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ガールフレンドは僕と元カレで結婚の家を共有してほしい
ガールフレンドは僕と元カレで結婚の家を共有してほしい
Author: 愚かな魚

第1話

「遠縁の親戚とは本当に縁が深いね。結婚する家も同じコミュニティで、階段やドア番号まで同じだった。見違えたのかしら」

私は恋人の由香里にこっそりメッセージを送り、こんな不思議な出来事を言った。

メッセージを送ったとたん、遠縁の弟藤井翔太と婚約者が寝間から出てきた。

親戚たちは拍手を送り、婚約者は恥ずかしそうに顔を覆い隠した。

私しか呆然と立ち尽くしていなかった。

ママに肘で小突かれ、憎しみを込めてこう言われた。

「見て、弟でさえ結婚するつもりなんて。いつまでたっても存在しないガールフレンドを連れ戻すなんて毎日言って、本物の彼女をいつ見せてくれるの」

母よ、もう見たのだ。

今、恥ずかしそうに他の男の隣に立っているのは、私のガールフレンド、由香里だよ。

私はとうとう口を開けず、母が即座に心臓発作してしまわないように、黙ってそのままにした。

コミュニティに入った時から、この遠縁の弟との縁が深いと思い、同じコミュニティで結婚する家を選んだなんて不思議だと思っていた。

その結果、行けば行くほど偶然が重なり、同じユニットビル、同じ段階、そして今、実は同じ部屋だと気づいた。

私は結婚する家の鍵を収め、自分の家に隠していた。

どう考えても鍵は外に漏らさないはずだった。

だから、私はただユニットビルを見違えたと思っていた。

しかし、由香里が出てきた瞬間、私は全部を理解した。

こういうことは内部の泥棒しかできなかった。

なぜなら、私たちは愛する人に対して、心配をしないからだ。

でもそのおかげで、彼女は私の心の弱い部分を刺しやすくもなった。

そして、由香里と藤井翔太この「未婚カップル」は、今、親戚たちに囲まれ、格別に注目される存在だった。

藤井翔太の腕は親密に由香里の腰に巻き付いていたが、由香里はその抱きしめがまだ十分に親密ではないかのように、自分の手をさらに内側に引き寄せた。

そのシーンは、私の目の前でゆっくりとクローズアップされ、細部まではっきりと映し出された。

私は、胸に詰まるような酸っぱさと怒りを混ぜ、波のように押し寄せられ、その場を去りたいと思った。

しかし、耳には親戚たちの祝福が響き続けた。

「藤井翔太はこんなに美しい奥さんを手に入れたことができて本当に幸運だね。ずっと幸せになってね」

「お二人は本当に似合ってるね。大学時代から付き合ったらしいね。写真を見たこともあるが、二人は本当にラブラブね」

その言葉を聞いて、私は足がしっかりと釘付けになり、動けなくなった。

由香里は大学時代にボーイフレンドがいて、藤井という苗字だったことを思い出した。

彼女の友人は、その時の恋愛はどれほど激しく、忘れられないほどだったと私に冗談を言った。

どうやら、忘れられないほどに、今にも引き続き繋がり続けているようだ。

そして、私を馬鹿にしていたのだ。

由香里と藤井翔太は遠くから親戚たちに一人ずつ挨拶し、やがて私の近くにやってきた。

私を見て、由香里の目には明らかに驚きとしんきょが浮かんでいたが、すぐに隠して、いつものように明るい笑顔を浮かべた。

まるで本当の花嫁のようだ。

彼女は私を知らないふりをして、他の人と話そうとしたが、かえって母の手を握りしめながらこう言った。

「ありがとうおばさん。よろしくお願いしますね」

母は彼女が私のガールフレンドだと知らず、心からの願いと遠い親戚への羨望に満ちて、祝福を表した。

「娘さんね、本当に幸運だね。翔太は本当に優秀で、結婚する家もよく用意したね」

由香里は私の母を知らず、藤井翔太の親戚だと思い、誇らしげにこう言った。

「この家は旦那さんが全額で買ってくれたのよ」

母は笑って、「おお、お二人は本当に甘えていいね。まだ結婚する前に旦那と呼んでいるのね。」と冗談を言いながら、私を肘で突き刺して、「ほら、見てよ。他人は家さえ買ってもらえるのに」と言わんばかりだった。

しかし、母よ、この家を全額で買ったのは息子なのだ。

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