All Chapters of 秘めた過去は甘酸っぱくて、誰にも言えない: Chapter 221 - Chapter 230

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―スピンオフ― 潔白・純愛 『赤坂成人・川井久実編』20

赤坂side俺と黒柳は事務所に呼び出しをされた。二人だけ呼ばれるなんてなにがあったのだろう。仕事を終えて事務所に行くと、社長室に行くよう言われた。すでに黒柳は来ていて、重たい空気が流れている。「お疲れ様です」いつものように挨拶すると大澤社長は少し焦ったように俺たちに座るよう指示をした。そして爆弾発言をしたのだ。「大樹の好きな人に子どもができてしまったのよ」大澤社長は怒っているふうでもなく冷静な様子だった。俺と黒柳は呆然として言葉を発せずにいる。せっかく売れてきているのにCOLORが終わってしまうのは悲しい。だけれども、スキャンダルになってしまったら、未来はない。「大樹も相手の女性も燃え上がっているの」心から好きな人ができて羨ましいなと一瞬思ってしまった。「無理矢理にでも引き離さないと……COLORは解散にまで追い込まれるかもしれない」「無理矢理って……」つぶやいた俺。愛する人と引き離す権利なんて俺たちにあるのだろうか。でも解散になったりしたら、もう仕事がないかもしれない。俺らを応援してくれている人のことを思うと、簡単に解散なんてできないと思った。だからと言って別れさせたのはなんだか間違っている気がする。黒柳は目を閉じて何も言葉を発さない。「俺らは……愛する人と結ばれることすら許されないのですか?」大澤社長に向かって問いかける。俺の言葉を聞いた大澤社長は諭すように言った。「時期とタイミングがあるのよ」重くて今の俺たちには一番大切な言葉に聞こえた。だから、何も言い返せなかった。「タイミング……大事だと思う」黒柳は冷静な声で言う。「可愛そうだけど……。あんた達は世の中に愛されるべき人間なのよ」大澤社長に諭されたが複雑な気持ちだった。
last updateLast Updated : 2025-01-21
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―スピンオフ― 潔白・純愛 『赤坂成人・川井久実編』21

数日後――。俺と黒柳と大澤社長は、大樹の愛する人が滞在している実家へと向かっていた。大樹には言わないことになっていた。メンバーと秘密事を作りたくなかったが、言わない優しさもあるのかもしれない。大樹の彼女の家に到着したが、重い空気が漂っていた。「うちの大事な商品に、傷をつけたお詫びをしていただきたく参りました」「……と、言いますと?」「顔に傷がついておりまして、仕事をいくつかキャンセルさせたので」彼女の父親は大樹を殴ったらしい。当然の行動だと思う。顔を腫らせて来た大樹が仕事をいくつかキャンセルしたのは事実だ。「うちの大事な娘を妊娠させておいて、なんですかそれ」大澤社長と父親のやり取りを黙って見ているしかない。色んな人の気持ちを考えると、ただただ悲しむしかなかった。きっと、一番悲しいのはお腹に子どもを宿している彼女かもしれない。純粋そうなお嬢さんだ。きっと本気で愛し合っていたのだろう。「ええ。お互いにとって一番いいのは、中絶だと思います。お嬢様の将来のためにも」「嫌です」大樹の彼女が震えながら、言う。「日本中に愛されるべき男をそんなにも、独り占めしたいの?」「……」大澤社長の大樹への期待を感じ、大樹の彼女の絶望感が伝わってきた。言葉に詰まる彼女には、大変申し訳無い。胸が張り裂けてしまいそうで、本当は今にも泣きそうだった。だけど、COLORを全力で守らなければいけない理由がある。俺と黒柳は打ち合わせ通り土下座をした。「俺らの夢を壊さないでください」真剣な眼差しを向けた。彼女は頭が真っ白になっているような表情をしていた。「帰ってください」今まで黙っていた母が震えながら言う。「お腹の子供には罪はありません。子供のことは、私たち家族で考えます。不安定な職業の男性と結婚なんてさせられませんし、今後一切関わらないことを約束します。紫藤さんにも娘のところには会いに来ないでと伝えてください」「ええ。同意見です」ニコッと笑った大澤社長は封筒を差し出した。「少ないですが、お詫びの印です」父は封筒を押し返した。「いりません」「あとでいろいろ言われても困りますので」俺らは俯いているしかなかった。「紫藤にはしっかりと伝言しておきますね。会いに行っても無駄だということと、未練を持ったら可愛そうなので子供は堕ろしたと伝えます。
last updateLast Updated : 2025-01-21
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―スピンオフ― 潔白・純愛 『赤坂成人・川井久実編』22

その日の夜。黒柳はうちに泊まった。ずっと体育座りをして黙り込んでいて、その隣で俺も思いを巡らせていた。「…………これで、よかったのかな」ポツリとつぶやいた黒柳の言葉は、俺もまったく同じ気持ちだった。これで、よかったのだろうか……。大樹の愛する人との愛の結晶を潰してまで、俺らは仕事を続けていいのだろうか。俺たちが説得に行ったせいでお腹の子供は殺されてしまうかもしれない。直接手を加えたわけではないけれど命の灯火を消すような行動だったのか。「もう、過去には戻れないだろ。俺らは気持ちを切り替えるしかないな」「大樹……可哀想」男として、好きな女が妊娠したら産ませてやりたいと思う。気持ちは痛いほどわかっていたが、何もしてやれない。言葉もかけてやれない。一緒にCOLORを全うするしかないだろう。「大樹はこれまで通り仕事をこなせるのかな」「黒柳。大樹が完全復活するまで俺らが支えるしかないぞ」「……ああ」「お前までやる気を失ってどーすんだよ。しっかりしろ」「わかってるよ」これからCOLORとして活躍していく上で色んな問題が起きるかもしれない。だけれども、ただただ突き進むしかないのだと思う。
last updateLast Updated : 2025-01-21
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―スピンオフ― 潔白・純愛 『赤坂成人・川井久実編』23

***久実十七歳 赤坂二十三歳 久実side「彼氏……できた」「うっそ!」学校からの帰り道。中学の時からの親友、朋代から衝撃的な発言を聞かされた。隣を歩いている朋代を見ると顔を赤くしている。どうやら本当のことらしい。嘘だ。嘘だと思いたい。朋代が取られちゃう気がして切ない……。「誰なの?」「同じ塾に通っている男の子……と言いたいところなんだけど、先生なの」「うわぁ。マジで……」禁断の恋愛だ。想像するだけで頭の中はまっピンクになってしまった。「と言ってもアルバイトでね。医学生なんだ」「医者の卵かぁー……」「うん」ひらひらと落ち葉が舞う。そんな切ないシーンなのに朋代は微笑んだ。「冬が楽しみ。イベントがいっぱいあるでしょ。クリスマス、初詣、バレンタインにホワイトデー。彼氏と過ごせるなんて最高だよ」「いいなぁー」立ち止まった朋代は、私をじっと見つめる。「久実はいないの? ……好きな人」思考回路を駆使して考えてみるが、残念ながら見つからない。優しい男の子だなーとかはあるけれど、病気のことを知っている上での優しさだから。もしも、彼氏ができても体のことを理解してもらうのは難しいかも。だから恋愛なんてしないと私は決めていた。「今はいらないかな。結構充実してるし」「そうなんだ」「うん。いっぱいのろけ話聞かせてね」心からニッコリと笑うことができた。「たまには、遊んでね」「もちろんだよ!」親友に恋人ができるのは嬉しい半面、寂しい。けど、やっぱり嬉しいほうが大きい!
last updateLast Updated : 2025-01-21
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―スピンオフ― 潔白・純愛 『赤坂成人・川井久実編』24

家に戻ると部屋は真っ暗だった。お母さんは時間があれば働きに出ている。私のために仕事に行ってくれているのだけど、一人っ子の私は妙に寂しさに襲われることがあった。そんな時はCOLORの動画を見て気を紛らわす。自分の部屋で大好きな音楽を楽しむ。――朋代に彼氏ができたのか。なんだか、気分が落ち込む。人の幸せを心から喜んであげられないなんて最低な人間だ。ベッドに転がって小さなため息をつく。そして、抱きしめるのは赤坂さんとはじめて会った時にプレゼントしてくれたブランケット。もう、ボロボロになっているけど、これを抱きしめたり、肩にかけたりすると落ち着いた。恋がしたい。けれど……恋することが怖い。十七歳になったのに。キスしたこともないし、手を繋いだこともなかった。「私だけ、なんにも成長してないじゃん……」そっとつぶやいて、リモコンを持った。赤坂さんが満面の笑みで映っているシーンで電源を落とした。こうやって赤坂さんに依存しているから、一歩踏み出す勇気が出ないのだろうか。
last updateLast Updated : 2025-01-21
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―スピンオフ― 潔白・純愛 『赤坂成人・川井久実編』25

赤坂side気がつくと、俺はもう二十三歳になっていた。大樹のことでCOLORの存続危機があったが、乗り越えてCOLORはまだ芸能界の第一線で活躍していた。恋愛することもなく仕事を続けていたのだが、最近気になる人がいる。今、目の前で俺の部屋を掃除している久実を見ながら、俺は別の人のことを考えていた。俺と久実との付き合いも長くなって、本当の妹のように思っている。もう、呼び捨てがスタンダードだ。ただのファンじゃなく心を許すことができる人になっていた。たまに遊びに来ては「汚い部屋っ!」と言いながら掃除をしてくれるのだ。舞は掃除なんかしてくれないけど、久実は片付けが上手い。きっといい奥さんになるのではないかと思っている。でも激しく動いて具合悪くならないか心配だった。だから無理しなくていいと言っているのに世話を焼いて体調がいい時はやってくれるのだ。「……だから、赤坂さんっ。こういうのは隠してって言ってるじゃないですか!」手に持っているのは大人向けの雑誌だ。久実は顔を真っ赤にして俺を睨んでいる。そんな久実を睨み返す俺。「あ? いちいち隠すなんてめんどーだし」「変態っ」「普通だろ。そろそろ慣れろって」病状も安定していて最近は入院することも無くなった久実。元気になってくれて俺は嬉しい。にやりとする俺。久実は怪訝そうな顔をする。「観てみるか?」「結構です!」ぷんぷん、怒っている久実を見て俺はケラケラ笑う。久実と過ごす時間は癒しにあふれていて安心する。芸能界での殺伐とした雰囲気とは違うオアシスのような存在だ。
last updateLast Updated : 2025-01-21
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―スピンオフ― 潔白・純愛 『赤坂成人・川井久実編』26

メールが届いてチェックすると、保坂佳乃(ほさかかの)からだった。俺の気になっている女だ。座り直して画面を確認する。『明日の撮影の後、お食事でもどうですか?』色が白くて切れ長の目でとても美しい若手女優。今出ているドラマで共演をしていて意気投合したのだ。二人きりで数回呑みに行き、先日はキスをしてしまった。俺の独りよがりかと思っていたが、メールが来たところを見ると脈があるのかもしれないと期待が膨らむ。『了解』待ち合わせ場所に撮影現場の近くのホテルを指定した。食事をしてそのまま深い関係に持って行きたいと思っている。心も体もほしい。「久実、高校楽しいか?」フローリングを拭いている。「うん。運動とかはできないけど、高校生になってから一度も入院してないし、苦しくなることもないし」「よかったな」雑巾を持って立ち上がった久実は悲しそうな顔をする。「元気になってしまった私と……会っててもいいの?」「もう、ファンとかじゃないだろ。友達だし。俺にとっては舞と久実は同じ。だから、ライブだって舞と一緒に関係者席で見せてんだから」「……優しいね。ありがとう」ベッドに座っていた俺の隣に腰をかけてくる。「私ね。赤坂さんがこうやって会ってくれていることを誰にも話したことがないの」「どうして?」まあ、ぺらぺら話す子じゃないとはなんとなく感じていた。妹の舞でさえ「サイン書いてくれって」と頼んでくるのに、そんなことは一度もなかった。はじめて病院で会った時だけだ。「あまり迷惑をかけたくなくて。でも、一人だけ中学時代からの親友で朋代って子がいてね。COLORのことも好きなんだけど……その子には教えてもいい?」「構わないけど?」「ありがとう」にっこり笑った久実を俺は撫でた。久実も女子高生。これから好きな人でもできて相談でもされるのだろうか。父親のような複雑な気持ちだった。俺がベッドに横になってうたた寝すると、久実も添い寝してくる。相手は高校生だし、妙な気分にはならない。ただ、安心するだけだ。ガキに手を出すつもりはない。俺の精神状態は久実に会うことでバランスが取れているようにも感じている。久実に恋人ができて、彼氏に俺に会うなと言われる日まで見届けたいと思っている。
last updateLast Updated : 2025-01-21
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―スピンオフ― 潔白・純愛 『赤坂成人・川井久実編』27

   *撮影を終えて予約したホテルで佳乃を待っている俺は、一人そわそわしていた。約束通り来てくれた佳乃は、プライベートでもおしゃれをしていてとても可愛かった。軽食を買ってきてくれて二人で食べた。食事を終えて、佳乃は窓に手をついて景色を見ている。俺はそっと後ろから抱きしめた。ピクッと震えた。「……どうしちゃったんだろ、私」て力なく笑う。ストレートのロングヘアーからはいい香りが漂う。「俺も。こんなに急激に誰かを求めるなんて……いつ以来だろう」佳乃をこちらへ向かせてキスをする。もう、自分の欲求が抑えきれなかった。俺の首に手を回して答えてくれる。激しいリップ音の中、二人でキスに溺れていく。本能的に俺は佳乃を愛してしまったようだ。背中にあるワンピースのファスナーを降ろす。細くて華奢な肩が出てきた。俺は唇をあてる。ピクピクと震える体に、興奮度が増してしまう。「ねぇ……キスマークはお互いに禁止ね」「ああ」仕事に支障をきたすからだろう。彼女に一つも跡をつけないように愛撫していくが、彼女の細胞に愛を植えつけるつもりで丁寧に触れていた。だけれども、頭の奥で――笑顔を向けてくれる久実のことを思い出した。こんな時に……どうしちゃったんだろ、俺。久実の笑顔を振り払うように、佳乃のことを抱きしめた。俺と佳乃はベッドに横になって、会話をしていた。俺の腕枕でくつろいでいる佳乃。俺は、佳乃の髪の毛を撫でている。「こんなに一瞬で燃え上がった恋愛ってはじめてかも」「俺も」「……もっと早く、赤坂さんに出会っていたかった。過去もあなたに捧げたかったなぁ」笑ってキスをしてくれた佳乃を抱きしめた。「お互いに忙しいけど、たまには会いたいね」「そうだな」「私を……赤坂さんの女にしてくれる?」「もちろん」至福の時間。久しぶりに幸福感に満ちていた。
last updateLast Updated : 2025-01-21
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―スピンオフ― 潔白・純愛 『赤坂成人・川井久実編』28

久実side日曜日。朋代が家に遊びに来ていた。私の部屋で語ってのんびりしている。朋代の彼氏の話を聞いたりしていて、会話が途切れた時に私は口を開いた。「朋代。ずっと伝えてないことがあったんだ」「え? なに?」不思議そうな表情をされた。赤坂さんと親交があることを言おうと決意していたが、なかなか言い出せなかった。誰にも言ったことがないから緊張してしまう。伝えたところで信じてくれるだろうか……とか、色んなことを頭の中で考えてしまうのだ。正座をした私。「もったいぶらないでよ」「うん……。COLORって知ってる?」「はあ? 当たり前でしょ」怪訝そうな目で私を見ている朋代。深呼吸をして口を開いた。「実はね、赤坂さんと友達……なの」「はあ?」一瞬、怒った表情になった朋代は、次の瞬間クスクスと笑い出した。「今日はエイプリルフールじゃないよ? たしかに、久実が赤坂ファンなのはこの部屋を見るとわかるけど」やっぱり信じてくれない。予想はついていたけれど、嘘ついてると思われるのは侵害だ。机から一枚の写真を取り出して見せた。「まだCOLORが無名だった頃に、ファンレターを送ったの。そうしたら、会いに来てくれて。その時の写真だよ」受け取った朋代はじっと見ている。「へぇー……。赤坂って俺様って感じなのにこんな笑顔を見せるんだね。好感度アップなんだけど! でもさ」顔をこちらに向けた。「一度会ったくらいで友達ですって言うのはどうなの?」「それから何度も会いに来てくれて、今では家にもお互い行き来するし……メールもしてるよ」「すごいね。そりゃあ友達だね!」やっと信じてくれた朋代は笑顔を見せてくれる。「サインとかねだるのは失礼だと思うから、朋代以外の友達には言ってないから」「うん。私なんかに教えてくれてありがとう」優しい声で言った朋代はアイスティーをこくっと飲んだ。急に無言になった。何か聞きたいことがあるのかもしれない。「家に行ってるの?」「さっき言ったじゃない」「二人きり?」「うん」朋代はニヤリとする。「もしかして、ヤっちゃったとか?」「ないないっ」赤坂さんが私を襲うなんてありえない。女性関係には苦労しないだろうから。ところで、朋代は経験をしてしまったのだろうか。自分だけ置いて行かれる気がする。「……男女が二人きり
last updateLast Updated : 2025-01-21
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―スピンオフ― 潔白・純愛 『赤坂成人・川井久実編』29

「久実……?」「お、襲うなんてありえない。添い寝とかしちゃうんだよ。私のことそういう相手だと思ってないもんっ……」「久実に好きな人ができない理由がわかったよ」好きな人ができない理由――。その答えを自分でも探していたかもしれない。ちらりと朋代を見ると、朋代は謎が解けたようなスッキリした表情をしている。「赤坂に恋してるんだね」「……………恋?」さっき痛くなった胸がもっと痛くなる。「今まで私に赤坂とのこと教えてくれなかったのに、誰かに聞いてほしくなっちゃったんだよ」「え?」どういうことなのか、よくわからなくて首をかしげる。髪の毛がサラサラと落ちた。「それは要するに……好きな気持ちが膨らんで一人で処理できなくなっているってこと」自信満々に言われてしまった。妙に納得してしまいそうだ。「あ、ありえないって。私は確かに赤坂さんのファンだよ。そして、病気と戦う勇気をくれた大事な存在ではあるけど、相手にしてもらえないよ。どんなに望んでも、赤坂さんと付き合うなんて無理だし……」私は必死に否定する。朋代はクスッと笑った。「恋する久実。可愛い」「可愛いだなんて、からかわないでよ……」「誰かを好きになることっていいことだと思う。両想いや片想いは関係ないよ」初恋。私がはじめて好きになった人が、赤坂さん……?「じゃあ、そろそろ帰るね」「あ、うん。ありがと」朋代が帰って部屋に一人になり、朋代の言葉を思い出す。――赤坂に恋してるんだね今まで気がつかないフリをしていたのかもしれない。本当は、ずっと前から男性として赤坂さんを見ていたんだ。赤坂さんのことが、好き。すごく、好き。でも、憧れ以上の感情は持ってはイケないと思っていた。赤坂さんが私を好きになってくれるはずがない。ベッドに横になって、赤坂さんのことをずっと、考えていた。
last updateLast Updated : 2025-01-21
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