All Chapters of 秘めた過去は甘酸っぱくて、誰にも言えない: Chapter 271 - Chapter 280

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―スピンオフ― 潔白・純愛 『赤坂成人・川井久実編』70

その夜。お父さんとゆっくり話をすることにした。食事を終えてソファーに座りながら、私は気持ちを伝えていく。「赤坂さんに結婚を前提に付き合ってほしいと言われたの」「………」お父さんはお茶を一口飲んで気持ちを落ち着かせているようだった。「私は赤坂さんを男性としてすごく好きなの」「気持ちはわかるが賛成できない」「どうして?」「反対する理由はいっぱいある。赤坂さんのような素晴らしい方だと、周りに女性がいっぱいいるだろう。久実が悲しむ姿を見たくない。お父さんは久実が可愛いんだ」「でも……彼はそんな人じゃない。 たくさん 女性が寄ってくるけど、しっかりしているところはしっかりしているの」「一番の理由は……援助してもらった相手だからだ」お父さんの本心。私はお父さんの立場も考えると強く言い返せなかった。「お父さんとお母さんに財力がなくて申し訳ないが、恥をかかせないでくれ」育ててくれた両親を悲しませるわけにもいかない。私が恋心を消すしかないのだろうか。「久実はきっといい人に出会えるから」胸が張り裂けそうだった。赤坂さん以外に誰かを愛するなんて考えられない。
last updateLast Updated : 2025-01-23
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―スピンオフ― 潔白・純愛 『赤坂成人・川井久実編』71

6 ―純愛―「おはようございます」社会復帰して一週間。十一月上旬になり、寒さに震える季節になっていた。体調も安定していて元気に働いている。以前の職場は私の席をずっと置いてくれていた。パソコンに電源を入れて、早速入力を開始した。職場には営業職の社員と、事務職の社員が合わせて五十名ほどいる。皆さん、体のことも理解してくださって本当にありがたい。私は十一月まで自宅で大人しくしていた。体力をつけるためにウォーキングをしたりして、会社へ復帰する準備をしていた。先日、COLORのメンバーである紫藤さんが入籍したことを知った。一般人との入籍と言うことでメディアは、かなり騒いでいたる。赤坂さんからは相変わらずメールや電話が届くけれど、セックスをした日から会っていない。これからは、一生懸命働いて親に恩返しをしよう。そして、赤坂さんへ少しずつでも働いてお金を返そうと思っていた。
last updateLast Updated : 2025-01-23
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―スピンオフ― 潔白・純愛 『赤坂成人・川井久実編』72

昼休みになり、近くの蕎麦屋さんへ先輩と行く。寒い冬にはたまらない、えび天そばを啜っているとテレビニュースが聞こえてきた。『人気アイドルグループCOLORの赤坂さんが緊急入院されたようです』思わず食べていた手を止めてしまった。「どうしたんだろうねぇ」先輩がまるで他人事のようにつぶやいて蕎麦を口に運んでいる。私は、心配でたまらなくなってほとんど食べることができなかった。ランチを終えて仕事をしていても落ち着かない。仕事が終わって会社でいようとした時 スマホにメールが届く。『入院した。◯◯病院、十二階。一二〇一室』赤坂さんからだ。メールをできるほど回復しているようで安心するも、顔を見るまで心配だ。仕事を終えると急いで病院へ向かっていた。
last updateLast Updated : 2025-01-23
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―スピンオフ― 潔白・純愛 『赤坂成人・川井久実編』73

ナースステーションに確認すると「お待ちください」と言われてしばらく待っていた。赤坂さんは芸能人だから、簡単に会えないのかもしれない。「どうぞ」案内されてると広い個室だった。「失礼します」中へ入ると赤坂さんは背もたれを上げてベッドに座っていた。周りには花が飾られている。「おう、久実」「赤坂さんっ、大丈夫ですか? どうしたんですか?」心配でたまらなくて駆け寄ると、神妙な顔をした。「俺……末期かも」「えっ」心臓がズキンとした。重たい病気になってしまったのだろうか。「悲しいか?」「当たり前です」「じゃあ、死ぬまでそばにいて」頭の中で整理ができなくて、だんだんと涙が浮かび上がってくる。そんな私の腕をつかんで自分に引き寄せた。頭を撫でた赤坂さんは、満面の笑みを向けていた。「やっと久実に会えた」「…………あの、何の病気なの?」「久実が俺を好きって言ったら教えるわ」相変わらず、意地悪だ。ちょっと睨むと、赤坂さんは楽しそうに笑う。「久実。ごめん。お前が可愛いから意地悪したくなっちゃった」「いい加減にしてください。どうして入院してるの?」「怪我。すねにヒビ入った。まあすぐに退院して杖ついて歩けるから、心配はいらない」安堵感からどっと力が抜けた。椅子に座って赤坂さんを見る。「心配でお見舞い品も買わずに来ちゃいました」「いいよ。久実がキスしてくれれば」久しぶりに赤坂さんとやり取りをして幸せな気持ちになっていた。やっぱり、私は赤坂さんからたくさんの元気を与えてもらっていると実感する。「退院しても家のことやるの、大変だな……」おもむろにつぶやかれた。彼女だったら間違いなくお世話をしただろうけど。私はそういう立場ではない。「久実、来れる日、来てくれない?」「……無理だよ」「なんで? 男出来た?」「は?」「OLさんって感じになってさ、ますます綺麗になって。少し会えない間にこんなに変わっちゃうんだな」切ない声で言われると、胸が痛む。「働くことで精一杯だから……彼氏なんてできないよ」「わからんぞ。狙ってる男がいるかもしれない」ありえないことなのに。赤坂さんは私を思ってくれているのに、気持ちに答えることができなくて胸が痛くなった。「……まあ、会いに来てくれて嬉しかった」「元気そうでよかった」二人に沈黙が流れる。
last updateLast Updated : 2025-01-23
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―スピンオフ― 潔白・純愛 『赤坂成人・川井久実編』74

どこかで聞いたことがあると思って振り返ると、紫藤大樹さんが立っていた。横には細くて可愛らしい女の人がいる。「おう、大樹」「赤坂がステージから落ちるなんて、らしくないな」びっくりして立ち上がった。「こんにちは」頭を下げてくれた紫藤大樹さん。イケメンで見惚れてしまう。「おい、久実。何顔を赤くしてんだよっ。大樹は結婚してんだぞ」苛ついた声で赤坂さんが怒鳴ると、紫藤さんの隣にいる女性がクスっと笑った。「はじめまして。紫藤の妻の美羽と申します」この人が紫藤さんの奥さんなのか。控えめで可愛らしい方だ。「赤坂さんの彼女さん?」「まだだ」紫藤さんの質問に赤坂さんは不機嫌そうに答えたまだって、どんなに時が流れても付き合うことはないのに――。「えー……お付き合いしてないんですか」なんでそんなに残念な声を出すのか、わからないですよ……美羽さん。きょとんとした表情を浮かべられてしまった。私は話の流れを変えるために自己紹介をすることにした。「川井久実と申します。……赤坂さんのファンで……私、心臓病で赤坂さんに激励していただいていて」「今はまだ恋人じゃないんだ?」紫藤さんがサラリと言うから、動揺してしまう。どうして、そんなにカップルにしようとするのか……。困ってうつむいてしまった。「そうだ。赤坂さんが退院したら二人で遊びにいらしてください」「え……。私なんかお邪魔していいんですか?」「ええ、ぜひ! おもてなしさせてください」美羽さんの人を包み込むような笑顔を見ると、ついついうなずいてしまった。「では、帰ります」私が言うと赤坂さんは手首をガシッとつかんだ。紫藤さんご夫妻の前なのに、なんでそんなことするの?困惑した表情を浮かべつつ、赤坂を見ると真剣な表情をしていた。「久実。明日退院だから」「そ、そうですか」「家に来てくれよ」「………無理です」手を振り払った。紫藤さんご夫妻に頭を下げて私は病室から急いで出て行った。
last updateLast Updated : 2025-01-23
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―スピンオフ― 潔白・純愛 『赤坂成人・川井久実編』75

赤坂side久実が帰って病室には大樹と美羽ちゃんと三人になった。大樹は美羽ちゃんを椅子に座らせる。「まだ安定期に入っていないから人には言わないで欲しいんだけど、子供ができた」「そうだったのか!」 俺は自分のことのように嬉しくて足にひびが入っているというのに飛び跳ねたくなった。ずっと俺たちのせいで二人の子供が天国に行ってしまったと 申し訳ない気持ちで過ごしていたのだ。「本当によかったな」 俺は思わず涙が出てきて 腕で拭いた。「 ありがとうございます」美羽ちゃんが 微笑んでいる。「ところで、赤坂。彼女とはなんでまだ付き合ってないか? 心配して駆けつけているのに。チャンス大ありだろ」大樹が呆れた顔をする。「……まぁ、振られた」自分の弱い部分を見せてしまって情けない気分になる。「えー!」美羽ちゃんがびっくりして大きな声を出す。「だって、あんなに赤坂さんに惚れている表情をしていたのに?」「色んなことを考えて、付き合えないと結論を出したんだろうけど。納得いかないんだよな」俺は強がっていたけれど、不安でたまらない気持ちでいた。社会復帰した久実はものすごく美しくなっていて、キラキラとしているように見えた。あの調子なら男に言い寄られてすぐに俺のことなど、忘れてしまうのではないか。「今度、久実さんを連れてきてください。絶対に!」「ああ、ありがと」「きっと……女の子はいろいろ考えちゃう生き物なので。お話してみたいな……」「じゃあ、お大事に」大樹と美羽ちゃんは帰った。
last updateLast Updated : 2025-01-23
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―スピンオフ― 潔白・純愛 『赤坂成人・川井久実編』76

二日で退院した俺は、数日間は自宅で安静にするように言われた。と言ってもすこぶる元気だ。暇すぎる。久実から連絡がないか期待を膨らませて待っているが、連絡はなかった。「会いたい……」つぶやいた俺はメールを作る。『退院しました。困っているので助けてくれるとありがたい。俺には頼れる人が案外いない。待ってるから』そんなメールを送ったところでこないだろう。一応、送信してぼーっとテレビを見ていた。一時間が経過した頃チャイムが鳴る。誰だろうと思いながら見てみると、画面に映されたのは久実だった。オートロックを開けて待っていると、久実がやってきた。玄関の中に入るがなかなか部屋には入ろうとしない。「本当に来てくれると思わなかった」「だって……困ってるって言うから……」手には買い物袋をぶら下げていて、ネギが見えている。料理をしてくれるのだろうか。仕事帰りにわざわざ来てくれたことが嬉しかった。複雑な表情を浮かべつつパンプスを脱いだ。「お邪魔します」「どうぞ」買い物袋を置いてコートを脱いでソファーにかける。今日はシャツにカーディガン、フレアースカートだ。「ご飯作ろうと思いますけど……いいですか?」「ああ、腹減ったー」「じゃあ、台所借りますね」台所で料理をはじめる久実の後ろ姿を見つめる。黙々と俺のために作ってくれるのがありがたい。気持ちがあふれてしまう。毎日こんな時間が流れれば、どんなに幸せだろうか。久実と過ごしていきたい。「できました」テーブルに並べてくれたが一人分しか無い。久実は並べ終えると、コートを着ようとした。慌てて制する。「ちょっと待って。一緒に食べよう。まだ材料費も払ってないし……」「そんなつもりで来たんじゃないです」「……まあいいだろ。付き合えって」俺の押しに負けた久実は仕方がなく食事を一緒にしてくれることになった。会話は進まないが食事はすごく美味しい。「うまい! 天才」「……それはありがとうございます」家に帰ってきて久実が待っていてくれたらどれほど幸せなのだろう。食事を終えて食器を洗った久実はコートを手にしようとした。「今度こそ、帰りますから」すごく切ない気持ちになって、俺は笑顔を作る余裕すらなかった。
last updateLast Updated : 2025-01-23
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―スピンオフ― 潔白・純愛 『赤坂成人・川井久実編』77

「……風呂入るの、手伝ってくれない?」「え?」一人で入ることはできるだろうけど、久実にまだそばに居てほしかった。明らかに困惑している表情だ。「ちょっと手伝ってほしい」「でも、帰るの遅くなっちゃう」「じゃあ、いいこと思いついた」「 いいことって?」「明日土曜日だし泊まれば?」「そんな簡単に言わないで。付き合っていない男の人の家に泊まるなんておかしいでしょ?」俺とそんなに居たくないのだろうか。「…………わかったよ。一人で入る」服を目の前で脱ぎ始めると久実は顔を真っ赤にした。全裸になった俺は足をかばいながら歩くと、久実は肩を貸してくれる。「つかまって」なんだかんだ言って久実は俺を心配して介抱してくれる。優しいのを知っていて甘える俺は卑怯な男だ。頭と体を洗う間はバスルームのドアの前で待っている。ああ、帰したくない。「久実」「なに」「ちょっと」ドアを開けた久実をバスルームに引きずり込んだ。「無理やり引っ張らないで」俺はどうしても帰ってほしくなくて、服に躊躇なくシャワーをかけた。「ちょっと! 何するの!」さすがに怒っている。「ごめん、手が滑った。乾くまで帰れないな……。どーせなら久実も脱いで入っちゃえよ」服からは雫が垂れている。久実は怒りに満ちた表情で俺を見た。「卑怯! こんなんじゃ本当に帰れなくなってしまうでしょ」「………ああ。たしかにそうかもしれない。でも、こんなことでもしないと久実は帰るだろう。俺のそばに居ようとしない。俺の気持ちを知っていてここに来てるんだ。警戒しないほうが悪い」俺は最低な男だ。久実を悲しませて、困らせることしかできないのだから……。俺は彼女の服を 脱がせた。胸にある傷が痛々しい。頑張ってきた勲章に見えた。俺がこれからの久実の人生を守ってやりたい……。そう願うのに、どうして久実は応えてくれないのだろうか。
last updateLast Updated : 2025-01-23
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―スピンオフ― 潔白・純愛 『赤坂成人・川井久実編』78

久実sideふんわりとした意識の中、目を覚ますとまだ朝方だった。今日は休みだからゆっくり眠っていたい。布団が気持ちよくてまどろんでいると、肌寒い気がした。裸のままで眠っている!そうだった……。また、赤坂さんに抱かれてしまったのだ。逃げればいいのに……逃げられなかった。私の中で赤坂さんを消そうと何度も思ったけど、そんなこと無理なのかもしれない。すやすや眠っている赤坂さんを見届けて、ベッドから抜けようとするとギュッとつかまれた。「どこ行くつもりだ」「帰る」「………もう少しだけ。いいだろ」あまりにも切ない声で言うから、抵抗できずに黙ってしまう。強引なことを言ったり、無理矢理色々したりするのに、どうして私は赤坂さんのことがこんなにも好きなのだろう……。もう少しだけ、赤坂さんの腕の中に黙って過ごすことにした。太陽がすっかり昇り切った頃、ふたたび目が覚めた。隣に赤坂さんはいない。どこに行ってしまったのだろう。自分のスマホを見るとお母さんから着信が入っていた。「……ああ、心配させちゃった……」メールを打つ。『友達と呑みに行くことになって、そのまま泊まっちゃった』メッセージを送っておいた。家に帰ったら何を言われるだろう……。恐ろしい。「おう、起きてたのか」赤坂さんはシャワーを浴びていたらしい。上半身裸でタオルを首にかけたスタイルでこちらに向かってきた。あれ……昨日は一人じゃ入れないって言ってたのに。なんだ、一人で入れるじゃない。強引というか、甘え上手というのか。私はついつい赤坂さんに流されてしまう。そんな赤坂さんのことが好きなのだけど、このままじゃいけないと反省した。「今日、休みだろ?」「……うん」「じゃあ、大樹の家行こう」「は?」唐突すぎる提案に驚いてしまう。「暇だったらおいでって連絡来たんだ。美羽ちゃんも久実に会いたがってるようだぞ」美羽さんの名前を出されたら断りづらくなる。優しい顔でおいでと言ってくれたからだ。「でも……服とかそのままだし……」「そこら辺で買ってくればいいだろ」「そんな無駄遣いだよ」まだベッドの上にいる私の隣に腰をかけた。そして自然と肩に手を回してくる。「ちょっと……近づかないで」「なんで?」答えに困ってうつむくと赤坂さんは立ち上がってタンスを開けた。
last updateLast Updated : 2025-01-23
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―スピンオフ― 潔白・純愛 『赤坂成人・川井久実編』79

「妹が置いていった服ならあるけど。サイズ合うかな」「勝手に借りていいのかな?」「心配なら聞いてやるか」スマホで電話をはじめる。「あ、舞? 久実に服貸していい?」『えー! 家にいるの? 泊まったってことは、えーなに? 付き合ってるとか~?』ボリュームが大きくて話している内容が聞こえてしまう。「付き合ってくれないけど、まぁ……お友達以上だよ。じゃあな」お友達以上だなんて、わざとらしい口調で言った赤坂さんは、得意げな顔をしている。「……じゃあ、お借りするね」黒のニットワンピース。着てみるとスカートが短めだった。ひざ上丈はあまり着たことがないから恥ずかしい……。着替えている様子をソファーに座って見ている。「見ないで」「部屋、狭いから仕方がないだろう」「芸能人でお金もあるんだから引っ越ししたらいいじゃない」「結婚する時……だな」その言葉にドキッとしたが、平然を装った。私と……ということじゃない。一般的なことを言っているのだ。メイクを済ませると赤坂さんは立ち上がって近づいてくる。見下ろされると顔が熱くなった。「可愛い。またやりたくなる……」両頬を押さえつけたと思ったら、キスをされる。吸いつかれるような激しさ。顔が離れる。赤坂さんの唇に色がうつってしまった。「久実……愛してる」……ついつい私もって言いそうになった。「せっかく 口紅塗ったのに汚れちゃったじゃないですか」 私はティッシュで彼の唇を拭った。 すると 私の手首をつかんで動きを止めてまた さらに深くキスをしてきた。「……ちょっ……んっ」「久実、好きって言えよ」「……時間だから行かなきゃ」
last updateLast Updated : 2025-01-23
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