Semua Bab 義妹とその母によるNTRのエチュード: Bab 21 - Bab 30

42 Bab

後悔と失楽のハーモニー3

 直人君の話によると、有希ははじめから直人君に近づく目的であたしの友達になったのだそうだ。直人君がいつもあたしのことを見ていて、あたしが直人君のことを見ているのに気付いた彼女はその関係を利用して間に介入してきた。あたしに協力してほしいと持ちかけることであたしが直人君に告白することを牽制し、その間に直人君を誘惑したのだという。  たしかにそういわれれば納得のいく部分は確かにある。だけど、そのことを言われることで、学生時代唯一だった友達の有希は友達なんかではなく、ただの性悪女だったことになってしまうし、できればそんな話は聞きたくなかった。  あるいは直人君自身が有希にフラれたことをいまだに根に持っていて、そういうことにしてしまっただけなのかもしれない。今の直人君は小説を書いているといっていたし、作り話をするのは得意だともいえる。  なんにしても、今のあたしにとってはどうでもいいことだ。過去を変えることなんてできないんだから。 「あの時僕らは、何かを読み間違えてしまったのかもしれないね」  そんな言葉で自分に都合よく話を持って行こうとしているけれど、そんな本心はすべてお見通しだ。所詮男の頭の中はちんこでできている。だから、ちんこを満足させるためにくだらない嘘や見栄で虚勢を張るのだ。 「違うわよ、直人君。それは単に今の直人君が、あたしとセックスをするための口実として、そういうことにしているだけなんでしょ? ねえ、正直に答えて。直人君は今日、セックスがしたくてあたしをここに呼んだんでしょ?」 「な、何もそんな言い方はしなくても……」 「いいのよ、べつに遠慮なんてしなくても……もう、ここまで来ちゃったからには、直人君はセックスしてもしなくてもあたしにお金を払わなくちゃいけないの。払わないにしてもその半分の料金をあたしは上に支払わなくちゃいけないしね。だから、直人君は今日、すでにあたしとセックスする権利はちゃんと持っているんだよ」  きっと直人君はまだあたしに遠慮しているところがあるのだと思う。だからあたしはその遠慮を取り払うために直人君にキスをした。  いや違う。そういう理由をこじつけて、ずっと好きだった直人君とそうしたくて、互いに納得できるいいわけを探した結果に過ぎないんだ。  男はキスさえすればすぐにその気になる。いくら誠実を気取って善人ぶろうとし
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-04-09
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家族四人のシンフォニー1

 バイト代が入ったのでコンビニで少し高いアイスクリームを買った。芹香さんは抹茶味が好きだと言っていたので、抹茶と自分用にストロベリーのフレーバーを買った。  待ち合わせをしていたアパートに入るなり玄関口ですぐに濃厚なキスをする。もうこれはいつもの習慣だ。そしてそのまま二人でリビングに行く。 「蒼君も早くシャワー浴びてきなよ」  と芹香さんが言う。彼女はムードを盛り上げるとか、そういうことはほとんどしない。ほとんど野性的にといっていいほどに一刻も早く肉の交わりを始めたがるのだ。  俺がアパートに到着するときにはいつも彼女からは石鹸のにおいが漂っていて、俺にも早く汗を流してこいと促すのだ。  そうして早く始めようと言ってくる。 「すぐにシャワー浴びてくるから、これ、食べて待っていてよ」  そう言って芹香さん用の抹茶のアイスクリームを取り出してテーブルの上に置く。 「わあ、これ高いやつじゃん。蒼君ありがとー」  そう言って蓋を開け、コンビニでもらってきたプラスティックのスプーンを突き立てる。 「やだあ、これかったーい」  と言いながらツンツンとアイスクリームの表面をたたく芹香さんを傍目に残りのアイスを冷凍庫に入れ、シャワーを浴びる。  シャワールームからリビングへと移動すると芹香さんはアイスクリームを食べながら口を開けて舌を出す。 「ねえ、みてみて。舌がみどりいろ!」  そんな無邪気な姿はなんとも愛おしく感じる。まだ髪の毛が渇いていないのだが、ドライヤーをゆっくりと充てるほど几帳面な性格なんかではなく、乾いたタオルを頭の上においてごしごしと短い髪の毛の水分を拭う。あらかた乾いたら自分もストロベリー味のアイスを食べようと考えていたのだが、半分とちょっとの抹茶アイスを食べた芹香さんが「ねえ、蒼君も食べる?」と、スプーンにたっぷりとすくいあげて差し出す。  俺は無言で口を開けて近づくが、芹香さんはスプーンの向きをくるっと自分のほうへ向けて自らの口に放り込む。 「ちぇ」  俺がその言葉を放つとほぼ同時に彼女は俺の上に乗りかかるように押し倒す。  マウスtoマウスで抹茶アイスを俺の口の中に放りこむ。抹茶の苦い香りと冷たいアイスが口の中に広がり、その奥から生暖かい芹香さんの舌が絡んでくる。  俺たちはその
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家族四人のシンフォニー2

「ねっ、蒼。お昼一緒しよーよ」  昼休の教室の隅で、ひとりひそかに弁当箱を開こうとしている俺のところに斎藤美和がやって来た。 「なんでそんなことになるんだよ」 「だってさー、今日茉莉は委員会で呼び出しされているからさ、あたし一緒にお昼する人いないんだよね」 「だからってどうして俺が美和と一緒に飯を食うことに?」 「だってさー、蒼、茉莉のカレシじゃん?」 「うん?」 「茉莉がいないんならそのかわりに相手するの普通じゃね?」 「普通か?」 「だって茉莉がそうしろって」 「茉莉が? そうか」 「あは、茉莉の言うことならちゃんと従うんだ。なになに? もう尻に敷かれているカンジ?」 「うるさいよ」  渡り廊下の下の日陰になったところ。そこが茉莉たちのランチスポットだ。 「もうヤッた?」  ウインナーをかじりながら美和が言う。いきなりの大胆な質問にお茶を吹いた。 「な、なんでそんなこと言わなきゃならないんだよ」 「まあ、言わなくってもいいけどね。見ていればわかるよ、うん。最近の蒼はいいカンジ。なんか自分に自信持っててさ、男らしくなったってカンジ。これはいよいよ茉莉とヤッたんだなって思ってたから。見ているとわかるよ」 「ま、まあ、な」 「やっぱりね。見ていればわかるよ。童貞と非童貞は纏っているオーラが違うからね。あと、匂いも違う。童貞って常になんかイカ臭いから」  言われて、自分のにおいをかいでみる。違いがあるのかどうかは到底わからないが……  それにしても女の感というのは侮れないなと感じた。茉莉とヤッたかどうかについてはさておき、童貞ではなくなったということを見破られたというのは――。 「つか、おい。今まで俺が童貞だったってこと、バレていたのか?」 「むしろバレていないと思っていたのかな? 少し前までアオはあきらかにイカ臭かったからね」 「そ、そう、なのか?」  もう一度自分のにおいをかいでみるが、やはりまったくわからない。 「あたしとしては蒼のイカ臭さが嫌いではなかったんだけどね。あたし、いわゆる童貞キラーってやつだからさ。茉莉がヤらしてくれないんなら、あたしが筆おろししてあげようかって思ってたんだけどな」  そんな言葉に、口に放りこんだばかりの白米の粒にむせ返る。ちょっと童貞を捨てたからと言って俺の本質が成長したわけ
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家族四人のシンフォニー3

 その日の帰り道で、俺は偶然茉莉と出会った。今日はアルバイトもなくてまっすぐ家に帰るつもりだったので、家に帰り家事をしなければならない茉莉とかち合うことは何ら珍しいことではない。帰り着く場所は同じなので互いに避けていなければ自然とそうなるだろう。  茉莉は俺を見かけるなり駆け寄ってきた。一応俺たちが兄妹となって同じ家に住んでいることはまだ担任の教師以外知らないことだ。だが帰り道に一緒になるところを誰かに見られたとしても現状特に問題はない。俺たちは表面上恋人同士ということになっているし、同じ家に入って行くところを見られたとしてもいくらでも言い分はあるだろう。 「ねえ、蒼。今日、お昼美和と一緒だったみたいね」  気にしていたらしく、開口一番そんな話を持ち出す。 「たまたま、というか。まあ、成り行きだよ」 「ふーん。そうなんだ」  含みを持った言い方をする茉莉。  美和が茉莉の指示だと言ったことは言わない。茉莉がそれをあずかり知らない様子だったからだ。だけどどうして美和がそんなことを言い出したのか、俺はわからなかった。わからないこととして貫いた。だけど…… 「ねえ、蒼ってさ。もしかして美和のことが好きなの?」 「え、なんで?」 「だいたいさ、最近二人、仲よさげじゃない? 互いに『蒼』『美和』って呼びあうようになってるしさ」 「どうした? もしかして嫉妬か?」  そんなことはないことくらい知っている。茉莉は俺の父のことが好きらしいのだから、俺と美和がどんな関係であろうと嫉妬する必要なんてどこにもない。 「そう言うところなんだよね。なんか、最近の蒼は余裕があるというか……童貞じゃなくなったみたい」  どうして女というのはそんなに感がいいものなのだろうか? まさか本当に童貞の男子はイカ臭いのだろうかと疑ってしまう。 「もしかして、美和とヤッた?」  今日、何度目かの知らないむせ返りを起こす。 「それってさあ、浮気じゃない? 知ってる? わたしと蒼は付き合ってるんだよ?」 「あくまで付き合っているという設定だろ? 別に浮気じゃない」 「それ、ほとんど白状したも同然じゃん」 「そうか?」  俺としては白状したつもりでもないし、実際浮気どころか美和とはヤッていない(キスを除いては)。  もし、俺と美和との関係を本気で嫉妬してくれているの
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家族四人のシンフォニー4

 渋々にリビングに移動する茉莉、ソファーにも座ってはいるがそわそわしていて、かえって休んでいるとは言えない。余計に負担をかけているまである。少しはリラックスしてもらうために夕食の準備をしながらリビングの茉莉に声を掛ける。「あの二人、なんだかんだで仲良くやっているんだな。少し心配していたけど」 茉莉はソファ―に座ったまま上半身をひねって振り返る。「むしろ逆よ。うまくいってなさすぎて、それで直人さんがどうにかしなきゃってデートに誘ったみたい。ほら、ふたりって仕事の時間がかみ合ってないじゃない? だからこうやって無理にでも時間をつくらないと……ね」「芹香さんがさ、夜の仕事を辞めるというわけにはいかないのかな?」「本人が好きでやってることだからね……でも、ほんとのところどうなんだろう?」「なにが?」「居酒屋でバイトしてるってところよ。居酒屋にしては仕事、日によって終わる時間にばらつきがありすぎじゃない? 朝方までかかることも珍しくないし。本当に仕事をしているのかどうかも怪しい気がするのよね」「母親なんだろ? 信用したらどうなんだ?」「母親だからよ。こんなこと、あんまり言いたくはないけどさ、今までだってあまりちゃんと仕事を続けてきたとは言いにくいのよ、ママは。でも、たとえそれがどんな仕事だったとしても、そのおかげでわたしは今日までやってこられたんだから感謝はしているのね。だけど、今となっては無理に夜の仕事を続けていく必要なんてないじゃない。つまりさ、わたしが言いたいこと、わかる?」 ――わかる。気もするが、それはここでは避けたい会話だ。「わからないな」「アオは清廉潔白に生きてるからなあ……」 そんなことはない。だがそれを言うわけにもいかない。 茉莉はその日、ずっとリビングにいた。彼女はたいていの日はリビングに長居することはない。彼女の居場所は大体が自分の部屋か、キッチンの中。あるいは深夜に、父の書斎にいるかだ。 彼女の居場所の、それもこの時間にもっともいる確率の高いキッチンを今日は俺が占領していて、彼女は自室に向かうものだと思っていたのだが、まさか料理が出来上がるまでずっとリビングにいるとは思わなかった。それほどまでに俺が料理をするのが心配だったのか、あるいは自分の居場所であるキッチンが俺という侵略者に奪われている状態がよほど気に入らなかったのか。「できたぞ。晩飯」 テー
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家族四人のシンフォニー5

 思えば料理上手な茉莉が来てから、自分の料理を食べてもらったことなんて今までなかったし、作ろうと思ったこともなかった。どんなふうに評価されるのか心配ではあったが、「これ、美味しいわ。レシピ、教えてもらってもいいかしら」「茉莉にそう言ってもらえるなんて恐縮だな。レシピを教えるのはいいけど、どちらかと言えばたまにはこうして俺が料理を作ってあげたい……と思うのは無理があるだろうか」「うん、そうね。それもたまにはいいかも。でも、レシピは教えてね」「ああ……」「ねえ、もしかして」「うん?」「蒼君はどんぶりものが好きなのかしら? 食べたいものを聞いた時、大体どんぶりものを答えるよね」「好きというか……洗い物が少なくて済むからな。親父と二人で住んでいた時は、誰かに食べてもらう喜びなんて考えてこなかったから、なるべく家事が少なくてすむものを考えていたからな。炊き込みご飯なんかも多い」「栄養価は偏るんじゃない?」「生きていくうえで、全部を手に入れようっていうのは虫がいいよ。何かを得るためには何かを切り捨てなきゃ」「そうね……アオはさ、幸せな家庭を守るために、なになら犠牲にできる?」「そうだな。そういう時は、何を犠牲にするかじゃなくて、何を護りたいかで決めるかな。それを護るためなら、他のものは切り捨てられる」「じゃあ、蒼君は、何を護りたい?」「俺は……茉莉を護るよ。そのためなら、他のことは犠牲にしても構わない」「それは……プレッシャーだね。でも、すごくうれしいよ」「茉莉は、何を護りたい?」「わたしはね、ママを護りたい。今日までこうしてやってこられたのは全部ママのおかげ。だから、ママの幸せのためならどんな儀性だって我慢できる」 ――ならば、父とはすぐに別れるべきだ。と、その言葉は言えなかった。本質を言えば確かにそうなのだろうけれど、茉莉はまるで逆の意見を持っている。父の愛人になることが、芹香さんを護ることにつながると信じている。「それでね――」と茉莉は言う。「ママが居酒屋の仕事をしているのかどうか怪しいって話なんだけど……」 なるべく避けるようにと気を遣っていた話題だ。茉莉はそれを少しあやしいと言い出してしまった。「つまりね、ママは浮気しているんじゃないかっていうこと」 ――息が、つまりそうになる。「どうして、そう思うんだ」「まあ、まずは女の感ね。それに、最近なんだか楽しそう。恋する乙
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家族四人のシンフォニー6

 それから俺は一旦ダイニングのテーブルに座る。片付けを始めたのはもう少し後の時間になってからだ。整理の追い付かない複雑な感情にむしばまれ、どうかこのまま父と芹香さんとが関係をうまく修復してくれることを切に願う。しかし、そんなことを考えると、今度は頭の中に芹香さんの裸の姿が頭に浮かび、それを追い出すには今、シャワーを浴びているであろう茉莉の姿を思い浮かべるしかなかった。 俺の頭の中身はちんこで出来ている。その事実に腹が立ち、勃起したままでようやくキッチンの片づけを始める。そしてそれが終わらない合間を見計らうように茉莉がシャワーを浴びて浴室から出てきた。 彼女は生乾きの髪を垂らし、裸の上にバスタオルを一枚巻いただけの姿で出てきた。 俺の知る限り、彼女がそのような姿で浴室から出てきたことは今までない。 目のやり場に困り、作業が忙しいふりをしながら茉莉に背中を向ける。その背中に向かって、茉莉が一歩一歩近づいてきていることは背中で理解していた。「おい、いつまでもそんな恰好でうろつかずにさっさと着替えろよ」 茉莉に背を向けたままで言う。 ドサッっと、床に何かが落ちる音が聞こえた。 何か、なんて言い方はずるい言い方だ。それが茉莉が体に巻いていたバスタオルであることくらい、わからないはずがない。 キッチンで洗い物をしながら、両手を泡だらけにした俺を茉莉が背中から抱きしめる。背中に、一対のふくらみとそのとがった先端の硬くなった部分が押し当てられていることがわからないはずがない。「な、なんのつもりだよ……」「やっぱりわたし、ママのことが気がかりで」 それと今の状況の何がつながっているのか見当がつかない。俺は一旦食器を置き、泡だらけの両手を組んだ。「ママが浮気をしているかどうか、調べるのを蒼に手伝ってもらいたいんだ。もちろんただとは言わないから」 そう言って茉莉は、背後から両手で俺の泡だらけの手を包み込むように握った。ぴったりと背中にくっついていた茉莉が少し離れ、その手を引き、俺たちは向かい合った。一糸まとわない白磁のような滑らかな肌をあらわになる、俺の手を引き、泡だらけの両手を薄桃色の乳首が隠れるように触れさせた。柔らかな乳房の中に固くしまった突起を手のひらで感じる。それは少し熱を持っていた。あるいは自分の手の熱なのかもしれない。 頭の中の思考はすでに麻痺していた。俺のほうが明らかに
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不徳なる青春のためのレクイエム1

中西芹香のことが好きだった。高校三年生の時のクラスメイトだった芹香は周りと比べてひときわ美しく、そのほか雑多な女子生徒とは一線を画す、孤高の華だった。当然、僕からすれば手の届くことのないような存在だ。話すことすら許されない、と言っても過言ではなかっただろう。だけど、そうではなかった。たまたま隣の席の榎本有希という、言ってしまえば少し陰キャな少女がいた。その子は僕となにかと相性が良かったのだ。趣味は僕と同じで読書だった。僕らは時々読んだ本の感想を言いあったり、互いの読んだ本のを交換したりした。しかし、それは恋と言えば違っただろう。少しぽっちゃりとした体形で、顔もそんなに美人とは言い難かった。意外だったのは、そんな有希と芹香が仲が良かったということだ。休み時間になると芹香は有希の席のところにまでやってきて、仲よさそうに話をしていた。いったい何の共通会話があるのだろうかと不思議に思っていたが、やはり二人に共通の話題などなく、それでも二人は仲良くいつも楽しそうだった。そして芹香は、有希とそれなりに親しくしていた僕とも気さくに話をしてくれた。僕はそれが嬉しかった。隣の席で有希と仲良く話をする芹香を見ながら、僕は胸を躍らせていた。ある時、有希が僕に告白してきた。僕としてはそういうつもりで接していたわけじゃなくて、正直少しだけ驚いた。僕は芹香に相談した。「へえ、有希がね。それで、直人はどうするつもりなの? 付き合うの? 付き合わないの?」「正直、なんで僕なんかに告白してきたのかもわからないんだよ。僕としては有希をそんな目で見たことなんてなかったし」「ふーん。それじゃあ、だれのことをそんな目で見ていたのかな?」「え、あ、いや……」「直人ってさ、よくあたしたちが話をしているところを横目でちらちらとみてたわよね。あれ、正直気があるように見えていたわよ。有希はさ、その視線を誘惑されているんだって思い込んだんじゃないかな」「そんなふうに、見えていたのかな?」「見えていたわよ。あれは完全に恋する目だって、あたしだってそう思っていたもん」 それは、確かにそうだったと言える。 でもその恋する目を向けていた相手は、幸恵じゃあなくて有希のほうだった。 だけど、そんなことを言えるわけもない。「有希ってさあ、あれでけっこう性欲強いのよね」 芹香がそんなことを言い出した。正直僕は面食らった。有希をそう
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不徳なる青春のためのレクイエム2

 芹香の誕生日、彼女のアパートでささやかな誕生日パーティーをすることになっていた。 僕はシャンパンを買っていき、料理は茉莉が用意してくれていた。だけど、芹香は帰ってこなかった。 娼婦の仕事をやめた芹香は、それでも夜型の体質が抜けないと言って、居酒屋でのアルバイトをしていた。しているはずだった。 その日が、働いているはずの居酒屋の定休日だったことは僕だって気づいていた。もっと正直に言えば、芹香がデリヘルの仕事をやめていないことにだって気づいていた。 僕に、どうしてそのことを指摘する権利があるだろうか。僕が芹香と再会したのはデリヘルの仕事の関係だ。「ねえ、直人さん。せっかくだから、パーティーを始めちゃいましょうよ」 茉莉が言った。「そうだね、せっかく茉莉ちゃんがごちそうを作ってくれたんだからね」 僕はお酒が強い方ではない。でも、芹香は仕事柄というか、お酒にはめっぽう強い。せっかくの誕生日なのだからとたくさん用意したお酒は、僕が一人で飲むことにした。 言ってしまえばヤケ酒だ。少し意識が朦朧としかかっている時、ふと気づくといつの間にか芹香は帰ってきていた。僕の顔を心配そうにのぞき込み、「直人さん、だいじょうぶ?」と心配そうに声を掛けてくれた。 僕は嬉しくなってつい、芹香の手を握り、口づけを交わした。まだ若い、初々しさの残る芹香を、力強く抱きしめた。 彼女は抵抗などしなかった。そうしてくれれば、きっと目を覚ますことができただろうに……。 いや、そんなことはただの言い訳だ。青春時代の甘い残り香に心酔した僕は、彼女に甘え、あの頃何故そうすることができなかったのだろうかと嘆きもした。 今の芹香は、僕の知っている、あの無邪気な芹香ではない。目の前にいる彼女こそが、僕があの時愛した芹香に違いなかった。 茉莉の肌はきめ細かく、触れると滑るように滑らかだ。芹香はは今でも魅力的ではあるが、やはり僕の記憶の中にある、当時激しく恋した初恋の相手に近いのは茉莉の方だ。 茉莉を抱きしめ、軽く愛撫するだけで全身が熱い熱を放ち、その肌全体がしっとりと濡れる。すでにおいてしまった自分の皮膚に茉莉の体は吸い付くように密着し、それだけで感情を揺さぶる。今の芹香にはない感覚だ。だけど、おそらく当時の芹香の肌は、きっとこんなだっただろう。 僕は決してペドフィリアではない。だが、ロリコンかと聞かれれば確かにそう
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愛と幸福のセレナーデ1

 アルバイトを終えて外に出る。すっかり夜も更けた時間だが、町は色とりどりのイルミネーションに彩られ、みすぼらしい枯れ木の枝を電飾が飾り、人のまばらな通りをジングルベルがはやし立て、俺の吐く息は白かった。 今夜のこの町にはあちこちがセックスであふれている。キリスト教徒でもない俺や多くの皆がこの日を祝うのは、何も神の神聖を感じるためではない。 生身の人間の肌のぬくもりに歓喜し、快楽と蜜を称賛するためだ。 かくいう俺も、今日というこの日はその愛を叫ぼうと思っている。そういう約束をしていたからだ。 芹香さんから送られたメールに従い、指定されたアパートの一室へと向かう。 レンタルルーム。言い換えれば、セックスをするためだけに間借りされた些細な部屋だ。 ドアチャイムを鳴らし、中から芹香さんがロックを開けて顔を出す。「あ、きたきた。待ってたんだよ」 俺の手首をしっかりと握り、ぐいと引っ張りながら入口の鍵を閉める。アパートの小さな玄関口で彼女は胸を寄せ、キスをせがんでくるが、俺はそれを避けるようにマフラーをほどく。「もう、いじわるなんだから」 そんなことを言う芹香さんの後ろをついて、リビングのほうへ移動する。 リビングというにはあまりにも心もとない、狭いワンルームにやたらと大きなベッドと小さなテレビ、それと小さな卓袱台があるだけだ。卓袱台の上には、食べかけのカップ麺が置いてある。「ねえ、蒼君も食べるでしょ。ちゃんと買ってあるよ」 何の悪気さえなさそうにそんなことを言った。「いや、悪いけど」「あら、どこか調子でも悪いの?」「そういうわけじゃなくて……多分家で、茉莉がごちそうを用意してくれていると思うので……」「そうね、茉莉は料理が上手だから……。でも、いつもごちそうばかりじゃあ飽きるでしょ。たまにはこういうジャンクなものだって食べたくなる。ねえ、そうでしょ?」 いつもの御馳走の話をしているわけではなく、今日は今日でまた、特別な日なのだから、茉莉も特別なものを用意しているはずだ。と、言おうとしたけれどやめた。 芹香さんだってさすがにそれを解っていないわけではなさそうだ。 カップ麺の傍らには、これ見よがしにシャンパンのボトルが置かれてある。よくは知らないが、黒い瓶に金色の星が描かれている。たぶん高価なものなのだろう。 卓袱台の横にべたりと座り込んだ芹香さんがカップ麺をすする。至福の
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