異世界で配信始めます〜滑舌が悪くなるスキルのせいで、魔王を倒すことになりました。勇者じゃなくて勇太なんだが?〜의 모든 챕터: 챕터 51 - 챕터 54

54 챕터

山が消えた

「よし、準備が整ったな! それでは、予定通り見張りは待機地点に移動せよ! ワシらもすぐに出るぞ!」 ランデルの指示で馬車と兵士が移動を始めた。 残った五十人程で四天王を探すようだ。 俺が混ざるはずだった部隊が遠ざかっていく。「いや、ちょっちょみゃちぇ! おりぇもちゃいきぎゅみにひゃいりゅ!」※いや、ちょっと待て! 俺も待機組に入る!「王から褒美を貰った時に、ワシとユートルディス殿でネフィスアルバを倒しに行けと命じられておりましたので、てっきり一緒に行くものかと。もう無理ですぞ?」 無理ですぞじゃないんだが。 予定通りって事は、事前に作戦を考えていたんだよね? 何で作戦会議に勇者を誘わないんだろうか。勇太:作戦失敗です。コメ:知ってたwコメ:勇太の作戦が成功するわけない。コメ:様式美で草コメ:ストレスゲージが真っ赤になってるぞ!w「ぎょひゃんはぢょうしゅりゅにょ?」※ご飯はどうするの?「三日前に立ち寄った村で携行食を買ったではありませんか。これ一枚で二日分の食料になりますので、五ヶ月は余裕を持って探索出来ますぞ?」 ランデルが懐から取り出したのは、クレジットカードくらいのビスケットに似た食べ物だった。 これをちびちび食べながら移動を続けるらしい。 兵士が背負っている大きなカバンの中には、この携行食とやらが大量に詰まっている。 水は山中の湧き水から補充する。 地獄のような登山計画に目眩がしてきた。 騎士が俺の剣と盾を持ってきてくれたが、受け取るつもりはない。「ねえ、ダディ……。もしかして、あの山に登るの? せっかく買ってもらった服が汚れちゃいそう。あたし行きたくないなぁ……」 駆け寄ってきたナタリアが今にも泣き出しそうな顔で見上げてくる。 いつも明るく笑顔を絶やさない娘がこんな表情をするのは初めてだ。 生まれたばかりのこの子は、こちらの都合で連れ回され
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残虐の王ネフィスアルバ

 呆然と立ち尽くす俺達の目の前には、かつて山だった物が散らばっている。 山脈が消え去ったことで隠されていた風景が姿を見せ、平になった大地は岩の欠片で埋め尽くされている。コメ:俺たちは何を見せられたんだ?コメ:あれ、山どこいった?コメ:僕もアルちゃんに粉々にされたい!【2万円】コメ:その気になれば世界滅ぼせるだろwコメ:こんな化け物に挑もうとしてたんか勇者ユートルディスは……。コメ:四天王でこれなら魔王どんだけ強いの?w「ママすごーい! お山が無くなっちゃった!」 ナタリアが手を叩いて喜んでいる。 凄いとかそういう次元の話じゃない気がするんだが。「ナタリアちゃん、パパ、少し下がりましょうかっ。ゴミの望みが叶ったようですので、兵隊の皆さんも離れた方がいいと思いますよっ?」 口角を上げて微笑むアルの表情は、氷のように冷ややかな怒りを含んでいた。 瞳の奥に暗い感情が見える。 背中に熱を感じていた俺の体温が氷点下にまで落ちたような寒気を感じた。 アルが斜面を下り始めたので、俺とナタリアもそれにならう。 アルの迫力に気圧され、兵士達も俺達の後に続く。 ランデルだけが瓦礫の山を見つめていた。「ん?」※ん? 足元が揺れた気がした。 いや、やっぱり地面が震えている。 一歩一歩大地を踏みしめる足が振動を感じ取っている。 気になって立ち止まると、その違和感が音となって現れた。 遥か後方からいくつもの爆発音が聞こえる。 それは、とてつもない速さでこちらに近づいてきているようだ。「にゃんぢゃ……ありぇは……?」※なんだ……アレは……? 振り返ると、爆発音とともに砂煙が立ち昇っていた。 瓦礫が次々と火柱のように舞い上がり、こちらに近づくにつれてだんだん大きく弾けていく。
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悪魔の悪戯

コメ:娘に守られる勇者……おる?コメ:今度こそ死んだかと思ったわ!コメ:勇太の心拍メーターさ、一瞬ゼロになってたんだけど?勇太:あー、回らないお寿司を食べた思い出を振り返ってた時ですかね?コメ:知らんわ!wwwコメ:脳が死を受け入れてて草 膠着状態から一転して大剣同士の激しい打ち合いが始まった。 動きが速すぎて俺には二人が何をしているのか分からないが、右で左で剣戟が鳴り、その度に衝撃波が飛んでくる。 俺はサッとナタリアの後ろに隠れたので、もう安心だろう。 念の為にバリアのポーズをしておいた。「やーっぱり年とったらダメダメじゃんねー? 俺っちのパワーとさー、魔剣ゲイルウィングが合わさっちゃったらさー、だーれも勝てないワケなのよー!」 ランデルが押され始めた。 ランデルは、地に足をつけて腰を起点にした遠心力を生かす攻撃を得意としている。 ネフィスアルバは、それと同等の威力を右腕だけで繰り出せる。 体格差があるため、単純な力の勝負で分が悪いランデルは技術でカバーしていた。 しかし、剣に加えて突きや蹴りの格闘術を織り交ぜ始めたネフィスアルバの猛攻は凄まじく、なかなか反撃の隙を見出せないランデルは後手に回らざるを得なくなってしまった。「ぬぐあっ!」 なんとか紙一重で攻撃を受け流していたランデルであったが、ネフィスアルバの左拳を肩に受け、体勢を崩してしまう。 その隙を見逃さず、ネフィスアルバが強力な袈裟斬りを放つ。 ドラゴンの翼膜のような禍々しい刃がランデルに迫る。 咄嗟に剣の腹を盾にしたランデルであったが、真正面から受け止めた凄まじい衝撃により、後方に吹き飛ばされてしまった。 振り下ろされた魔剣ゲイルウィングの刀身から漆黒の斬撃が放たれたのだ。 剣を振るった軌跡を追うように弧を描いた闇の剣線に押し出されたランデルは、その勢いのまま瓦礫の山に突っ込み、ガランガシャンと音を立てながら埋もれてしまった。 ネフィスアルバが初めて見せた飛ぶ斬撃だった。
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悲劇

 青の老兵と元騎士団長の誇りを賭けた戦いは、アルが強制的に終わらせてしまった。 騎士のランデルに対しての復讐としては、これ以上ない残酷なものであっただろう。 パワーポーションを飲み、命を削ってまで倒そうとした相手が居なくなってしまったのだ。 水を差されたランデルは、固まったように動けないでいる。 ランデルの周りを陽炎のように立ち昇る空気が、魂が漏れ出しているかのように見えてしまう。 兵士達もどうしたらいいのか分からない様子でポカンとしており、アルとナタリアだけが楽しそうに会話している。 異様な空間が出来上がってしまった。コメ:おい勇太、ランデルを慰めてやれよ。コメ:ランデルも悪いけど、アルちゃんの仕返しもエグいなwコメ:あぁ、アルたそ。俺の頭を消し飛ばしてくれないかなぁ。【一万円】コメ:燃え尽きちまったみたいだな……。勇太:大量に買った携行食はどうするんでしょうね?コメ:心配するとこ違くね?wwwコメ:思考が主婦で草「ノイマン、ネフィスアルバを立たせよ!」「はっ!」 ランデルの指示で、ノイマンがネフィスアルバの元へと走る。 ランデルの瞳に光が戻っていた。 ノイマンが頭の無い死体を抱え上げて立ち上がらせると、ランデルは岩を掻き分け、瓦礫の中に潜っていく。 なんだか嫌な予感がするが、そうでない事を願うしかない。「青い鎧はジャックス王国最強の騎士のみが着用を許されておる! 人間を裏切り、騎士である事から逃げた弱者になど負けはせん!」 地中から決め台詞が聞こえた。 ランデルが背中で瓦礫を持ち上げながらゆっくりと立ち上がる。 パラパラと体からこぼれ落ちる小石が雰囲気を盛り上げているが、もはやギャグでしかない。 嫌な予感が的中したようだ。 あの大根役者は、全てを無かった事にしてやり直そうとしている。 呆れて物も言えない。 乾いた笑いが浮かんでくる。 当の本人は至って真面目なようで
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