異世界で配信始めます〜滑舌が悪くなるスキルのせいで、魔王を倒すことになりました。勇者じゃなくて勇太なんだが?〜의 모든 챕터: 챕터 31 - 챕터 40

54 챕터

空飛ぶノイマン

 ジークウッドの街で補給を終えた俺達は、残虐の王ネフィスアルバが潜むオウッティ山脈へと向かう予定だった。 しかし、ランデルの思考回路が焼き切れてしまった為、一度ジャックス城に引き返すことになった。 四天王の一人、狂乱の一角獣ライトニングビーストを倒したことで士気が最高潮に達していた兵士達からは、あちこちで不平不満がこぼれていた。「ランデル殿、わたくしノイマンから一言よろしいでしょうか。今という絶好の機会を逃すのは何故です? ネフィスアルバの首を取って来いというのが王からのご命令であったはずです。勇者殿の輝かしい功績を持ち帰ると同時に、我々は王命に背いた愚かな騎士として罰せられてもおかしくありません!」 ノイマンと名乗る腕章をつけた騎士がランデルに進言している。 眉間に皺を寄せた凄みのある表情で、その声は怒気を帯びている。 深緑色をした長い髪を後ろに束ねた、貴公子とも呼べる若い美青年だ。 おそらく他の騎士達より位が上の立場なのであろう。 次々に湧き上がる兵士達の鬱積を代弁しているのだろう。 彼の言い分は至極真っ当である。 それを聞いていた兵士達は、声こそ上げないが、小さく頷いて無言の肯定を示している。 重苦しい雰囲気となってしまったが、俺としては一刻も早く城に戻りたい。 正直なところ、余計なことは言わないで欲しい。 俺は城で休み、ランデル達がネフィスアルバを倒すという当初の予定に戻したいからだ。「おい若造。貴様は、ユートルディス殿の隣にいる女が何者か分かっておるのか?」「……はい? 勇者殿の恋人では?」 ランデルの問いに、ノイマンが答える。「この愚か者があああああああ!」「ぐふぇあっ!」 ランデルが怒声を放ち、青い手甲をノイマンの腹部に深々とめり込ませると、鍛冶師が力強く槌を振り下ろしたかのように甲高く金属質な音が鳴り響く。ノイマンの体はくの字に折れ曲がり、斜め下から繰り出されたランデルの拳の軌道をなぞるように、放物線を描いて空中へと浮かび上がった。 苦悶の表情を浮か
last update최신 업데이트 : 2025-03-18
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人は飛ぶらしい

 張り詰めた空気の中で、唯一俺に癒しを与えてくれたのがこの中で最も恐ろしい存在とは。コメ:ありがとうございます! ありがとうございます!【二万円】コメ:アルたそチュッチュ!【五万円】コメ:天使いたあw【一万円】コメ:俺にウインクしたぞ!【二万円】コメ:アルちゃん可愛すぎてつらい。【一万円】勇太:マネチャありがとうございます!コメ:|臭《くせ》えから|喋《しゃべ》んな!コメ:黙ってアルちゃんだけ映しとけ!コメ:ほら、お前にもやるわ。口で拾え!【二円】「まだワシに意見のある者はおるか?」 青い鎧を身に纏まとう老兵の凛とした佇まいは、二日酔いでフラフラしていたとは思えない有無を言わさぬ圧倒的な迫力を感じさせた。 兵士達は、俺とアルを交互に見ながら何か言いたげな様子であったが、誰一人として口を開くことは無かった。 四天王を討伐するために街へ寄り、一夜明けたら自分達の勇者の隣にもっと凶悪な四天王が居たのだから、兵士達も何が何だか分からないのは当然だ。 当の本人の俺にだって訳が分からないのだから。 この状況だって、アルの任務の一環である可能性があるし、俺が何の力も持たない偽勇者だとバレた瞬間に殺されるかもしれない。 いつ何が起こるか予測不可能だからこそ、俺にはただ流れに身を任せることしか出来ないのだ。  城に戻ってまずやる事は、王への嘆願だ。 ライトニングビーストを倒した功績を盾に、一方的な要求を通す。 俺は仕事をしたが、ランデル達は何もしていない。 次は王国の人達が働かないと体面が保たれないのではないか。 王としては、魔王討伐を英雄譚としたいはずである。 勇者抜きで四天王を倒した実績が必要なのではないだろうか。 完璧なストーリーを持って王と話し合い、俺は楽をさせて貰うのだ。 青の知将を超えた金の才覚がここに誕生してしまった。「では、出発するぞ!」 ランデルの号令で、部隊が一斉に動き出した。 馬のいななく声を皮切りに、
last update최신 업데이트 : 2025-03-19
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そりゃないぜ

 なんだか馬車の外が騒がしく、深く沈んでいた意識が覚醒する。 いつの間にか馬車が停止していたようだ。 ふとコメントを見ると、俺への殺害予告や罵声で溢れていた。 騎士の鉄靴が慌しく地面を擦り、あちこちから大声が聞こえる。 枕にしていたアルの太モモの気持ちよさが、異常事態の緊張感を薄めてくれる。 頭を撫でられる指使いが優しく、もう一眠りしてしまいそうだ。 ランデルが突き破った穴から外を見ると、空は薄っすらと茜色に染まり始めていた。「ランデル殿に伝令、この先で隊商が襲われているようです! 敵はおそらくブラックジャイアントオークの上位種だと思われます! 隊商の護衛が戦っているようですが、いつ全滅してもおかしくありません!」 また何かモンスターが出たみたいだ。 人が襲われているらしい。 コメ:おい、勇者なんだからさっさと戦いに行け!コメ:オークの餌になれよ。コメ:○ね!コメ:握りつぶされろ。コメ:早く隊商を救いに行け! 一人でな!勇太:俺が死んだらアルを映せなくなりますけど。コメ:目だけ宙に浮かせて生き延びる努力をしろ!コメ:死んでも映せよボケ。 コメントも平常運転だ。 戦闘を始める際には、必ずランデルの指示が起点となるのだが、奴は文字通り帰らぬ人となっている。  魔王討伐隊の移動陣形は、俺達が乗る馬車を最後尾とし、その前方に補給物資が積まれた馬車や兵士達が配置されている。 隊の先頭ではノイマンが指揮をとっており、何か起きた時にはバケツリレーのように前から後ろへと伝言が流れる。 その配置のせいで、ランデルが居なくなったことに誰も気付いていない。 食事に姿を見せていない時点で誰か心配してもいいとは思うのだが。 今回はおそらくノイマンが指揮を執るだろう。 俺は、みんなの邪魔をしないように再び夢の世界へ旅立とうと目を瞑った。 なんときめ細やかな肌触りの太モモだろうか。「ランデル殿、この先で魔物が…&h
last update최신 업데이트 : 2025-03-20
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ブラックジャイアントオーク

「これより戦闘に入る! 各自配置につけ! 俺たちは勇者殿の攻撃まで耐えるだけでいいんだ! 絶対に死ぬなよ!」 ……は? いつ俺が勝利への鍵みたいな扱いになった? 俺が攻撃するなんて一言も言ってないぞ。「では勇者様、そろそろ私達も行きましょうかっ!」 アルが微笑み、馬車からふわりと飛び降りた。 俺は行きたくなかったが、一人で馬車に居るよりも屈強な仲間達の側に居た方がまだ安全だと思い、後ろ向きにハシゴを降りるようにして馬車から外に出た。「勇者殿、御武運を!」 馬車の外には、聖宝剣ゲルバンダインとルミエールシールドを持った騎士が待っていた。 目が合うと、その騎士は無言で頷いた。 俺には意味が分からなかったので、首を傾げておく。 騎士が俺に向かって伝説の剣と盾を突き出してきた。 あんなに重たい装備を持った状態で腕を地面と平行に出来るのだから、この人が持っていた方がいいのではないだろうか。 よっぽど上手く活用してくれるだろう。「しょりぇちゅかっちぇいいよ!」※それ使っていいよ! 俺が親指を立てて言うと、騎士はぽかんと口を開けて固まっていた。 アルが優雅に歩いていくので後ろをついていくと、目の前には恐ろしい光景が広がっていた。 ミノタウロスよりも遥かに巨大な黒い豚の化け物が五体、地面から根ごと引き抜いたであろう巨木を軽々と片手で振り回して暴れている。 あれがおそらくブラックジャイアントオークなのだろう。 でっぷりと太った黒豚のように、脂肪によるたるみで顔がしわくちゃになっており、見ようによっては可愛らしく思える。 下顎から突き出た牙が鋭く尖り、逞しく湾曲している。 はち切れんばかりに肉が詰まったあんこ体型を、太く短い両脚が大地に根を張るように支えている。 その足元には、かつて人間だったであろう肉の欠片が散らばっていた。 既に隊商は壊滅状態に近く、恐怖に震えて尻餅をつきながら後ずさる商人を守るように、数名の護衛が戦っている。
last update최신 업데이트 : 2025-03-22
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アルの優しさ

「勇者殿、ご無事ですか?」 部隊を率いて戻ってきたノイマンが、緊張した面持ちで話しかけてきた。 プスプスと白煙を立ち昇らせる焼け焦げた大地を驚愕の表情で眺めながら、部隊が俺の元に集まって来た。 ノイマンに続くようにして、兵士達は一斉に片膝をついて屈んだ。 彼らの畏敬の眼差しが向いた先には、俺の左腕に絡みつくように抱きついたアルがいる。 アルは、初めてのおつかいを達成した子供のように、先の戦闘での活躍を褒めて褒めてとせがみ、兵士達なんぞ微塵も気にしていない様子だった。 ピンクの髪を撫でてやると、少し垂れた愛らしい目をへにゃりと閉じて幸せそうに笑った。 あんなに恐ろしい力を持っているのに、まるで子犬のような人懐っこさだ。コメ:おい、俺のアルから離れろ!コメ:勇太爆発しろ!コメ:なんて可愛い笑顔なんだ。【一万円】コメ:勇太キモwコメ:これが骨抜きにされるって事か。【一万円】コメ:勇太も焼かれればよかったのに。コメ:俺もアルちゃんに燃やされたい!「うん、おりぇはにゃんちょみょにゃいよ。みんにゃみょぶじみちゃいぢぇよきゃっちゃにぇ」※うん、俺は何ともないよ。皆も無事みたいで良かったね「いやはや、勇者殿が急に地べたに座り込んだ時は何事かと思いましたが、あの無謀な作戦は全て計算されたものだったのですね。そういえば、隊商の商人の避難を手伝っていたところ、勇者殿にお礼を言いたいそうです」 作戦も何も、実際に俺がお願いした事は実現してないんだけどね。 伝令役が勝手に聞き間違えて、ノイマンが自分で作戦を組み立てただけで、アルが倒してくれなきゃ全滅してたから。 俺はいつも通り何もしていない。「おりぇいはありゅにいっちぇくりぇよ」※お礼はアルに言ってくれよ「はっ! 勇者殿のおっしゃるとおり、商人は間もなく『お礼を言いに歩いて来る』と思われます!」 もうどうでもいい、勝手にしてくれ。 こいつらの脳ミソに俺の意思は反映されないことが分かったよ。 兵
last update최신 업데이트 : 2025-03-23
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味の向こう側

「もう、目を開けてもいいですよっ?」 目を開けると、何故かアルが照れていた。 頬を赤く染めて、上目遣いでモジモジしている。 ふと気になって首元に手をやると、金属の鎖のような感触があった。「きょりぇは?」※これは? アルは、決意を秘めた眼差しで俺の手を握ると、何かを掴ませた。「勇者様っ……。そのっ、あのっ、私にもつけてくれませんかっ?」 それは、細い金のネックレスだった。 雫型にカットされた茶色の宝石が星明かりで煌めいている。「じゃあ、ありゅみょみぇをちょじちぇね?」※じゃあ、アルも目を閉じてね? 同じようにアルの首筋に手を回し、ネックレスをつけてあげた。 アルの長い睫毛が、キツく閉じたまぶたのせいで大きく広がっている。 艶やかな青い唇が小さく動いており、何故か緊張しているようだ。 改めて見ても整いすぎた顔立ちをしている。 アルの首筋辺りから大好きな花の香りがした。「いいよ」※いいよ アルは、目を開けて首元の宝石を手に乗せると、花が咲いたように可憐な笑みを浮かべた。「ありがとうございますっ! お揃いですねっ!」 俺もネックレスを確認してみると、同じような形の赤い宝石がついていた。「ひょんちょぢゃ!」※本当だ! この世界に来てから、初めて誰かに気にされている。 その事実がただただ嬉しくて、自然と俺も笑えていた。 俺は、この子のことを誤解していたのかもしれない。 悪魔のような一面はあるが、中身は優しい女の子なんだ。「さっき来た成金の豚に用意させましたっ!」 いや、言い方! アルって、こんな可愛い見た目に反して、口から出る言葉は悪魔みたいなんだよね。 まあ、死神の異名を持つ四天王だから同じようなものかもしれないけど。コメ:何でアルちゃんとイチャイチャしてんの?コメ:キレそうなんだけど。
last update최신 업데이트 : 2025-03-24
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怖い話 その1

 ジークウッドの街を出発してから六日が経過したが、ランデルはまだ戻って来ていない。 馬車の中には俺とアルの二人きりだ。「勇者様、怖い話はお好きですかっ?」「いや、あんみゃりちょきゅいじゃにゃいにゃあ」※いや、あんまり得意じゃないなあ「じゃあ、怖がらせちゃおうかなっ!」 何気なく会話をしていると、どうやらアルが怖い話をしてくれるようだ。 俺は、ホラー系の映画を見たり怪談話を聞くと、夜にトイレに行けなくなるほどの怖がりなのだ。 聞きたくないのが本音ではあるが、この世界の怖い話というのに興味が出てしまったのも事実。 日本とは恐怖の感覚が違う可能性があるので、俺でも大丈夫かもしれないと思ってしまった。「これは、『おじいちゃんのお守り』というお話ですっ……」 ダリング王国のある村に、テレスという青年が住んでいた。 彼は一人っ子で、両親と父方の祖父の四人で暮らしていた。 彼の両親は、農家として野菜を育てて生計を立てていた。 元は騎士であった祖父が引退してから開拓した農地を、テレスの両親が引き継ぐ形で管理していた。 肥えた土壌がもたらす美味しくて栄養豊富な野菜は高く売れた。 裕福とまではいかないが、テレスは何不自由ない生活を送っていた。 両親にたくさんの愛情を注がれて育てられたので、テレスは優しく思いやりのある青年になった。 しかし、テレスには誰にも言えない秘密があった。 ある晩、テレスは父親に呼び出された。 「テレス、本当に農家を継ぎたいのか? お前が隠れて森の中で剣を振っているのを知っているぞ。自分の人生なんだから、好きなようにやっていいんだからな?」 テレスは、一人っ子の自分が家業を継がなければならないと考えていた。 騎士になりたいという夢を、胸の中に秘めたままでいいと思っていた。 しかし、父親の一言で押さえ込んでいた感情が溢れてしまった。「父さん、すまない。子供の頃から騎士になりたかったんだ。自分の力
last update최신 업데이트 : 2025-03-26
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怖い話 その2

「ちょっとあなた、どういうつもりなの!」 外の騒がしい気配で目が覚めてしまった。 どうやら部屋の外で女性と男性が言い合いをしているらしい。 少し離れているようだが、大声で口喧嘩をしているせいで丸聞こえだ。「お前こそうるさかったじゃないか!」「私が何をしたって? 何かを引きずっていたのはあなたの方じゃないの!」 何事かと別の部屋からも様子を伺いに来る人が出始め、異変に気付いた宿の管理人が男女の仲裁に入ったようだ。 しばらく白熱していたが、双方和解する形で落ち着いたようだ。 迷惑な人達だと思いながらも、溜まっていた疲れには勝てず、テレスは再び眠りについた。 ドン ドン ドン  テレスの部屋のドアを強くノックする音がする。 驚いて飛び起きドアを開けると、そこには体格のいい青年が立っていた。「お前、何やってんの? うるさくて眠れねえよ!」 急に怒鳴られたが、テレスには心当たりが無い。 ただ寝ていただけなのだが、疲れからイビキでもかいてしまっていたのだろうか。「すみません、そんなつもりは無かったのですが。私は疲れて寝ていただけですよ?」「はぁ? そんな訳ないだろうが! おい、ちょっと失礼するぞ?」 青年は部屋に押し入ると、首を傾げた。 こんなはずはないと、一生懸命に床を確認し始めた。 何をしているのか分からないが、気の済むまで調べさせてあげた。「反対側の部屋の可能性はありませんか? 本当に寝ていただけなので、私の部屋ではないと思いますよ?」「そうかもな。勘違いしたのかもしれない。邪魔して申し訳なかった!」 もしかすると、この青年も明日試験を受けるのかもしれない。 申し訳なさそうに部屋に戻る青年を見て、緊張でピリピリしていただけで根は良い奴なのかもしれないと思った。 一緒に合格出来たらすぐに友達になれそうだなと少し嬉しくなった。 再びベッドに戻ったテレスであったが、こう何度も起こされてはなかなか眠ることが出来なかっ
last update최신 업데이트 : 2025-03-27
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気付いちゃった

 恐ろしい体験をしてから三日が経過した。 あれからというもの、アルが面白がって怖い話をしようとしてくるので困っている。 俺は耳を塞いでアーアーと喚くことで回避しているが、この鉄壁と思われる防御方法もいつまで有効か分からない。 コメントもアルの怪談話が怖かったらしく、ホラー好きの視聴者が話を聞かせろとうるさい。 美女のする怖い話がたまらないという謎の層も居るみたいだが、全部無視だ。 順調に進めば明日にでも王城に到着するらしいのだが、未だランデルは戻っていない。 そろそろ本気で心配してもいいのではと思うけれど、俺を含めて部隊の誰も気にしてしている素振りを見せないのが不思議だ。 もしかしてランデルは嫌われていたのだろうか。「しょういえびゃしゃ、きょにょみゃえにょきょわいひゃにゃしにゃんぢゃきぇぢょ、おみゃみょりぢゃちょおみょっちぇちゃにょにきょわいみぇにあうっちぇしゅきゅいようぎゃにゃいよにぇ?」※そういえばさ、この前の怖い話なんだけど、お守りだと思ってたのに怖い目に遭うって救いようが無いよね?「そういうものではないですか? オバケなんて理不尽な物だと思いますけどねっ。勇者様は何か怖い話ってあります?」「いや、きゃいぢゃんびゃにゃしはみょうきょりぎょりぢゃよ」※いや、怪談話はもうこりごりだよ いたずらな笑みを浮かべたアルがクスッと笑った。「怖がる勇者様も子供っぽくて可愛いですよっ?」「にゃんきゃやぢゃにゃぁ」※なんかやだなぁ 俺が頬を膨らませると、アルがプニプニとつついて遊んでいた。コメ:おい勇太、目開けて寝れるようになったか?コメ:接着剤でまぶた固定してアルちゃんの怖い話聞けよ!コメ:この角度のアルたんキャワワ【一万円】コメ:片目だけでもまぶた切り取ったら五百万マネチャしたるわ。コメ:それいいなw 俺も三百万出すわw勇太:いや、無理ですよwコメ:なにわろとんねん!コメ:口動かす前に目動かす努力しろ。○すぞ!コメ:口を動かす
last update최신 업데이트 : 2025-03-29
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ドッキリ大成功

 魔法使いが交代で夜空に光の魔法を放ち、広範囲を明るく照らしながら、速度を緩めて慎重に行軍を続けていく。  時折、炸裂音が鳴るのは威嚇が目的だろう。  ソナーのように広がる光が風景に色を与えると、一瞬だけ訪れる漆黒の世界がやけに恐ろしかった。「魔法部隊と偵察部隊は周囲の警戒を続けろ! 野営の準備だ!」 ノイマンの号令で馬車が停まった。  外に出ると、街道沿いの林の中にある少し開けた場所だった。 兵士達はテキパキと働き、野営地の周りに篝火を設置して灯りを確保していく。  別の場所では炊事係りが大きな鍋で大量の麦粥を作っている。  味が薄くてぱっとしない麦粥だが、ここ数日は抜群に美味しくなっている。  先日倒したブラックジャイアントオークの骨を小さく砕き、アルが炎でこんがり焼いてくれたおかげで保存がきくようになった。  その骨でとったスープで押し麦を炊くので、出汁が違うのだ。  今日の麦粥も期待できそうだと俺の鼻が言っている。 俺とアルのために設営してくれたテントの近くで休んでいると、給仕係の騎士が麦粥を届けてくれた。  相変わらず見事な立ち振る舞いだ。  アルのことを奥様と呼ぶようになったので、アルもご満悦の表情である。  そして、やはり今回の麦粥も美味しかった。  商人のエドから香辛料を大量に貰ったらしく、毎食違うスパイスが効いている。  飽きないように工夫してくれているのだろう。  その心遣いが嬉しい。    食事が終わると、魔法使いの出番だ。  今日の野営地は近くに水場が無いので、水の魔法で空になった食器を洗う。  あちこちで大きな水の玉を空中に浮かせたローブ姿の男達が、その中に食器を突っ込んでゴシゴシと磨く様子がミスマッチすぎて面白かった。 空が明るくなったらすぐに出発するらしいので、早めに寝ておく必要がある。  だがその前に、お花を摘みに行かなければならない。  音や臭いが届かないように、暗い林の中まで行って用を足すのが最低限のエチケットだ。 篝火から遠ざかると
last update최신 업데이트 : 2025-04-03
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