*今日は、お祝いを持って自宅まで遊びに行く。夕食をご馳走してくれるらしい。最近免許を取った俺は車で向かっていた。久実ちゃんは都内のマンションに住んでいた。高級住宅街ではない普通の建物だった。玄関の前に立ってチャイムを鳴らすと久実ちゃんが出てきた。満面の笑みを向けている。ツインテールの髪の毛はポニーテールに変わっていて、元気そうだ。「赤坂さん、ようこそ!」「お邪魔します」中に入ると母親がエプロン姿でキッチンから出てきてくれる。「わざわざありがとうございます」「いえ。お邪魔します」父親が近づいてきた。普通のサラリーマンという感じで、話し方も優しくていい人オーラが出ている。久実ちゃんは、一人娘で大事に育ててもらっている印象を受けた。母親は手料理を振る舞ってくれて、父親も何度も感謝の言葉を伝えてくれて温かい家庭だと思う。いつか自分も結婚して久実ちゃんファミリーのような笑顔が耐えない家庭を作りたい。久実ちゃんにプレゼントを手渡した。「赤坂さん、ありがとうございます」「中学に入るんだから、ちゃんと勉強するんだぞ。じゃないと、俺みたいになるぞ」「はーい」笑いが起きる。俺と久実ちゃんは本当の兄と妹のようだった。いい子だし、病と戦っているなんて思えない強さがあって、俺は見習おうと思っていた。彼女のように物事をプラスに捉えることができれば、どんなこともいい方向に行くのではないかと思えた。
Last Updated : 2025-01-21 Read more