Lahat ng Kabanata ng 異世界で配信始めます〜滑舌が悪くなるスキルのせいで、魔王を倒すことになりました。勇者じゃなくて勇太なんだが?〜: Kabanata 21 - Kabanata 30

54 Kabanata

食べたくない

「勇者殿、こちらが本日の昼食になります!」 いつもの麦がゆと……何だこれは?  握りこぶし大で、そら豆に似た形状の茶黒い物体が串に刺さっている。  気のせいじゃなければいいのだが、こんがり焼けたその物体からは、嫌な臭いのする湯気と微弱な黒くて禍々しいオーラが立ち昇っている。コメ:キモwww コメ:またゲテモノじゃねえか! コメ:さすがに不味そう。 コメ:なんか黒いオーラ出てない?w「きぇみょにょしゅうをぎょうしゅきゅしちゃようにゃきょうりぇちゅにゃあきゅしゅうをはにゃちゅきょりぇはにゃにきゃにゃ?」 ※獣臭を凝縮したような強烈な悪臭を放つこれは何かな?「はっ、こちらはライトニングビーストの睾丸を串焼きにしたものです! 先の四天王との激戦で、勇者殿が疲弊されているかもしれないとランデル殿に相談しまして、精のつきそうな部位をお持ちしました!」 ちょっとこいつが何を言っているのか理解できない。  俺は今、本当に正しい解答を聞けたのだろうか。「えっちょ、ききみゃちぎゃいじゃにゃいちょいいんぢゃきぇりょ。きょりぇはにゃにきゃにゃ?」 ※えっと、聞き間違いじゃないといいんだけど。これは何かな?「はっ、こちらはライトニングビーストのキンタマを串焼きにしたものです! 戦の疲れに一番効くのは獣のキンタマですので、多少臭いますが、食べやすい調理法を選んだつもりです!」勇太:イカれてんのかこいつらは! 睾丸が何か分からなかったから聞き直したんじゃないんだよ! 可愛く言い直されても困るんだが! コメ:別に可愛くないけどなw コメ:四天王なんて食えるのか? 勇太:多少ってレベルじゃないくらい臭いですよこれ。 コメ:見てるだけで吐き気するw コメ:腹壊しそう。「えっちょ……りゃんぢぇりゅ? きょりぇっちぇしゃっきにょしちぇんにょうぢゃよにぇ? いみゃみゃぢぇぢゃりぇきゃちゃびぇちゃきょちょありゅにょ?」 ※えっと……ランデル? これってさっきの四天王だよね? 今まで誰か食べたことあるの?「はっ
last updateHuling Na-update : 2025-03-07
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和解

 食事中に俺の話を聞きたいと言われて連れてこられたはずなのだが、俺はほとんど喋らなかった。  ランデルが泣きながら口をゆすいでいたせいで、進行を取れる人間が居なくなってしまったからだ。  俺を前にした兵士達は、自分の考える勇者ユートルディスはこうだみたいな話題で盛り上がっていた。  ユートルディス談義が白熱し、何故か取っ組み合いの喧嘩にまで発展し、俺の目の前に地獄絵図が広がった。  怒号と悲鳴が響き渡り、呆然と立ち尽くしていた俺は、最終的に俺の為に争うんじゃないという美少女みたいなセリフを言わされる羽目になった。 さて、四天王の首が張り付けられた悪趣味な馬車に、俺とランデルが二人で乗っている訳だが。  小休止という名の地獄が終わり、四天王ネフィスアルバが潜むオウッティ山脈へと向かっている。  緩やかな下り坂なので、馬車の速度が上がり、デコボコした路面が俺のお尻を終わらせにきている。  衝撃を和らげるクッションのような何かが欲しいと思い、座席とお尻の間に手を入れてみたところ、鎧の重さで手の骨がゴリゴリと音を立てて砕けそうになった。  それだけでもきついのに、もう一つの問題が生じている。  馬車の幌に、狂乱の一角獣ライトニングビーストの体液と血液が染み込み始めている。  そのせいで、凝縮された凄まじい獣臭と血生臭い不快な香りが馬車の中に充満している。  馬車の揺れと不快な臭いでいつ吐いてもおかしくない。「にゃありゃんぢぇりゅ、びゃしゃにょうえにょやちゅぎゃきゅしゃきゅちぇひゃきしょうぢゃきゃりゃ、しょりょしょりょありぇしゅちぇにゃい?」 ※なあランデル、馬車の上のやつが臭くて吐きそうだから、そろそろあれ捨てない?「お気づきでしたか。ユートルディス殿がおっしゃる通り、そろそろ物資の残りが怪しくなってきておりますので、途中街に寄り補給したいと考えております!」勇太:あの、今のって会話になってました? 各々が自分の意見を述べただけでしたよね? コメ:平常運転だね! コメ:いつもの聞き違いではなかった。 勇太:もしかして、俺がキンタマを食わせたことを怒ってるんで
last updateHuling Na-update : 2025-03-08
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ランデルの下ネタ

 どの世界でもエロ談義は男同士の絆を深めてくれるんだな。 言葉では言い表せない不思議な感覚で、自分という存在が受け入れられたような気持ちになる。 何気ない友人との会話の中で、好きな異性のタイプとか、実はこんな性癖があるとか、秘密を打ち明けた時に、分かるわーと共感し共感される謎の一体感だ。コメ:うわ、最低ですね。登録解除します!コメ:勇太くん好きだったのに幻滅しました。コメ:エロ求めてねえんだわ。じゃあな!コメ:はあ、こういう勘違いキャスターいるんだよな。視聴者が何を求めてるのかを理解してくれよ。コメ:そういう流れになるならエロ専のチャンネルにしな。俺は勇者ユートルディスの冒険が見たかったのに。 打ち解けたと感じた俺とランデルは、好みの女性のタイプやら何フェチかなど、そっち方面の話題で盛り上がった。 途中、コメントが荒れて視聴者が激減しているのに気付いたが、おかまいなしに話を続けた。 今だけは配信なんてどうでもよく、ただただ楽しいひと時を過ごす方が有益だと判断したからだ。 全然要らない情報だが、ランデルは腰のクビレに興奮するらしい。 目つきの悪い気の強そうな女性がタイプで、それを上から屈服させるのが堪らないと言いながら気持ち悪い顔をしていた。 どうやらランデルは、エスの者だったようだ。 これも全然要らない情報だが、俺はお尻フェチだ。 ケツはデカければデカいほどいい。 学生の時は、後ろから見るジャージ姿がたまらなかった。 獣人と呼ばれる動物の特徴や特性を体に宿した人間がいるらしく、その中でも猫人族が凄いらしい。 容姿は人間とほぼ変わらないが、柔軟性のあるしなやかな体が、男たちのあらゆる欲望を受け入れてくれるのだとか。 また、猫獣人の特徴として、舌のつくりが違うらしい。 ブラシのように突起状になっており、ザラついているのだが、それが大量の唾液を纏った時に、恐ろしい兵器に変わるという。 細かく小さな突起群にぬるりと撫でられた時、男たちは自然と喜びの声を上げてしまうのだとか。 そういった理由
last updateHuling Na-update : 2025-03-09
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馬車の中

 三日経ち、視聴者が七人になってしまった。 特に何も起こらなかったというのもあるが、ランデルとの会話のほとんどが下ネタだったというのが大きいみたいだ。 視聴者が期待していたのは、従来のキャスターと異なる新しいスタイルの英雄であり、鼻の下を伸ばした欲望丸出しの成人男性ではなかった。 異世界で勇者ユートルディスになってしまった一般人が、何度も死戦をくぐり抜ける奇跡の冒険に胸を熱くしていたのだ。 俺の人間性やユーモアだったり、ランデルの男らしさや強さに魅力を感じてくれていた方々も居たのだが、何日も同じような下品な話しを続けていれば、見る気も無くすのは当然だ。  コメントがお叱りや非難する声で溢れていたのは気づいていた。 しかし、ランデルと仲良くなって初めてまともに会話が出来たこと、男としての本能で自制が効かなかったことで、視聴者を蔑ろにしてしまったのだ。 いくら後悔や謝罪をしたところで視聴者は戻って来てはくれないだろう。 その人達はもう俺の配信を見ていないのだから。 今更リセットをして新しい冒険を始めたところで、俺という人間の印象が固定されてしまった以上、何をしようが覆されることは無いだろう。 今回の反省を次に活かそうとしても、一度離れてしまった人の心が戻ってくるような甘い仕事ではない。 俺のキャスターとしての人生は終わったに等しい。 後は、自分の好きなようにラドリックという異世界での冒険を楽しむだけだ。 その内に、自分という人間性を含めてやっぱり俺の配信が見たいという視聴者が戻って来てくれるのを願うしかない。 というわけで、仲良くなったランデルと暇つぶしに推理ゲームをすることにした。 お題に対して解答者は質問をしていき、出題者はそれについて「はい」か「いいえ」で答える。 これを繰り返すことで、お題が含む謎を解き明かし、答えを導き出すという遊びだ。 例えば、『中身の見えない箱の中に、金貨が一枚、銀貨が三枚、銅貨が五枚入っており、この中から一枚がランダムに貰える。男は、自分が確実に金貨を貰えると分かった。何故か?』という問題があった
last updateHuling Na-update : 2025-03-10
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地獄の推理ゲーム

「おんにゃは、しゃいきんにゃきゃよきゅにゃっちゃゆうじんきゃりゃきいちゃ、しぇきゃいいちおいしいりょうりをぢゃしゅおみしぇにいきちゃいちょおみょっちゃぎゃ、しょにょみしぇにょびゃしょぎゃわきゃっちぇいりゅにょに、ちゃぢょりちゅきゅきょちょにゃきゅしょにょしょうぎゃいをおえちぇしみゃっちゃ。にゃじぇきゃ?」※女は、最近仲良くなった友人から聞いた、世界一美味しい料理を出すお店に行きたいと思ったが、その店の場所が分かっているのに、辿り着くことなくその生涯を終えてしまった。何故か?勇太:みなさんも一緒に考えてみて下さいね。「なるほど。その店は、友人から聞いたすぐ後に無くなってしまったのでは?」「いいえ」※いいえ「その友人なのですが、最近知り合ったという部分が重要ですかな?」「ひゃい」※はい ほうほう、このジジイ初っ端からなかなかいい質問をしてくるじゃないか。 俺との会話が成り立たないだけで、騎士を率いているし、本当に頭が良いのかもしれない。「その問題に出てくる女というのは、その女じゃないと成り立ちませんか? 例えば、男でもよいのでしょうか?」「ひゃい」※はい「ほう、では何か辿り着けなかった理由があるのですな?」「ひゃい」※はい「ふむ……」 こういう時だけ会話が成り立っているという事実に腹が立つんだが。 しかし、質問自体は的確だし、このゲームが初めてとは思えないくらい、いい線をいっている。勇太:みなさんも気になった事があれば質問してみて下さい!「その店が辿り着けない場所にあったのでは?」「いいえ」※いいえ「その店は、誰でも気軽に食べに行けるような店なのですか?」「ひゃい」※はい「むむむ……」 困ってる困ってる。 ただでさえ厳つい顔のランデルが眉間にシワを寄せて悩んでいるせいで、鬼のような形相に変化し
last updateHuling Na-update : 2025-03-11
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ジークウッドの街

「全隊止まれ! これより物資の補給に入る! 補給部隊は、物資調達後自由行動! それ以外は、部隊毎に交代で馬車の見張りをするように! くれぐれもライトニングビーストの首を盗まれないように気をつけろ! 解散!」 隊列を指揮する騎士の号令で目が覚めた。 どうやらジークウッドの街に到着したようだ。 生首を大事にする考え方は理解出来ないが、そんな事はどうでもよくなっている。 いつもはお尻の痛さと精神的苦痛で、不快な気持ちになりながら馬車を降りていたが、今日は違う。 ランデル大先生の助言を聞いたり、自分の中でのイメージトレーニングに忙しく、道中が楽しく充実していたのは初めてだった。 ここ数日は、常に視聴者が五人前後いるのだが、俺がコメントをしても返事をしてくれない。 今までが上手くいきすぎていただけなのだと思いたいが、とても寂しかった。 今日は全てを忘れて楽しみたいと思う。 一人旅だと思えば気が楽だ。 こんなに胸が高まっているのはいつ以来だろうか。 小学生の時、友達が秘密基地にエロ本を持ってきた時だろうか。 中学生の時、修学旅行で、先生の見回りを掻い潜り、女子の部屋でトランプをやった時だろうか。「明日の朝出発しますので、ユートルディス殿はワシと一緒に行動しますか?」「うん!」※うん! この世界に来てから、一番の笑顔で、一番元気に返事をしたかもしれない。 鎧を脱がせてもらえたのも嬉しかった。 絡まれたりしたら嫌だし街にも詳しくないので、ここはランデル先輩と一緒に行動した方がいいだろう。 ランデルが、金貨を一枚手渡してくれた。「この金貨が一枚あれば、二ヶ月は余裕を持って生活出来ます。平民の年収が金貨九枚前後といったところでしょうか。ユートルディス殿の体力が続く限り楽しんで下さい!」「にゃりゅひょぢょ、ありぎゃちょう!」※なるほど、ありがとう! こんな小さなコイン一枚が結構な大金みたいだ。 無くさないように気をつけないと。「では、行きましょ
last updateHuling Na-update : 2025-03-12
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卒業

「いやー、美味かったですなユートルディス殿。特に、タラバスパイディーはワシの大好物なんです!」「りゃんぢぇりゅにはきゃんしゃしにゃいちょいきぇにゃいにゃ。よきゅわきゃりゃにゃいちゃべみゅにょびゃきゃりぢゃっちゃきぇりょ、じぇんびゅめちゃきゅちゃうみゃきゃっちゃ!」※ランデルには感謝しないといけないな。よく分からない食べ物ばかりだったけど、全部めちゃくちゃ美味かった! 俺とランデルは、三杯目のエールを飲みながら料理の余韻に浸っていた。 少し酔っ払ってしまったが、とても楽しい気分だ。「さて、そろそろ目的の場所に向かいますが、人間の店にします? ……それとも?」「じゅうじんっしょ?」※獣人っしょ?「「だははははははははは!」」 ランデルも酔っ払っているのか、笑い上戸になっている。 馬車の中で、獣人の凄さをこれでもかという程聞かされていたので、ここは獣人の店以外ありえない。 この世界でしかできない事を、俺はやるのだ。「それじゃあそろそろ?」「いっちゃいみゃしゅきゃ?」※行っちゃいますか?「「わはははははははははは!」」 何が面白いのか分からないが笑いが止まらない。 お酒を飲んで楽しくなっているのと、これから起こるであろうハッピーな出来事への期待で最高に楽しい。 会計を済ませて酒場を後にすれば、いよいよお待ちかねのご褒美タイムだ。 初めてだと緊張して下半身が敵前逃亡してしまうと聞いたことがある。 酒が入ると弱虫になってしまうと聞いた事もある。 しかし、今の俺は緊張よりもワクワク感で一杯で、なんなら既にいつでも出撃できる状態になっている。 会計の時に、牛獣人の胸を食い入るように見続けて気持ちを昂らせたからな。「さあユートルディス殿、本日のメインイベントといきましょう!」「おしゅしゅみぇのみしぇはありゅにょ?」※オススメの店はあるの?「ユートルディス殿、このランデル、不詳の身ではありま
last updateHuling Na-update : 2025-03-13
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ワーキャス専用スレ その2

ワーキャスについて語るスレ【第1806世界】206 名前:異世界好きの名無しさん ユートルディスの時代来るかもしれん!207 名前:異世界好きの名無しさん すぐ死ぬだろ208 名前:異世界好きの名無しさん 死ぬの分かってるのにミノタウロスに向かって歩いて行った時は、コメントが悲鳴で溢れてたよ!209 名前:異世界好きの名無しさん そらそうやろw 目の前で人死ぬとこなんて見たい奴おらんw210 名前:異世界好きの名無しさん タイキンの方が面白い。ユートルディスはクソw211 名前:異世界好きの名無しさん >>210 で、でたーwwwタイキンキッズ奴ーwwwww212 名前:異世界好きの名無しさん そいつ、まろんだのんチャンネルより面白いわけ? まろんタソの魅力に勝てないならこの話終わりで!213 名前:異世界好きの名無しさん >>212 ブスの話は今要らないんでw214 名前:異世界好きの名無しさん >>213 ○すぞテメー!215 名前:異世界好きの名無しさん タイキンがダンジョン行かない時はユートルディス見てるぞ! 結構おもろいw216 名前:異世界好きの名無しさん 俺も最近見てるわw ・ ・ ・ワーキャスについて語るスレ【第1809世界】795 名前:異世界好きの名無しさん 今日のユートルディス見てた奴おる?796 名前:異世界好きの名無しさん 今タイキンが下層攻略中なんでwwwww 弱小キャスター乙wwwwww797 名前:異世界好きの名無しさん >>795 見てたで!798 名前:異世界好きの名無しさん タイキンてネームドドラゴン30秒で倒せん
last updateHuling Na-update : 2025-03-14
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壊れた老兵

 初めての経験を終えた俺は、一皮剥けて精神的に成長したような感じがした。 大人の階段を上った俺には見える景色が違っていた。 店の外に出ると、歓楽街ならではの喧騒がどこか心地いい。 乾いた風が肌を撫でると、汗で濡れた体がひんやりと冷たかった。 深々と頭を下げる店のガードマン二人が俺の背中を見送る。 振り返らずに右手を少しあげるだけで礼を示した。 心の余裕を態度で示す、そんなハードボイルドな男になっちまったみたいだ。 ランデルは、店の入り口近くで待っていてくれた。 腰に手を当てて一人たたずんでいる。 全てを出し切ったような、満足そうな顔で夜空を見上げるランデルの顔は、どこか少年を思わせるものがあった。 ここにも一人、ハードボイルドな男を発見しちまった。「りゃんぢぇりゅ、おみゃちゃしぇ! ぢゃいびゅちゃにょしんぢぇちゃみちゃいぢゃにゃ!」※ランデル、お待たせ! 大分楽しんでたみたいだな!「おお、ユートルディ……おや、そちらの方は? あれ、たしか? いや……そんなはずが……」 そう、俺には見える景色が違っていたのだ。 先程まで一緒に愛を育んでいたアルテグラジーナちゃんに手を引かれて、黒いドレスから浮き出る形のいいお尻のシルエットを楽しみながら退店していた。 俺には、腰の動きに合わせて左右に揺れる可愛いお尻しか見えていなかった。 ランデル、すまんな。 俺にも今の状況が理解できていないんだ。「四天王が一人、炎眼の死神アルテグラジーナです。この度、勇者様の物となりましたので、今は四天王ではなくなりましたが。私のお腹には、勇者様のお子がおります。生涯、添い遂げる事を決めましたので、これからは幸せな家庭を築いていこうと思いますっ!」「ああ、そうでしたか。ああ、四天王のね。はいはい、なるほどなるほど……」 ランデル、お前どこを見ている? 虚ろな目で遠くを見ているけど、絶対に思考放棄し
last updateHuling Na-update : 2025-03-15
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仕事をしてくれない活舌

「次から気をつけてくださいね。こちら、会計になります」 店員さんの冷たい視線が胸に突き刺さる。 伝票を貰ったアルが目を丸くしているので、おそらくランデルの酒代が高くついたのだろう。 ここの勘定は俺が代わりに立て替えておいて、明日水増しして請求してやるとしよう。「けっきょうしゅりゅ?」※結構する?「えっ? はっ、はいっ! アルは、勇者様と……『結婚するっ』!」 ……ん? そうじゃないんだが? 俺は、会計がいくらになったか聞いただけなんだけど。「「「うおおおおおおおお! めでてえじゃねえか!」」」「皆さん、ありがとうございますっ!」 ……んん?  おい客、「坊主、一杯奢るぜ!」じゃないんだよ! なんか俺がサプライズでプロポーズしたみたいな雰囲気になってるけど、全部君らの勘違いなんだ。 アルも大喜びでお客さんと握手してるし。どうするんだこれ。 俺の意思とは関係なく物事が進んでいく。「勇者様、幸せになりましょうねっ!」「……しょうぢゃにぇ」※……そうだね とはいえ、俺みたいな一般人が四天王に逆らえるはずないしな。 幸せになろうと言われたら幸せになるしかないという。「「「若い二人の素晴らしい門出を祝って、皆で乾杯しようじゃないか!」」」 勘違いした客どもが騒ぎ始め、俺たちを祝福して乾杯を始めてしまう。 アルが、嬉しさ一杯の笑顔を浮かべて抱きついてきた。いい匂いがするし、肌が柔らかくて気持ちがいいのだけれど、とてつもなくまずい状況になっているのは理解している。 でも、抗えるわけがない。同じシチュエーションで断れる男が居るのなら紹介して欲しいくらいだ。 周りの客が全員、優しい顔で拍手を送ってきている。 さっきまで怒っていた店員までもが、「おめでとうございます!」なんて
last updateHuling Na-update : 2025-03-16
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