(え……? 鳴海……翔……? この顔、以前何処かで見た気がする。でも……一体何処で……?)その時、朱莉が声をかけてきた。「あの、それじゃ食事の準備が出来たので皆で食べましょう?」「ああ、そうだね。へえ~すごく美味しそうだ」琢磨は笑顔で食卓に着くと、朱莉は顔を赤らめて翔の隣に座った。そんな様子を見て洋子は思った。(朱莉はこの男性のことが好きなのね。でも何故かしら? 私としては病院迄来てくれた男性の方が好ましいと思うけど……)食卓にはシチューとマッシュルームとベーコンのバターライス、サーモンとアボガドのサラダが用意されていた。朱莉は生れて初めて、翔を交えた母と3人の食卓を囲んだ。朱莉の胸は幸せで一杯だった。ずっと片思いをしていた翔と、そして大好きな母と3人で今、こうして食事をしているのが、まるで夢のようだった。翔は始終優しい笑顔で朱莉と、朱莉の母に自分の趣味や仕事のことを話して聞かせてくれた。やがて食事も終わり、洋子は奥のリビングで休んでいた。そして朱莉が片づけを始め、翔が手伝おうとしていたその時……。突然翔のスマホが鳴り響いた。それを手にした翔の顔色が変わったのを朱莉は見逃さなかった。「翔さん……その電話、明日香さんからじゃないですか?」朱莉は翔に尋ねた。「あ、ああ……。そうなんだ……」翔は困ったように朱莉を見た。「どうぞ、電話に出てあげてください。明日香さん、何か困ったことが起きてるかもしれませんし」「あ、ああ……すまない。朱莉さん」言うと翔はスマホを手に取った。「もしもし……。明日香? どうした? おい、明日香! 返事をしろっ! ……くそっ!」その声にリビングで休んでいた洋子も何事かとやって来た。翔は電話を切ると朱莉に向き直った。「すまない。朱莉さん。……明日香の返事が返ってこないんだ。何かあったのかもしれない……。本当に申し訳ないが……」「ええ、私なら大丈夫です。どうぞ明日香さんの元へ行ってあげて下さい」朱莉の言葉に洋子は驚いた。「え!? 明日香さんて……一体誰のことなの!?」すると翔は頭を下げた。「お母さん……本当に申し訳ございません。明日香が苦しんでいるのです。すみませんが、彼女の元へ行かせて下さい!」そして頭を下げると、朱莉の方を振り向いた。「朱莉さんも……本当に……ごめん!」翔は上着を掴むと足早
Terakhir Diperbarui : 2025-04-02 Baca selengkapnya