บททั้งหมดของ 偽りの結婚生活~私と彼の6年間の軌跡 偽装結婚の男性は私の初恋の人でした: บทที่ 81 - บทที่ 90

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4-1 朱莉と琢磨 1

 年が明けた1月2日―- 「マロン、暴れないで。身体洗えないから」今朱莉は新しく家族に迎えたトイ・プードルの子犬のシャンプーの真っ最中だった。朱莉は仔犬の名前を『マロン』と名付けた。それは犬の毛並みが見事な栗毛色をしていたからである。ブリーダーの女性に名前と由来を説明したところ、とても素敵な名前ですねと褒めて貰えたのも凄く嬉しかった。「はい、マロンちゃん。いい子にしていてね~」大きな洗面台にマロンを乗せ、お湯の温度を自分の腕に当てて計ってみる。「うん、これ位でいいかな?」マロンはつるつる滑る洗面台の上が怖いのか、さっきまで暴れていたが、今は大人しくしている。シャワーの水量を弱くして、そっとマロンに当てると、最初ビクリとしたが余程気持ちが良かったのか、途中で目をつぶって幸せそうな?顔でじっとしている。「そう、良い子ね~マロンちゃん」朱莉は愛しむようにマロンの身体にシャワーを当てて、シャンプーで泡立てて綺麗に洗ってあげる。マロンはじっと目を閉じて、されるがままになっている。丁寧にシャンプーを流し、ドライヤーで乾かしてあげるとフカフカで、それは良い匂いが仔犬から漂っている。「ふふ……。なんて可愛いんだろう」マロンを抱き上げ、朱莉は幸せそうに笑みを浮かべた。マロンが朱莉の家にやって来たのは年末が押し迫った時期だった。毎年、年末年始は朱莉は狭いアパートで一人ぼっちで過ごしていたが、今年は違う。広すぎる豪邸に大切な家族の一員となった仔犬のマロンが一緒に過ごしてくれているのだ。(私って多分恵まれているんだよね……?)マロンを相手に遊びながら、朱莉は翔と明日香のことを思った。(翔さんと明日香さんはどうやって年末年始を過ごしているんだろう……。もう少しあの2人と交流が出来ていれば、おせち料理の御裾分け出来たのにな……)朱莉はテーブルの上に並べらた1人用のお重セットをチラリと見た。母親が病気で入院する前は、毎年母親と2人でおせち料理を作って食べていた朱莉は1人暮らしになってからも、お煮しめや田作り、栗きんとんに伊達巻、黒豆、数の子は最低限作るようにしていたのである。長年作り続けていたので節料理の腕前も上がり、勤め先の缶詰工場の社長夫妻に家におせちを届けていたこともあり、喜ばれていた。「でもあの2人は美味しい料理を食べ慣れているだろうから、私のおせち料理は
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4-2 朱莉と琢磨 2

1時間後――朱莉がキャリーバッグを肩から下げて億ションから出て来ると既に琢磨が外で立って待っていた。琢磨は朱莉に気付くと、頭を下げてきた。「新年あけましておめでとうございます。お待たせしてしまい、申し訳ございませんでした」朱莉は深々と琢磨に頭を下げた。「明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。ですが……」琢磨は頭を上げる。「はい?」「それ程待ってはおりませんので気になさらないで下さい」琢磨は笑顔で答えた。そして、すぐに朱莉が肩から下げている大きなバックに気が付いた。「朱莉さん。随分大きな荷物をお持ちの様ですね」「はい。実はペットを連れてきてしまいました。あの、実はご連絡を頂いた時に既にシャンプーを終わらせていて。それで一人ぼっちで残していくのはかわいそうで……事前にお伝えせずに勝手に連れて来てしまい、申し訳ございませんでした」そして深々と頭を下げる。「そんな。どうか気になさらないで下さい。ところでこのキャリーバックの中、見せていただいてもよろしいでしょうか? 実は私も犬が好きでして……」「ええ。どうぞ」生垣にキャリーバックを置き、ジッパーを開けると、中には気持ちよさそうに眠っているマロンがいた。「え!? 寝てる。さっきは起きていたのに……」「アハハハ……。とても可愛い犬ですね。これはトイ・プードルですね?」琢磨は中を覗き込みながら尋ねた。「はい、初心者でも飼いやすいと書いてあったので。毛もあまり抜け落ちないし、匂いも少ないそうなんです」「ああ、確かにとても良い匂いがしますね。これも朱莉さんが一生懸命お世話をしている証拠ですね? でも、これならきっと……」「え? きっと……何ですか?」「いえ、何でもありません。ところで朱莉さん。いくら仔犬と言っても女性が持つには重いですよ。私が運びますから。」そう言うと、琢磨はキャリーバックを肩から下げてしまった。「あ、でもそれではご迷惑では……」「いえ、そんなことはありません。では行きましょうか?」琢磨に促され、朱莉は頷いた。歩く道すがら、琢磨が朱莉に尋ねてきた。「ところで犬の名前は何と言うんですか?」「はい、マロンていいます」「マロンですか……。あ、もしかしたら栗から取りましたね?」琢磨は笑みを浮かべた。「はい、栗毛色の可愛らしい子犬だったので」
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4-3 初詣 1

「初詣って、この辺りで出来る場所があるのですか?」てっきり電車にでも乗るのかと思っていたのだが、一向に駅に向かう様子が無いので朱莉は尋ねてみた。「あ、すみません。まだ行き先を告げておりませんでしたよね。実は日比谷線の六本木駅のすぐ近くに出雲大社の東京分詞があるんですよ。今からそこへ行ってみようかと思っていたんです」「え? 出雲大社って……まさかあの出雲大社ですか?」朱莉は目を丸くした。「ええ、あの出雲大社ですよ」何処か楽しそうに琢磨は答える。「知りませんでした。六本木って大都会ってイメージしか無かったので……」朱莉は白い息を吐きながら言った。「……朱莉さんは殆ど自宅から外出されないんですか?」「はい。今住んでる億ションはご近所付き合いが出来そうな雰囲気でもありませんし。それに……」そこまで言うと朱莉は黙ってしまった。「あの……ご友人と会ったりとかは?」「高校を中退してからはバイトの掛け持ちや仕事で精一杯で親しい友人は特にいないんです。今の生活になるまで働いていた職場では同年代の女性もいませんでしたし」琢磨は歩きながら黙って朱莉の話を聞いていた。朱莉の今迄過ごしてきた境遇があまりにも不遇で何と声をかけてあげれば分からなかったのである。その様子を朱莉はどう捉えたのか、突然慌てた。「あ、すみません。折角お正月早々に初詣にわざわざ誘っていただいたのに。こんな気の滅入るような話をお聞かせしてしまって申し訳ございません」「いえ。とんでもありません。随分ご苦労されたきたのだと思って……。あ、朱莉さん、着きましたよ。ここが出雲大社の東京分詞です」「え? あの……ここですか? これは……随分可愛らしいですね……」てっきり有名どころの神社のように大きいのだろうと勝手にイメージを持っていたので朱莉は目の前に現れたこじんまりとした神社を見て驚いた。「すみません、朱莉さん。もしかして……驚いていますか?」琢磨が申し訳なさそうに頭をかいている。「いえ、とんでもないです。逆にすごく新鮮さを感じて感動してます。こんな都会の真ん中でも初詣が出来るなんて素敵ですよ」笑顔の朱莉を前に、琢磨は心の中で安堵した。(良かった……。取りあえず満足してもらえたようだ) その後、2人は中へ入り、お参りを済ませるとそれぞれお守りを買った。****「朱莉さんは何のお
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4-4 初詣 2

琢磨が連れて来てくれたカフェは可愛らしい犬のイラストが描かれていたカフェだった。「このカフェは人間用のメニューだけでなく、犬用のメニューも豊富にあるんですよ」琢磨が真顔で『人間用』と言うので、思わず朱莉は吹き出しそうになってしまった。「どうしましたか?」「い、いえ……。九条さんて真面目なイメージしか無かったので……何だか意外な気がしただけです」「そうですか? そんなに真面目に見えますか? でもそう思っていただけるなら光栄ですね」 その後、朱莉はシフォンケーキとコーヒーのセット、琢磨はエスプレッソとチーズケーキのセットを注文した。「マロンにはこちらのケーキは如何ですか?」琢磨はメニュー表を見せた。それは手のひらサイズの可愛らしい3段重ねのデコレーションケーキである。「ほら、このケーキの説明を読んでみてください。何と魚や野菜のペーストで作られたケーキなんですよ」「うわあ……すごいですね。見た目はまるでケーキ見たいです。身体にも良さそうですし……ではこれにします」2人は窓の外を見ると、そこはゲージに覆われた小さなドックランになっており、マロンが走りまわっている。やがてそれぞれ注文したメニューが運ばれ、朱莉と翔はマロンの様子を見ながらカフェタイムを楽しんだ。その後、2人は朱莉の住む億ションへ向かった――**** 億ションに到着すると、朱莉は玄関で立っている琢磨に声をかけた。「本当に部屋に上がらなくていいんですか?」「ええ。おせちを分けていただくだけですからここで待ちます。琢磨は玄関から中へ入ろうとしない。余程朱莉に気を遣ってくれているのだろう。(お待たせする訳にはいかないから急いで準備しなくちゃ)朱莉はタッパを取り出すと、次々とおせち料理を詰めていく。そして5分後――「すみません、お待たせしました」おせちの入ったタッパを紙袋に入れた朱莉が玄関先にいる琢磨の所へやって来ると紙袋を手渡した。「あの、お口に合うかどうか分かりませんが……どうぞ」「ありがとうございます」紙袋を受け取り、中を覗く琢磨。「ああ。これはとても美味しそうですね。持ち帰って食べるのが今から楽しみですよ」「いえ、ほんとに対した料理では無いので期待しないで下さいね」「そんなことありませんよ。ありがとうございます。ところで朱莉さん……」「は、はい……?
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4-5 朱莉とマロン 1

 正月休みも開け、もうすぐ1月も終わろうとしている頃――「朱莉、もうすぐ2月になるわね」お見舞いに来ている朱莉に母が声をかけてきた。「うん、そうだね。季節の流れって早いよね」朱莉は編み物の手を休める。「ねえ、朱莉。それって手編みマフラーでしょう?」「うん。そうなんだけど編み物って高校生の時以来だから中々進まなくて。やっぱり模様編みって難しいね」朱莉は恥ずかしそうに答えた。「その色だと、どう見ても男性用ね? ひょっとして翔さんに?」「う、うん」小さく頷く朱莉は……どことなく洋子には寂しそうに見えた。「大丈夫、きっと喜んで受け取ってくれると思うわ。お母さんもね、お父さんと付き合っていた時にマフラーを編んでプレゼントしたことがあるけどすごく喜んでくれたから」「でも手編みのマフラーって男の人から見たら重く感じるかなあ?」朱莉の物の言い方に洋子は違和感をいだく。(朱莉……。貴女と翔さんは夫婦なのよね? それなのにどうして重く感じるなんて言い方をするの? まだ一度も会わせてくれないし……)洋子洋子はずっと以前から翔に会いたいと思っていた。しかし朱莉にその事を告げると悲し気な顔をされたことがあり、それ以来尋ねるのをやめていたのだ。思わず、じっと我が娘を見つめる洋子の視線に朱莉は気付くと、慌てたように言った。「あ、ほら。例えば下手な編み目で身に着けるのが恥ずかしいようなマフラーを手渡されても、本当は使いたくないのに義務感から周りの目が恥ずかしくてもつけないといけないって思わせたら悪いかなって……。そう、それだけの事だから」朱莉の必死な弁明を洋子は複雑な思いで見つめるのだった—―****「ただいま……」ドアを開けると、部屋の奥からキャンキャンと嬉しそうに鳴きながらマロンが朱莉目掛けて飛びついて来た。「ウフフ……ただいま、マロン」マロンを抱き上げると、まるで尻尾がちぎれんばかりに降って喜びを現すマロンが朱莉は愛しくてたまらない。以前は寂しい思いで玄関のドアを開けて帰宅していたが、今では扉を開けるのが楽しみになっていた。マロンを抱き上げ、部屋の時計を見ると時刻は夕方の6時になろうとしていた。「いけない。病院で編み物に夢中になっていたから気付かなかったけどもうこんな時間だったんだね。ごめんね。すぐにご飯あげるから」マロンを床に降ろすと、マロ
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4-6 朱莉とマロン 2

ここは明日香と翔の部屋――「ねえ、最近どうしたの? 翔。何だかとても楽しそうに見えるけど?」お風呂から上がって来た明日香がテレビを見ながらおつまみとウィスキーを飲んでいる翔に声をかけてきた。「え? 何故そう思うんだ?」「だって、さっきスマホを見て笑顔になっていたからよ。ねえ……何を見ていたのよ? 私にも見せて?」明日香がテーブルの上に置いてあるスマホを素早く奪い去ってしまった。「お、おいっ! 明日香! 返してくれないか?」翔の慌てた様子に、明日香はピンときた。「何……? その態度何だか怪しいわね…。もしかして朱莉さんからなの? それとも別の女かしら!?」途端に明日香の顔が嫉妬に歪む。「違う! そんなんじゃないって!」翔は明日香からスマホを取り上げようとするとも、明日香はヒョイと避けて逃げてしまう。そして慣れた手つきでスマホを操作し……手を止めた。「あら? 何よこれは。動画?」「明日香!」翔の制止する声に耳も貸さず、明日香はファイルをタップした。途端に流れ出すトイ・プードルの動画……。「……」翔は頭を押さえた。「何よこれ。ただの子犬の動画じゃないの? これを見ていたの? あら……? 送り主は琢磨じゃないの。もしかして琢磨ってば犬を飼い始めたの?」明日香は翔に動画を見せながら尋ねた。「あ、い、いや。実は琢磨の知人が最近仔犬を飼い始めたらしくて……動画が送られてきたからと言って、俺にも送信してきたんだよ。その犬が……ちょっとかわいかったからつい見ていた。それだけの話だよ」(明日香……どうか、気付かないでくれ……!)翔は全身に冷汗をかきながら言う。「ふ~ん……。つまらない動画じゃないの。こんなもの見て楽しんでたの? だけど何もそんなに必死に隠そうとしなくてもいいじゃないの? 変な翔ね」明日香は少しの間、動画を見ていたが……突然眉が上がった。「ど、どうかしたのか? 明日香?」翔がためらいがちに声をかけた。「うううん、何でもないわ。はい、返すわ」明日香は翔にスマホを返す。「私もシャワー浴びてくるわ。そのあとお酒飲むから用意しておいてね」「あ、ああ。分かったよ」それだけ言い残すと明日香はバスルームへと消えて行った。その後ろ姿を見送ると翔は溜息をついた。(ふう……。危ないところだった。何も気が付いていないよな? でも今
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4-7 慟哭 1

 2月10日――「出来た! ついに編めた!」朱莉は嬉しそうに手編みのマフラーを掲げた。藍色のアラン模様のマフラー。バレンタインのプレゼントとして翔を想って編んだ物だった。「時間がかかったけど、編めて良かった……」始めは笑顔でマフラーを見つめていた朱莉だが、やがて徐々にその表情は暗いものになっていく。「編んだのはいいけど、翔先輩受け取ってくれるかな……。そもそもどうやって渡せばいいんだろう?」明日香に頼むのは論外だし、郵便受けに入れるわけにもいかない。かと言って九条琢磨に頼む事だって出来るはずが無い。「馬鹿だな……私ったら。翔先輩がマロンを見にいつかこの部屋に来てくれるんじゃないかって期待していたんだもの。その時手渡せるかと思っていたなんて……」以前までは琢磨からマロンの動画を送って貰いたいとのメッセージが届いていたが。ここ最近はその連絡すら入ってこなくなっていた。(それとも、何かあったのかな?)朱莉は部屋にいるマロンを見た。さっきまでは元気よく遊んでいたが今は遊び疲れたのか大人しく眠っている。「翔先輩……もうマロンには興味がなくなっちゃったのかな……」溜息をつくと時計を見た。今の時刻は午前11時をさしている。まだお昼までは時間があるので朱莉は通信教育の勉強を始めることにした。編み物の道具を箱にしまい、先程編みあがったマフラーを再び見つめた。「きっともう渡す事は無理だと思うから、自分で使おうかな……。でもいつか渡せる日が来るかもしれないし……」そこで編みあがったマフラーを編み物道具が入った箱に一緒にしまうと、PCに向かって通信教育の勉強を始めた時。――ピンポーン突然チャイムの音が鳴り響いた。「え? 誰だろう?」慌ててモニターで確認して、朱莉は驚きのあまり声をあげそうになった。なんとそこに映っていたのは明日香だったのだ。「あ、明日香さん……? どうして……?」心臓がドキドキしてきた。朱莉にとって、明日香は招かざる客でしかない。だがドアを開けない訳にはいかった。直ぐに鍵を開けてドアを開けると、腕組みをしてブランド服に身を固めた明日香が不機嫌そうに立っていた。「こんにちは、明日香さん」緊張で喉がカラカラになりながらも朱莉は頭を下げた。「……こんにちは。何よ、いたんじゃないの。いるならもっとさっさと早く出て来なさいよ」ツン
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4-8 慟哭 2

「え……? あ、あの……副社長に許可をもらって年末から飼い始めた犬ですが……?」「何ですって? 翔が許可したって言うの?」明日香は怒りに震えた声で朱莉を睨み付けた。「は、はい……」「貴女ねえ……ふざけないでよ!」明日香が鋭い声を出した。その声の迫力に朱莉はビクリと肩を震わせえ、マロンも何事かと目を開けて明日香を見た。「ヒッ! ちょ、ちょっとこの犬、目を覚ましたじゃないの! 私の所に近付けないようにしてよ! 匂いが移るでしょう!?」「す、すみません!」朱莉は急いでマロンの側に駆け寄ると抱き上げた。その姿を露骨に嫌そうな目で見つめる明日香。「全く……よくも動物を平気で抱き上げられるわね。信じられない人だわ」明日香はまるで汚らしいものを見るような眼つきで朱莉とマロンを交互に見た。「……」朱莉は何と返事をしたらよいのか分からず、俯いている。「何故犬を飼うのに翔の許可だけ得るのよ? 普通私にも尋ねるでしょう? 第一ここは貴女の家じゃないのよ!? 貴女はここを出て行って、将来的には私と翔が暮らす場所なんだから! 何故家主である私に犬のことを言わなかったのよ!」ここは貴女の家じゃない……。改めて明日香に面と向かって言われ、朱莉の心はまるでナイフで突き立てられたかのようにズキリと痛む。「す、すみませんでした……。明日香さんに何の相談もせずに……。そ、それでは改めてお願いします。どうか私がここに住まわせていただいている間、この犬を飼わせていただけないでしょうか?」マロンをギュッと抱きしめ、懇願した。「はあ? 何を言ってるの! そんなの駄目に決まっているでしょう!」にべもなく却下する明日香。「そ、そんな……」「当り前でしょう! 私はねえ、動物が嫌いなのよ! 匂いが染みつくじゃないの! 貴女、動物の匂いが染みついた部屋で私達に暮らせと言うの? そんなに犬と暮らしたければこの家を出て行ってからにしてちょうだいっ!」「!」(そ、そんな……。マロンを…手放せと言うの……?)思わず目に涙が浮かびかける。「何よ? 泣けば済むと思っているの? 泣けば私が許すとでも? 冗談じゃないわ! 貴女の雇用主は私と翔なのよ? 従う義務があるのよ! 貴女と結んだ雇用契約書にもそう記されているはずでしょう! もし言う事を聞けないなら今まで貴女に支払った金額を全部返し
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4-9 慟哭 3

「ウウゥウウウ……」牙をむき、威嚇するかのように低く唸るマロン。「マロン? どうしたの?」今迄一度も誰かに唸り声をあげた事が無かったマロンが今、朱莉の腕の中で低く唸っている。「な、何よ……この犬……。チビのくせに人に唸るなんて……。だ、だから動物は嫌なのよ……ちょっと! 何とかしなさい! その犬を黙らせなさいよ!」明日香は後ずさりながら叫んだ。「マ、マロン! お願い。おとなしくして……?」朱莉はマロンの頭を撫でながら必死に宥める。「とにかく、一刻も早くその犬を何処かへやってちょうだい! 1週間以内に他へやらないと保健所に通報するわよ!」「そ、そんな……! たった1週間でなんて……! お願いです。絶対に部屋の中を汚したり、傷付けたりしませんので……せめて後1カ月は待って下さい!」朱莉は眼に涙を浮かべて必死で明日香に懇願した。「……うるさいわね! それなら私が今すぐ何処へなりとも捨ててきてあげるわよ! ケースに入れなさい!」その瞳はとても恐ろしかった。「そ、そんな……」「それにねえ、本当は翔だって動物は好きじゃないのよ! だけど貴女に気を遣って断れなかったのよ。翔は誰にでも優しいから。だから勘違いするのよね!? 自分にも望みがあるのでは無いかと!」それはまるで朱莉の翔に対する思いを見透かしたかのような言い方だった。「!」(そ、そんな……翔先輩。本当は動物が嫌いだったの……? だから犬の動画も最近は何も言ってこなかったの……?)けれど翔も明日香も動物が嫌いなら、朱莉が選ぶ道は一つしか無かった。「わ、分かりました……。1週間以内に何とかします……」朱莉はこぼれそうになる涙を堪えながら、震える手でマロンをギュッと抱きしめて返事をした。「話はそれだけよ。1週間も待ってあげるのだから感謝しなさい! ……それにしてもここはお客に対して飲み物すら出さないのかしら?」明日香はリビングの椅子に座ると睨みつけてきた。「あ! す、すみません! すぐに用意します!」朱莉は慌ててマロンをサークルに戻すと、洗面台に手を洗いに向かった。少したってリビングに戻ると何故か明日香の姿が見えない。「明日香さん?」部屋中を探しても明日香の姿はみつからず、玄関を覗いてみると明日香の靴は消えていた。「明日香さん……帰ったんだ……」次の瞬間。「ウッ……フッ
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2025-03-22
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4-10 奪うもの、奪われるもの 1

「はい……はい。そうなんです……。どうぞよろしくお願い致します…」朱莉は丁寧に挨拶をすると電話を切った。今電話をかけていた相手はマロンのトレーナーである。1週間以内にマロンを手放す様に言われた朱莉は必死でマロンの引き取り手を探していたのであった。(何としてもマロンを大切に育ててくれる人を探してあげなくちゃ……!)朱莉はマロンを明日香の命令で手放さなければならなくなったが、マロンには幸せになって貰いたかった。それが最後までマロンを守り切れなかった自分の罪滅ぼしだと思い、必死に引き取り手を探していたのだ。トレーナーの前にはマロンを購入したペットショップにも相談した。ペットショップの店員は朱莉の話を驚きながら聞いてくれたが最後は同情してくれて、こちらでも心当たりの人を当たってみますと言ってくれたのだ。 朱莉は最悪1週間で良い飼い主が見つからなければ、この際ペットホテルにマロンを預けて明日香から守る覚悟を決めていた。「さて……次はネットで探してみようかな……」朱莉はチラリとマロンの様子を伺った。今マロンはサークルの中で犬用おもちゃで遊んでいる。その愛らしい姿を見ていると、いつしか朱莉の目には涙が浮かんでいた。「駄目駄目、泣いてる暇があるなら……マロンの引き取り手を探さなくちゃ!」そして朱莉はPCを前に、必死で里親を探してくれそうなサイトを検索し続けた。――20時「ただいま、明日香。どうした? まだ食事を済ませていなかったのか?」翔は家政婦の作ってくれた豪華な食事がまだ手付かず状態でテーブルに並んでいるのを見て、リビングでテレビを観ている明日香に声をかけた。「ええ。大事な話があるから2人で一緒に食事をしようと思って翔を待っていたのよ」「そうか。それじゃ2人で食事しながら、その大事な話を聞かせてくれないか?」翔は久々に明日香と食事が出来るのが嬉しかった。「ええ。とても面白い話なんだから……」明日香は笑みを浮かべながたのだった――****「このサーモン料理、美味しいわね?」明日香は白ワインで調理したサーモンを口に運んでいる。「ああ、さすがは一流家政婦の女性だな」翔も満足そうに返事をする。「ところで明日香。話って言うのは何だ?」「実はね、今日少し用事があって朱莉さんの部屋へ行ったのよ」明日香はシャンパンを飲んだ。「な、何だって!?
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