*アメリカの病院で検査を受けてドナーを待つ日々を送っていた。ドナーが現れるというのは、誰かが死を迎えるということ。複雑な思いではあったけれど、その分、心から感謝をして生きていこうと思った。「お母さん」「ん?」「もしも手術が失敗だったら……。赤坂さんにこの手紙を届けてほしい」「ええ」「引き出しに入れておくから」「わかった」私は微笑んで窓に目をやった。それから数日後、ドナーが見つかった。手術を受けることになった。『赤坂さんへ。この手紙を読んでいるということは、手術が失敗したということ。そして、私は天国へ旅立っているということになります。はじめて手紙を書いた日。赤坂さんが会いに来てくれるなんて考えてもいませんでした。小さい頃から赤坂さんは私の理想の男性で、大きくなったら赤坂さんみたいな人と結婚したいと夢を持ってしまいました。赤坂さんとは本当にいっぱい思い出があります。くだらない話をして笑いあったことまで、全てが大事な思い出です。ネックレスをプレゼントしてくれたことも本当に嬉しかった。素敵な時間をたくさんありがとうございました。私の人生で、赤坂さんを超える男性にはなかなかめぐり逢えませんでした。赤坂さんは、私にとって世界一の男性です。生きている間に恋する心を教えて下さり、本当にありがとうございました。天国からも、赤坂さんの活躍を応援しております。 久実より』
Terakhir Diperbarui : 2025-01-23 Baca selengkapnya