反抗心を完全に打ち砕いた。

「どの口で『借りを作った覚えはない』だなんて言えるんだ?」

彼は冷笑し、冷酷な声で続けた。

「思い出させてやろうか?君の母親が僕の家を壊したってことを……」

「また母のことを引き合いに出すの?」

私は彼の言葉を遮り、視線をまっすぐに合わせた。もう逃げない。

「真相は何だったのかは、直人がもう調べたでしょ」

「当時の私は何も知らなかった。でも、康之は?本当に何も知らなかったの?」

14、

あの時、滝森おじさんと滝森おばさんの婚姻関係はすでに形だけのものとなっていた。

実際のところ、最初に浮気をしたのは滝森おばさんの方だった。

私の母に出会った時、滝森おじさんは独身だと嘘をついていた。

彼女は他人の関係に割り込むことを何よりも嫌っていた。

なぜなら、私の父が愛人と旅行中に事故で亡くなったからだ。

だから、私は嬉しかった。母が自分が最も嫌悪するような人間にはならなかったことに。

でも、私は認めざるを得なかった。

母は最初から、私のことを愛してはいなかったと。

だから、彼女は自分が騙されたことを知った時、躊躇せずに金を
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