闇属性は変態だった?転移した世界でのほほんと生きたい의 모든 챕터: 챕터 11 - 챕터 20

68 챕터

異世界の夕飯

 下の階からエミルさんの大きな声が聞こえる「ヨール、起きろ! 飯にするぞ!」 ゆっくりと起き上がり、リビングへと降りていく。 もう外はすっかり暗くなっており。ロウソクの明かりがぼんやりと家の中を照らしていた。「すみません、寝すぎちゃいました。でも、おかげさまで体調はばっちりです。助かりました」 すでに椅子に座っていたエミルさんとマチルダさんに頭を下げる。 いい匂いに釣られて視線を動かすと、4人掛けのテーブルに料理が並べられていた。マチルダさんが焼いてくれたピザ生地のようなピーのパンと、野菜とソーセージのスープが美味しそうな湯気を立てている。「いい香りですね! 寝食ともお世話になってしまい申し訳ありません。このご恩は必ずお返しします!」 見ず知らずの自分のために、寝床とご飯まで用意してくれているのだ。いくら感謝を伝えても足りないくらい。俺にできるのは、明日から行動で示すことのみ。「素直な子ね、エミルが森で子供を見つけてきたって言うもんだからびくりしたのよ。可愛らしい顔をしているのね。まだ若いんじゃないの?」 マチルダさんが話しかけてくれた。癖のある栗色の髪に薄い青色の瞳。少しふくよかで、笑顔が素敵な朗らかな女性だ。 小さい時は、よく女の子に間違えられていた。背は170cmを超えているんだけど、童顔で色白な見た目から、友人からはよくからかわれていた。お嬢様なんて呼ばれたりね。「おそらく17歳くらいだとは思うんですが、記憶が無くなってしまっていて……」「ヨールに何があったのかは分からないが、俺たちに出来ることなら力になってやる! 何でも相談しろよ! 2週間と短い間だが遠慮は要らないからな!」 こんないい人たちに嘘をつくのは忍びないけれど、異世界から来たと正直に言うことでさらに変人だと思われるよりマシだろう。 ……でも、エミルさんもマチルダも優しすぎる。こんな俺の力になってくれるなんて。 右も左も分からない新世界での生活で、罪悪感と温かい感情に包まれて、自然と涙がこぼれていた。
last update최신 업데이트 : 2025-02-13
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体を洗う

 ……まぶたの裏が明るい。鳥のさえずりが聞こえる。「ふぁー。朝か」 学校に通う習慣で、いつも同じくらいの時間に目が覚めてしまう。体感てきには朝の7時くらいだろうか。(そういえば、この世界の1日は何時間なんだろうか? 後でエミルさんに聞いてみるか! 2日過ごしてみたところ、地球とそう変わらないように感じるんだけど……) エミルさん夫妻がまだ寝ている可能性もあるため、そっと部屋を出る。 しかし、キッチンのほうから軽快な包丁の音が聞こえる。マチルダさんが朝食の準備をしているのだろう。「おはようございます、マチルダさん」「あら、ヨール君おはよう。まだ寝ていてもよかったのよ? 昨日はお昼寝もしていたから、早起きしちゃったのかしら?」 挨拶すると、手を止めたマチルダさんが棚の扉を開く。「自然と目が覚めてしまいました。柵作りに遅れなくて良かったです。何かお手伝いしましょうか?」「大丈夫よ、外の井戸で顔を洗ってらっしゃい。着替えがあったほうがいいわね、息子のお古が着れるかしら? 桶に水を汲んでこれで体を拭くのよ」 桶の中にスポンジのような物とあまり水を吸わなそうなタオルが入ったお風呂セットを手渡される。よく見ると、そのスポンジは何かの植物のようだった。 マチルダさんいわく、この世界では体を洗うのにサボンというトゲのある植物を使うらしい。乾いた土地に生える植物で、体内に水を溜め込むために、スポンジのような性質を持っているのだとか。サボテンとかヘチマとかそういう種類なんだろうな。 表皮を剥いて中身を乾かすと、フワフワで網目状の物体に変わる。なんどか水を吸わせたり干ししたりしていくうちに、体の汚れを落とすのにちょうどいい硬さになるらしい。たしかに何度か握りしめてみると、ゴワゴワした感触がハードタイプのボディタオルみたいだ。 さっそく外に出て、井戸に向かう。 この世界の習慣なのか、他の村人も集まっていた。自己紹介を交えつつ頭を下げながら水を汲む。 周りを見習いながらサボンに井戸水を含み、軽く絞って
last update최신 업데이트 : 2025-02-14
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激闘再び

 それにしてもこの魚は美味すぎる。見た目は子供のころドブ川で網ですくったことがあるハヤとかオイカワみたいな小魚と変わらない。頭からさっくり丸ごと食べれるくらい骨が柔らかいから、食べ応えもある。  最初はエミルさんの作る野菜が特別なんだと思っていたけど、この世界の食べ物が異常に美味しいんだな。「魚があるってことは近くに川があるんですか?」 魚が食べれるのは幸せだ。もし近くに川があるなら、俺が調達に行ってもいい。釣りも好きだしね。  試しにエミルさんに聞いてみた。「ラカンの森の道から外れて森の中へ行くと、いくつか湖がある。週に1回は体をしっかり洗うために、何世帯かでまとまって行く。その時に魚を捕って塩漬けにしたり、スモークしたり、干したりと加工をするんだ。4日後にヨールも行くことになるぞ!」 村だからこそ、みんなで助け合って生きてるんだな。  ちょっとずつこの村の生活様式が分かってきたようでうれしい。「どれ、少し早めに出かけるとしよう!」 仕事に行く前に、エミルさんが村を案内してくれた。  全ての家を回ることはできなかったけど、村の人と挨拶や簡単な会話をすることができた。  みんな気を遣ってくれたのかも。 人口は少ないが、畑や畜産のスペースが多く、東京ドーム何個分なんて表現ができそうな広大さだった。「さあ、森に向かおう! モンスターが出ても慌てず俺の指示に従うんだぞ!」「よろしくお願いします!」 エミルさんは背中に麻縄で斧を背負い、腰にはナタを下げていた。  金属は貴重なようで、エミルさんの斧やナタは代々受け継がれてきたものだという。  使い込まれたナタなんて、年季が入ってとても格好よかった。「ところでヨール、お前ミドルハウンドを倒したんだったな?」 エミルさんがふと思い出したかのように質問してきた。「はい、まぐれみたいなもんですが……」 会話を遮るように、ガサガサと茂みが揺れる。  身構えながら注意深く観察していると、スライムが顔を出す。「1匹か…
last update최신 업데이트 : 2025-02-16
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エミルさんの強さ

「ヨール、無理なら無理と最初から言わないか! ミドルハウンドを倒したと聞いていたから、どの程度戦えるのか見ておく必要があると思ったのだが、まさかスライムと目の前で死闘を繰り広げられるとは思わなかったぞ!」 怒気混じりにエミルさんに叱られてしまった。  指示に従うよう言った自分の指示で、俺が怪我をしてしまう可能性があったのだから、ハラハラさせてしまったのだと思う。本気で心配してくれたからこそ、こうして怒ってくれたエミルさんには本当に申し訳ない。「実は、自分の力がまだ良く分かっていなくて。自分のスキルがもしかしたらモンスターに有効なのかと考えていたんです。心配かけてごめんなさい……」  本心を話す。ここで嘘をついて、自分をよく見せるわけにはいかない。  まったくもうと言いながら、エミルさんはガシガシと俺の頭を乱暴になでた。 参考までに、エミルさんのステータスを教えてもらう。 エミル  レベル:22  属性:なし  HP:1220  MP:600  攻撃力:180  防御力:130  敏捷性:120  魔力:60 装備  ・村人の服  ・村人のズボン  ・麻紐のベルト  ・木こりの斧(攻撃力+30)  ・ナタ(攻撃力+10) スキル  ・なし なるほど、俺とは大違いだ。  これだけ強ければ、この森を安全に一人で歩けるのだろう。「じゃあ少し教えておくか」 歩きながら、エミルさんが色々と教えてくれた。  この辺りに出現するモンスターで一番厄介なのは、オークという猪型の二足歩行の魔物。棍棒や人間の落とした武器などを持っており、筋肉質で非常に力が強い。知能もそれなりにあり、コロニーを形成することもあるのだとか。  オークが集落を作ってしまうと、ハイオークという上位種が生まれることがある。そうなると騎士や腕に覚えのある冒険者などが討伐隊を組み、掃討する必要が出てくる。  だが、いまのところラカンの森ではハイオークが確認され
last update최신 업데이트 : 2025-02-18
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初仕事

 実際戦っても危ないだけなのだから、戦力外通告を出されてしまってはしょうがない。  エミルさんと会話をしながら森の中を進んでいく。  これから向かう場所は、コルの木の群生地。コルの木は成長が早く、かなり大きくなるという。切ってから2日ほど天日干しにするだけで異様に硬くなるらしい。だからこそ、あらかじめ必要な形に加工しておかなければならない。木目も美しいので、家具でも住居でも満足のいくものが作れる優秀な木材だ。 しばらく歩いていると、目的地に到着したみたい。俺が倒木に座り休んでいた場所の近くだ。道中はスライムが2匹出てきただけで、他のモンスターとは出会わなかった。その2匹もエミルさんがあっという間に踏み潰しちゃったけどね。「よく見ていろよ? ヨールにはこれをやってもらう」 エミルさんは斧を両手に取り、すごい力でコルの木を切り倒してしまった。そこからさらに、柵作りに使用する為の杭の長さに切り分けていく。  ナタに持ち替えると、今度は木の表面に鋭利な部分を押しつけながら線をつける。器用に一本分の杭の大きさに切り出し、地面に刺さりやすいように片方の先端を尖らせた。  さて、ここから作業分担だ。エミルさんが斧で木を切り倒し、俺がナタで柵の杭を作っていく。  エミルさんのように上手くはいかなかったが、丁寧に砥がれたナタの切れ味はすさまじく、なんとか杭の形にはなったかな。「エミルさん、どうでしょうか? ちょっと時間はかかっちゃいましたが一つ完成しました。この杭で刺せば俺にもスライムくらいなら倒せちゃうかもしれませんよ!」「ちょいと不恰好だがまあいいだろう。それと、お前には重すぎてこの杭は扱えねえよ。がははは!」 この世界に来て初めて一笑いゲット。小さくガッツポーズをした。 しばらく作業をして、お昼はマチルダさんお手製のピーのサンドウィッチを食べた。ナンのようなパンに、カイワレ大根のようなシャイと呼ばれる野菜とスクランブルエッグを包んだものだ。甘めのドレッシングで味付けされており、これまた最高に美味い。  少し休憩を取り、また作業再開だ!「そういえば1日はどれくらいの長さなんですか? 年齢が
last update최신 업데이트 : 2025-02-20
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幸福な日々

 そして二日後。  今日は村で共用の荷運び用の馬を借りて、杭の運搬を行う。  この3日間で、1区画分の柵が作れるだけの杭が完成した。俺も大分慣れてきて、2日目からはなかなかの速度で作業が出来ていたと思う。「いただきまーす!」 井戸で体を拭いてから朝食をいただく。  家族の一員みたいなつもりで生活してしまっているのだが、いいのだろうか。  今日のメニューは、蒸かしたピーと炒り卵を和えて、三つ葉のような香りのするヒーロロの葉のみじん切りがかかったものと、肉のような食感の豆ディーダイのスープだった。  マチルダさんの料理のバリエーションは多彩で、毎日新しい美味しさに出会える。「今日のご飯も最高です、マチルダさん! このピーの卵和えは3つの香りが一体となってなんともいえない幸福感に包まれます。優しい味のスープを口に含めば胃に染み渡り、ゆっくり目覚めるようなすっきりとした美味しさがありますね!」「うふふ、相変わらずお上手ねヨール君」 俺が食事の感想を伝えると、マチルダさんはいつも喜んでくれる。「弱いくせに飯の感想だけは立派だなヨール。がははは!」 エミルさんも気軽に軽くいじってくれる。  無償でこんなに幸せな時間を過ごせるなんて。 さて、楽しく朝食を取った後は仕事だ。  エミルさんの陰に隠れながら森を歩き、作業場へ向かう。  馬に引かれた荷運び台車へ崩れないよう杭を積み、太い麻ヒモで固定していく。1回で3割くらい運べそうだな。この分なら午前中に杭運びが終わるかも。「午前中に杭運びを終えて、午後は柵を囲うイバラ縄を作るぞ!」 バラよりも鋭くてトゲの大きなチムと呼ばれるツタ状の植物は、切断部同士をしばらく押し付けておくと、一体化する性質がある。  これを三十メートルくらいになるよう加工し、角材に巻きつけたものがイバラ縄という。まるで柔らかい有刺鉄線だ。  このイバラ縄に俺が初日にお世話になったカユカユの葉……本当はジュヒルの木の葉というらしいのだが、すり潰した汁を塗っておくと、モンスターは嫌がって近寄らないらしい。俺が
last update최신 업데이트 : 2025-02-22
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川に行こう

 そして翌日。 今日は朝から大忙しで、湖に行く準備を始めた。 昼食を終えるてしばらくすると、エミルさんの家に近所の人が集まってきた。一緒に向かうフセイさん夫妻、ジョージさん一家、ケビンさん一家、ヒジョフさん夫妻に挨拶し、荷運び馬2頭を借りて湖に向かう。 道中、ジョージさんの8歳の娘のキミちゃんとケビンさん一家の8歳の息子のデリルくん、7歳の娘のミシューちゃんは、お出かけするのが楽しいのかキャッキャとにぎやかに追いかけっこをしていた。「お前たち、大人からあまり離れるなよ! モンスターが出たら危ないぞ!」「「「えー、スライムくらいなら倒せるもん!」」」 エミルさんが子供たちの気を引き締めようと注意するも、みんなどこ吹く風とばかりにはしゃぎ回っている。(そうか、俺はこの子たちよりステータス的には年下なのか……) このあたりだと、モンスターといえばスライムだもんなぁ。 俺には脅威だけど、子供たちからすると楽勝みたい。「お前が一番弱いみたいだぞヨール。がははは!」 エミルさんが俺の頭をガシガシと撫でる。 なんだか俺が一番年下のような気持ちになってしまう。 この機会に村の皆さんと仲良くなろうと、積極的に話しかけてみる。 さっそく俺がエミルさんの笑い方の物マネを披露すると、笑いを取ることが出来た。 ……エミルさんから頭を小突かれちゃったけどね。 スライム2匹とミドルハウンドが1頭襲ってきたが、スライムはキミちゃんが火属性のスキルでやっつけて、ミドルハウンドはエミルさんが飛び掛ってきたところをナタで脳天唐竹割りだ。湖で解体できるように、軽く血を抜いて馬の荷台に積み込んだ。(みんなつえぇ……) 俺は、みんなに拍手を送ることしかできない。 そんなこんなで湖に到着すると、平らなところにみんなで協力してテントを張り、漁の準備を始めた。女性陣と子供たちは野草の採取に向かうらしい。 2点に石をつけた麻縄で作った目の細かい網を広
last update최신 업데이트 : 2025-02-24
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危機一髪

 マチルダさんが俺を呼ぶ声が聞こえたが止まるわけにはいかない。 驚くほどに体が軽く、飛ぶように走れる。 重い足枷がどこかにいってしまったみたい。(ステータス) 黒川 夜 レベル:6 属性:闇 HP:380 MP:380 攻撃力:135 防御力:110 敏捷性:220 魔力:280 装備 ・村人の服 ・村人のズボン ・麻紐のベルト ・薄汚れたシューズ(学校指定) ・麻の袋(大銀貨30枚) スキル ・シャドークロー レベル1 ・ダーク レベル1「よし、ステータスは上がってるな。力仕事のおかげか? レベルが結構上がってるぞ! なんかスキルも増えてるし! これは後で確認しよう。今は時間が無い……!」 念のためにステータスを確認しておく。 なぜレベルがこんなに上がっているのか不思議だが、上がっている分には問題ない。(右手 シャドークロー) 視界を広げ、夜の森を駆ける。「ブモォォォォ!!!」 けたたましい野獣の咆哮が聞こえた。(無事でいてくれっ……) 音の方へ走ると松明の明かりが見えた。 ……エミルさんだ! 棍棒を持った5頭のオークと対峙したエミルさんとジョージさんは、ゆっくりと距離をとりながら応戦していた。エミルさんは左腕を負傷したようで、ジョージさんはエミルさんを庇うように立ち回っている。「ブモォォォォ!!!」 1頭のオークが棍棒を振り上げ、ジョージさんに向かって突進した!「危ない!」 棍棒が振り下ろされようとした時、なんとか間に合った俺は、オークの顔を突き刺すようにシャドークローを振り抜く。 ズジュウウウウウ…… 顔を失ったオ
last update최신 업데이트 : 2025-02-26
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新しいスキル

 ジェプラの手紙が戻ってくるまでの間、村長は村のみんなを中広場に集めていた。 今回の事件を報告し、2世帯1グループとして村の周囲の警戒を命じている。 エミルさん一家と村長の家族は、村の家に待機だ。エミルさんは村長の奥さんに添え木した腕を布でぐるぐる巻きにされていた。 村中大騒ぎとなり大変だったけど、落ち着いたころに村長の魔道具が返ってきた。光のトンビは球体に戻ると、手紙の上でバラバラに砕け散ってしまう。おそらく回数制限があるのだろう。 さっそく村長が声にだして手紙を読む。『至急冒険者を召集し、調査を依頼する。護衛の騎士を派遣するゆえギルドに参られよ。ギルド長 エバンス・ユーストリア』 内容は簡単で、詳しい状況を直接報告しろとのことだった。「ふむ、ワシが村を離れるわけにはいかんだろう。エミル、怪我をしているお前は村の戦力にならん。代理を頼めるか?」「そうだな、当事者である俺が行くべきだろう。マチルダを頼んでもいいか? ついでにヨールを連れて行く。少し早まっちまったが、こいつの家族が探しているかもしれない。人の多い街の方がいいだろうからな」 村長とエミルさんの話し合いで、俺も予定よりも早く街に行くことが決まったようだ。 いつ騎士が迎えに来るか分からない、エミルさんと俺は仮眠を取ることにした。 うっすらと夜が明け始めた頃、馬の足音といななく声で目を覚ます。 そっと扉を開くと、ロウソクの灯りがぼんやりと家の中を照らしていた。(今日で最後か……) お世話になった恩はいつか必ず返すとしても、この村を離れれば、当分は自分のことで手一杯になるはず。エミルさんやマチルダさん、他のみなさんともお別れだ。 リビングに降りると、両目を真っ赤にはらしたマチルダさんがいた。「寂しくなるわね」 マチルダさんは、寝ずに俺が目覚めるのを待っていてくれたようだ。 優しく抱きしめられる。「なんだ、二人とも起きていたのか!」 エミルさんもリビングへ降りてきた。「エミ
last update최신 업데이트 : 2025-03-01
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冒険者ギルド

 ギルド長のエバンスさんとエミルさんの話し合いが続く。「……で、だ。エバンス殿、なぜ俺は呼ばれたんだ? 調査が済んだら伝令を寄越してくれれば良かったんじゃないか?」「その件だが、今回は火急の事態のため、こちらで指揮を取る必要があった。オークの大群が村を襲えば全滅もあり得るからな。まあ、何が言いたいかというと、ギルドも仕事だ。当然、人を動かすには金が発生する。早い話しが支払いの相談さ」 エミルさんは、顔を顰め眉根を寄せ、これでもかというほど眉間に皺を寄せている。骨折した事を忘れてしまったのか、両の手は硬く握られワナワナと震えている。 納税時期が迫ってるし、自給自足のジョール村に蓄えなんてあるのだろうか。そもそも、俺がエミルさんの家で世話になっていたことから、あの村に宿はない。外からやって来た旅人が金を落とす想定なんてしていないんだろう。「……どれ程の金額になるんだ?」「本日中に調査は終了するだろう。冒険者が5チームに伝令や騎士、その他とギルドの手数料も含めたら金貨10枚が妥当なところか」「エバンス殿の言うことは当然だ、理解は出来る。しかし、我々は近日中に納税を控えている! 村に戻って相談させてくれ!」 金貨10枚、100万円相当になる。確かに金額は大きいが、1日仕事でこの大人数だ。高すぎるとは言い難い。吹っかけている訳ではなさそうだ。 こういうとき、納税が発生しているなら、この辺りを統治している人がお金を出すべきだと思うんだけど。村として成り立たせてやるから税を納めろ、村の周辺が危ないなら金を払えって、みんなの生活を追い詰めかねないよね。「エミル殿、怒らないで聞いて欲しい。この金額はあくまでもコロニーが無かった場合の値段だ。オークの集落の殲滅。さらににハイオークがいた場合、いま提示した金額の3倍は請求することになるだろう。森は村の所有では無いので、ジョール村がコロニー殲滅の金額を払う必要は無いと思われるかもしれない」 ただでさえ苦しいと難しい顔をしているエミルさんに対して、エバンスさんがさらに続ける。 それほどオークのコロニーが厄介で、ハイオークが恐ろしいモンンスターだというのは分かるんだけど……でも、納得はできない。「しかし、村を守る城壁も、冒険者も居ないジョール村は、真っ先に危険に晒される。ジェプラを使ってギルドに連絡していたのだから、
last update최신 업데이트 : 2025-03-02
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