闇属性は変態だった?転移した世界でのほほんと生きたい의 모든 챕터: 챕터 31 - 챕터 40

68 챕터

知識を得る

 ギルドに戻ると、依頼を終えた冒険者で溢れ返っていた。打ち合わせスペースが使用できるのかと不安で見回すと、ミシェルさんはちゃっかりと席についていて、こちらに手を振っていた。 人ごみを掻き分けなんとか辿り着くと、講義の始まりだ。「まずは依頼だけどねー。」 依頼には通常依頼と指名以来の2種類がある。通常依頼は、掲示板に貼られている依頼表を取ったり、受付で案内してもらうことで受注できる。掲示板の依頼は個人が依頼した物で、所謂美味しい依頼が多く、冒険者は依頼が貼り出される時間になると、掲示板の周りに集まる。指名以来は、信頼の出来る冒険者に任せたい依頼者が受付嬢を通し、冒険者に依頼する。 依頼表は手に取ると消え、情報がプレートに記録される。依頼完了時は、プレートを受付嬢に渡すと依頼情報を読み取る魔道具を使用し、依頼内容が表示される。表示されるといっても番号が出るだけで、リストから番号を参照し、確認するという仕組みだ。 依頼を失敗すると違約金を取られるので、自分に合った依頼を選べないと破産してしまう。 ブロンズ級の受付で受注する依頼の例として、薬草採取が1本あたり大銅貨1枚、ミドルハウンド退治が1体あたり大銀貨1枚等々だ。スライムは退治しても砂粒状の魔石に変わるため、見つけるのが面倒だし、砂粒を持ち込まれても魔道具で覗かないと判断できないので、適当にボランティアで踏み潰しておいて程度の扱いらしい。モンスターを何体倒したかのカウントはモンスターから切り取った鼻の数でとる。鼻の無い魔物は討伐部位が指定されているので、モンスターの知識は深めておきたい。 ダンジョンはシルバー級から利用できる。ギルドの受付で入ダン料を払い、木札を受け取って、ダンジョンの入り口にいるダンジョン管理員に渡すと中に通される。シルバー級は小ダンジョンまで、ゴールド級で中まで、ミスリル級以上で制限が無くなる。 ブロンズ級のヨールもギルド規定上は小ダンジョンまでなら利用できるのだが、パーティーを組んでいないと断られる可能性が高い。「なるほど、勉強になりました。ミシェルさんは何級なんですか?」「わたしー? えっとねー……」
last update최신 업데이트 : 2025-03-14
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まさかのシルバー

 初心者講座を受けたので、完了報告のためにギルドのカウンターへと向かう。 そこで、掴みどころのない飄々とした顔で笑うパリピことティーダさんを発見した。「ティーダさん、初心者講座終了しました」「やったじゃーん! ヨールっぴもこれで冒険者の仲間入りだねー。プレート貸してちょ」 チェーンの先にぶら下げた輝く金属製のプレートを外し、ティーダさんに手渡す。「へー、ヨールっぴすっげえじゃーん。シルバーの1階級からスタートできるっぽいよー!」 その言葉を聞いた瞬間、俺の心に疑念が生まれた。 どういうことだろうか。俺はいま初心者講座を終えたばかり。ギルド長が何か計らってくれたとも思えない。そんなことをすれば、人を見て判断していると冒険者たちからの評判が駄々下がりだ。「いやいや、どういうことですか? 何かの間違いでは?」「んっとねー。オーク5体倒したっしょ? あれシルバーの1階級へのランクアップ基準満たしてるっぽいんだよねー。いっちゃうっしょ、シルバー!」 なるほど、討伐したモンスターによって昇格の基準があるのか。 しかし、冒険者として一からスタートしようと決めた俺としては、見習いとしてコツコツ慎重にやっていくべきかな……とは思う。「ちょ、ちょっと待って下さい! 俺はブロンズから……」「ヨール君、シルバーになれるならなっといた方がいいわよ? 別にシルバーでもブロンズの依頼は受けれるし、メリットしかないわ。例えばパーティーを組みやすくなったり、報酬の高い依頼を受けれたり、夜間に街に入れたり。何よりブロンズのプレートよりお洒落よ?」 ティーダさんの申し出を断ろうとしたところに、ミシェルさんから魅力的な話が。 たしかに、夜間に出歩けるのはでかい。依頼もとくに変わらなさそうだし、ランクを上げることにマイナスはなさそうだ。何となく心の中にあった不安が、ほんの少しずつ薄れていく。「じゃあシルバーでお願いします!」「ちょっと待っててね~ん」 ティーダさんが手のひらを陽気
last update최신 업데이트 : 2025-03-15
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依頼を受けてみよう

 雑貨屋に到着した俺は、体を洗ったり、洗濯に使える洗浄オイルを購入した。オイルと塩と柑橘系の皮を細かくしたものが入っており、先日湖で使用したものとほぼ同じだ。コルクで蓋をするタイプの瓶に300ml入って大銀貨20枚もしたが、これはほぼ瓶の値段で、次回からは中身だけを購入できる。サボンが大銀貨1枚で、桶が大銀貨4枚。桶は嵩張るので後回しにした。 残りは大銀貨8枚と少し。心許なくなってきていた。(まずい、お金がないぞ……) 古着屋で見た衣服は安いものでも上下で大銀貨5枚、2着は余分に買っておきたいし、食事や他の日用品も考えるとお金が足りない。「依頼を受けて、1日どれくらいの稼ぎになるか試してみよう。今後の見通しを立てないとな」 買ったものを全てカバンに詰め込んで、ぶつぶつと呟きながらギルドへと歩きだす。 たしかミドルハウンド10頭で1万円だった。毎日やれば月収30万円か。税金の話も無かったし、そう考えたら高給取りなのかもしれない。取らぬ狸の皮算用ではあるが、ポジティブに考えていこう。 最低限の生活を送るだけなら、半日も働かなくてよさそうだ。頑張りに応じて報酬が変わるのは、なんだか個人事業主として飲食物を運ぶ仕事に似ている。 ギルドに到着すると、受付にアンネさんとティーダさんを見つけた。 どうせなら美人と話して気持ちよく仕事を始めたい。迷う事なくアンネさんの列に並ぶ。「おはようございます、アンネさん。依頼を受けたいのですが、湖の近くで出来る依頼はありますか?」「おはようございますヨールさん。シルバー級でしたら、北のレイクウッド湖周辺に出るジャイアントルーパーの討伐はいかがですか? 討伐証明は尾先で、オークよりも討伐難度が低いモンスターです。1匹大銀貨3枚です」 アンネさんがモンスターの絵を見せてくれた。深緑色の山椒魚に似たモンスターで、つぶらな瞳が可愛らしい。動きも遅そうだし、ミドルハウンドよりも弱そうな感じだ。 こんなの、近づいてしゃがんでナイフで刺せば終わりでしょ。これで1匹あたり大銀貨3枚も貰えるなんてお得だよね。「それでお
last update최신 업데이트 : 2025-03-16
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瀕死

「ふんふんふ~ん。初めての依頼かー、ワクワクするなー」 鼻歌まじりに森の中を歩く。 木々の隙間を通り抜けた風は気持ちよく、木漏れ日がピクニックにでも来たような心地にしてくれる。 広く開けた道になっており、視界は良好だった。湖を見ながらパンを食べようと考えていた俺は、はやる気持ちがそうさせるのか、歩く速度もつられてあがる。 しかし1時間ほど歩いた頃、右前方の森の中から唸り声が聞こえた。 グルルルル…… 太い木の後ろから、覗き見るように1頭のミドルハウンドがこちらを威嚇している。(シャドークロー) 両手と両耳にスキルを纏わせることで、2本の黒い爪を生やした巨大なモミアゲの男が完成した。 バフがあれば問題なくやれる筈だ。目を逸らすことなくゆっくりと後退する。 念のためにステータスを確認しておこう。(ステータス) 黒川 夜 レベル:11 属性:闇 HP:13 MP:13 攻撃力:10 防御力:10 敏捷性:10 魔力:10「ちょ、待っ……!?」 期待を裏切られたステータスに思わず声を出してしまう。 黒川研究室での実験によれば、レベルが上がったことによるバフで、全ての項目が100ずつ上昇しているはずだった。しかし、結果はこれ。元の状態とほぼ変わっていない。昼間だと俺のスキルは大した効果を発揮してくれないらしい。 俺の叫びをゴングと勘違いしたのか、ミドルハウンドがこちらに向かって駆け出す。赤い目は殺意に染まり、剥き出しになった鋭い牙の隙間からヨダレが溢れだしている。(ま、まずい!) 慌ててスキルを解除し、服を脱ぐ。靴を脱ぎ、ズボンを脱ぎ、上着を脱いだ時には、巨体の犬はこちらに飛びかかってきていた。首を庇うように咄嗟に右腕を前に出すと、獣の牙が皮膚を突き破る痛みに脳が悲鳴を上げた。「ぐああああぁ!」 獣に噛まれた時は、無理に腕を振
last update최신 업데이트 : 2025-03-17
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湖に到着

 ギルドに戻ったら、傷を受けた際の正しい対処法を聞くべきだろう。 俺みたいに毎度毎度ジャブジャブと湯水のように傷薬を使っていては、いずれ金欠になってしまう。 そういえば、ナイフもスコップも要らなかったな。シャドークローさえあれば、モンスターの後始末には十分だ。大してお金にはならなさそうだけど、帰ったら売ろう。 初心者講習とはなんだったのか。教わったことを無視して楽な方法を選んでしまった。こういう性格だから毎回死にかけるのかもな。 そんなことを考えながら、湖へと向かう事にした。そう、裸のまま。 生まれたままの姿でバッグを背負い、いっそ清々しいくらい堂々と進んでいく。急な冷たい風が肌を撫でる。その感触が思った以上に心地よく、心を落ち着けてくれる。周囲の木々が青々と生い茂っており、陽光が葉の隙間からこぼれ落ちる。その光の中を進みながら、自分のステータスが上がったためか、より速く走れることを実感した。何かを揺らしながら……。「もうなんでもいいや、人が来たら隠れよう! 死んだら終わりだもん!」 通報されてもおかしくない格好だが、服を着ていてはシャドークローのバフがあまり意味をなさないのだから仕方ない。裸ならミドルハウンドにも対処できるし、これが昼間の俺に取れる一番の安全策だ。誰かに見られるから恥ずかしいのであって、誰とも会わなければ問題ない。 不安が押し寄せる中、遠目に人を見つけては森に逃げ込む。緊張感が走る中、心臓が早鐘のように鳴った。木々の影に隠れてやり過ごし、さらに進む。街を出てから2時間半ほど経っただろうか。閃光のように駆け抜けたかのように感じる時間の中で、少し先の方に森の切れ間があった。(あそこかな?) 近づくにつれ、どこか神秘的な雰囲気が漂ってくる。そこは幻想的な風景だった。神秘的な瑠璃色をした深い湖が目の前に広がっている。水面はまるで鏡のように静まり返り、青い空と白い雲を映し出している。水面に映る新緑の木々のコントラストが、まるでそこにもう一つの世界が存在しているかのように、息を呑むほど美しい景色を描き出していた。「なんて綺麗なんだろう。日本にあったら人気デートスポッ
last update최신 업데이트 : 2025-03-18
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ジャイアントルーパー

「あー、これだわ。ジャイアントルーパーだこれ。目が可愛いもの……。」 その瞬間、心臓が高鳴った。ジャイアントルーパーの目は、まるで大きな黒いビー玉のようにこちらを見つめている。その愛らしい目に反して、間近で見るとその体は圧倒的な存在感を放っていた。全身を覆うゴツゴツとした鱗が、光の加減でひかり、まるで軍用車両の装甲のように恐ろしさを感じさせる。噛みつかれたらそのまま飲み込まれてしまいそうだ。歯はないようだが、強力な顎が組み合わされていると思うと、背筋が凍った。足や腕が挟まれたら骨折するだろうし、体であれば最悪の場合内臓破裂だろう。 常に動き回り撹乱し、頭の動きに注意しながら後方に回り込み、飛びかかって脳をシャドークローで破壊したいところだ。(両手 シャドークロー) 距離をとりながら時計回りに動く。バタバタと手足を動かしながら、ジャイアントルーパーがこちらの動きに反応する。時折威嚇するように噛み付くような真似をしてくるのが怖い。 「地上ではそんなに速く動けないみたいだな」 自分に言い聞かせるように呟き、じっくりと観察しながら冷静さを保とうと努める。服を着ていると、シャドークローのバフは1箇所あたりステータスが1しか上昇しなかったが、裸の状態であればそのバフは驚異の25ずつも上昇している。オークより弱いという話なら、両手の発動でも十分に戦えるとは思う。しかし安心はできない。 別の1匹が飛び出してくる可能性があるので、水際に近づかないよう注意しながら、少しずつ間合いを狭めていく。 ……そのとき、ジャイアントルーパーが威嚇行動をとった。頭を振り上げ、鳴き声のように吠える。巨大な体がバランスを崩し、こちらに向かって噛みつくような仕草を見せた。(チャンス!) 心の中で呟く。まさにその瞬間、素早く背後を取るべく身をひねり、動き出した。目指すはこの巨大生物の頭。力強く飛び掛かろうとしたその瞬間……。 ――ビュンッ 目の前をムチのようにしならせた尾ビレが通過した。まるでヘビー級のムエタイ選手がミドルキック
last update최신 업데이트 : 2025-03-19
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夜の闇に溶ける

「ヒュッ!」 再び目の前にステップして近づく。 やはりジャイアントルーパーは首を少し引き、ぬめりと湿った巨大な口内を見せびらかしながら前に出るように噛み付いてきた。 緊張した空気が身体中を走り抜ける。まずはバックステップで距離をとり、鋭く前方に飛び上がった。 そのまま手のひらを上に向けるようにして、噛みつき後の脳天にシャドークローを突き刺し、胴に向かって斬り裂いていく。 鋭い痛みを感じたのだろう、ジャイアントルーパーは大きくのけぞる。再びバックステップで距離をとると、その後ジャイアントルーパーが動く事はなかった。身体が緊張から解放され、少しずつ心拍数が落ち着く。「やった! 倒したぞ!!」 死闘を繰り広げた俺は、その場に尻餅をつくように座り込み、両手を上げて勝利を喜んだ。達成感と解放感が入り混じる。 近くには倒れたジャイアントルーパーの姿が横たわっている。巨大な影が地面に落ち、その威圧感は一瞬にして消え去った。 さて、ここからは解体の時間だ。 まずは尾先をなるべく小さく切り取るが、やはりそれでも自分の手のひらよりも大きい。その重さを感じながら、切り取った部位に目を凝らす。 事前にアンネさんから聞いていた情報によると、心臓が漢方の材料になり、肉はゼラチン質でなかなか美味しいらしい。 尾の付け根には魔石が埋まっている。その魔石を取り出してみると、小指の第一関節くらいの大きさで、独特の光を放っている。ただの石ではない。 魔石からモンスターとなる心配があったが、どうやらモンスターの死体から取れた魔石は、再びモンスターになる事はないという。同じ人間が生まれる事がないのと同じように、モンスターも同様であるらしい。「流石に肉は持って帰れないから、うーん……魔石と尾先だけにしとくか!」 尾先を掴もうとすると、ヌルッと滑りうまく掴めない。考えた末、地面を転がし砂まみれにしてやった。 砂団子と魔石を拠点(ゴザを敷いただけ)の横に置いて、残りはスキルで消滅させた。「大きいから処理が大変だね。さーて、髪を洗いますよっと
last update최신 업데이트 : 2025-03-20
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変なやつらに絡まれた

 俺は急いで地面に木の板を置くと、背負っていたバッグの中から服を取り出し、慌てて身に着けた。 そして、首から下げていた冒険者証を門番に見せる。「ほ、ほら! これを見てください! ほんとにシルバー級の冒険者なんですよ!」 門番はしばらく、鋭い眼光で疑わしげに俺を見ていた。俺の目を覗き込みながら、隠された何かを見透かそうとしているかのように。 俺の声は少し震えていたが、必死さは伝わったらしい。怯えるような瞳をしていたのかもしれない。彼は恐る恐るプレートを確認してくれて、渋々槍を下ろしてくれた。「……確かにシルバー級の冒険者の証だな。しかし、もう少し身なりに気をつけるんだな。お前のような格好で来る者はいない」「す、すみません。色々ありまして……。とにかく、これで街に入れてもらえますよね?」 門番から許しを貰い、俺はようやく街の中へと足を踏み入れた。 街の喧騒が耳を打ち、あちこちで人々の活気があふれていた。商人の声、子供たちの笑い声、さらには冒険者たちの熱い議論が日常の光景の一部だ。俺はギルドへ向かうため、急ぎ足で人混みをかき分けていく。 ギルドの扉を開くと、落ち着いた雰囲気の中で賑わっている様子が見え、ホッと胸を撫で下ろす。危うく犯罪者とか危険人物扱いされて捕まるところだったからね。 受付には、いつものアンネさんがいた。彼女は柔らかい笑顔を浮かべており、その表情は俺にとっての安らぎだった。俺は急いで戦利品を渡し、魔石を提出する。「なるほど、確かにジャイアントルーパーの魔石ですね。討伐お疲れ様でした」 アンネさんは手際よく報酬の準備を進めている。 一方的に襲われ続けただけだけど、結果的に8匹も倒したからな。「こんなにたくさん討伐するなんてすごいですね」「途中で洗髪の邪魔をされまくってしまいまして……」 あの現場を見て
last update최신 업데이트 : 2025-03-21
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謎の依頼

 鳥の声で目を覚ます。外に出ると、まだ薄暗かった。「昨日のことがあったから、今日はまずギルドに寄って、そこからあちこち買い物に行くことにするか。依頼は受けてる場合じゃないかもなー」 ギルドは24時間営業だ。2交代制だからブラックじゃないよ。併設の冒険者の店も同じく24時間やっている。夜に活動するのもありかもしれない。でも一応まだ成長期のはずだから、出来れば規則正しい生活を送りたいけどね。 井戸水を掛け、顔と髪を洗浄オイルで洗う。「冷たーっ! 目が覚めるよ。けどタオルが無いのは不便だなー」 昨日は結構稼げたし、タオルも購入しとくか! バッグに肌着、靴下、パンツ、スコップ、ナイフを入れ、残りは部屋の隅に置いておく。 準備完了だ。さっそく俺はギルドへと向かった。 やはりあの宿は不便だな。安いかもしれないけどギルドまで遠すぎる。 到着する頃には日が差していた。もう朝の6時くらいだろうか。 まだ冒険者は少なかったため、すぐに受付嬢と話ができた。「おはようございます、ちょっと報告をしたいのですが」「あら、朝早くからマジメねー。どうしたのかしら?」 受付嬢はジンバさんといって、恰幅の良い40代くらいの女性だ。朗らかな笑顔は話していて安心感がある。「実は、昨日の夜ギルドを出た後絡まれまして……」「なるほどねー。個人間の揉め事は街の警備隊に相談してもらう事になってるんだけど、相手はどんな奴らだい?」「実は、1人はスキンヘッドでガタイが良く、シルバー級と言ってました」「それならギルドの領分だね、まったく! 1人はって事は何人かいたのかい?」「2人組みで、もう1人はロン毛に出っ歯の華奢な男でした」 俺は、昨日絡まれた小太りの大男の特徴と、出っ歯の男の特徴を伝えた。 すると、ジンバさんの先程までの恵比寿顔が、閻魔大王のように恐ろしいものへと変貌していく。「おそらくマシューとリッキーだね、あのボケカスども。最近依頼の失敗続きで金が無いんだろう。ぶち
last update최신 업데이트 : 2025-03-22
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大満足

「よく来てくれたね、助かったよ。私はここのオーナーをしているマルコスだ。実は今日新作を発表しようと思っていたんだ。少しうちの店の味を見てもらってもいいかな?」 このマルコスさんという恰幅のいい男性が、俺に依頼してくれたらしい。どこかで見たような記憶があるんだけど、全然思い出せないな。 案内されるがまま奥の厨房へと向かう。厨房内は活気があり、慌ただしくも料理から目を離さないシェフと、オーダーを伝えるウエイトレスが目まぐるしく動き回っていた。店内とキッチンで動と静の対比が凄い。「さあ、ヨール君。これを食べてみてほしい」 小さなお皿には小さく切った鶏肉に白いソースがかかった物が乗っていた。恐る恐る口に含む。(うん、うまい! なんて深い味だろう、多分この店は人気店だ!) 俺は料理の味に感動しながら、ただただ無言で頷く。「どうだろうかウチの味は? 実はラシードさんの店の前で君を見かけてね、覚えているかな? 君のコメントは素晴らしかったよ。是非今回もお願いしたい!」 なるほど、あの時の! たしか、肩を叩かれて名前を聞かれたんだ。「素晴らしいですね、鶏肉は皮目がカリッとなるまで焼かれ、肉は火を通しすぎていないので柔らかくジューシーな仕上がり。ソースは柑橘系の香りがミルクの濃厚さと何かの野菜を擦りおろした旨みをさっぱりとまとめ上げている」 俺がコメントをしている間、先程まで料理に集中していたシェフの目線がこちらに釘付けになっていた。鶏肉って言っちゃってるけど、女神のおかげでこっちの言葉で聞こえてるはずだから大丈夫だろう、多分。「そう、それだよ! 君に依頼して良かった。外のテラス席へ案内しよう。ささ、こっちへ!」 カラーン カラーン 丁度お昼になったようだ。テラス席に座ると、腰の後ろでリボンを大きく結んだ、可愛らしいメイド服のウエイトレスさんが料理を運んできた。新作発表だからだろう、少し大きな声で説明してくれた。「こちら、本日からメニューに加わりました、新商品のジャイアントルーパーのトマーテシチューでございます。モーロのパンと一緒にお召し上がり下さい
last update최신 업데이트 : 2025-03-23
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