俺がベッドに入ったのは深夜をずいぶんすぎてからだ。 俺と茉莉は同じ部屋の同じベッドで寝ている。 ずっと寝ていたという茉莉も、体調がすぐれずにいたために眠っていたのだから、俺がベッドに入る時に一緒に布団に入った。隣りに眠っている茉莉の体温が、吐息が、時折少しだけ触れる肌が、俺の心を落ち着けてくれない。 妊娠初期にセックスができないというわけではないらしい。だが、もちろんそれなりに負担もかかることは事実だ。当然茉莉だって妊娠の経験なんて初めてだろうし、不安もあるだろう。だから、どちらから言うわけでもなく、互いにセックスはしないという取り決めが交わされていると言っていい状況だ。 ネットを調べてみる限りでは、女性の体は妊娠中にはセックスをしたいと思う気持ちは少なくなる。あるいはまったくと言っていいほどなくなるらしい。 だが、男である俺として、それは関係のないことだ。 いや、そもそも、茉莉のおなかの中にいる子供は俺の子供ではない。 マウスの実験では、オスのマウスは子育てをしているメスのマウスを見つけると、子供のマウスを殺してしまうという。それはどうやら、子育て中のメスのマウスは、目の前にオスのマウスがいても発情しないからだという。 人間のオスにも、この感情が全く働いていないわけではないと思う。義理の父が、子を虐待するという事件は極めて多く、そのことを考えれば自分だってその可能性がないわけではないとは言い切れない。だが、そんなはずではないとは思いたいが、いったい俺は何を考えているのだろうと頭の中を振り払う。 いや、振り払わなかったほうがよかったのかもしれない。 振り払ったことで、今度はさっき見た美和の裸を思い出し、頭から離れない。 そうだ。たぶん自分は溜まっているんだと思う。 こんなつまらないことで頭の中が猥雑な思考に占領されてしまうというのだから男と言う生き物は実にくだらない。 所詮俺の脳みそはちんこでできているようなものなのだ。 いくらきれいごとを並べても、自然と頭の中はそれに支配され、理性を失い、支配されてしまう。 ――なんだったらアタシがヌいてあげようか? 美和の言葉が頭の中を駆け巡る。 情けない。 いつの間にか俺の下半身が充血している。 気が気でいられない。 茉莉の寝息を聞きながら、そっとベッドを立ちあがる。 いったんトイレに行って、ヌくものを抜ヌなければな
Terakhir Diperbarui : 2025-04-09 Baca selengkapnya