その寄生虫の妖怪が優子の皮膚を破り、少しずつ外に出てくる時、腕から全身に広がる激痛が走った。優子は歯を食いしばり、必死に堪えた。葵花も同じだった。普段は我儘で気の強い彼女でさえ、今は息を殺し、ただ寄生虫の妖怪が抜け出るのを見届けることしかできない。血の中を這うように、寄生虫の妖怪がゆっくりと這い出てきた。優子は震える手で衣服を掴み、声を出すまいと必死に耐えた。その寄生虫の妖怪は黒い光を放つ太い虫だった。うねうねと身をくねらせながら、優子の腕を滑り落ちた。離れる時も、優子の腕から流れる血を吸い続け、まるで別れを惜しむかのようだ。葵花からも同じように這い出たが、彼女のものは優子のよりも一回り大きかった。血を吸い終えた寄生虫の妖怪の皮膚が、透明感を帯び、かすかに赤く染まった。計画通りなら、血を吸った後に寄生虫の妖怪は満腹状態となり、本能的に母の元へ向かうはずだった。しかし、優子の血が常人とは異なるためか、その寄生虫の妖怪は去る気配を見せず、母の呼びかけに応えるかどうか迷っているようで、再び優子の体内に戻ろうとしているようにも見えた。優子は青ざめた。彼女自身、寄生虫の妖怪を扱う術は持っていないからだ。自分は飼い主じゃないから、下手に動けば、かえって寄生虫の妖怪を刺激し、最悪の場合、寄生虫の妖怪が暴走して体内で自爆してしまうと思った。峻介も同じことを考えていた。寄生虫の妖怪がまだ優子から離れていない以上、今爆発し、再び寄生したら、すべてが手遅れになるかもしれない。葵花の方の寄生虫の妖怪は長い間応答がなく、体をくねらせて不安定になっていた。峻介はすぐに大輝を睨んだ。これは彼の寄生虫の妖怪だから、何とかしろ!だが大輝は優子を助けるつもりはない。彼は素早く香料を焚き、雌の寄生虫の妖怪を引き寄せると、そのまま捕らえたのだ。葵花の危機は自然と解消された。大輝は冷笑を浮かべた。「寄生虫の妖怪を取り出すことを約束した。約束通り寄生虫の妖怪は出したぞ。あとは何が起きようと、俺の知ったことじゃない」「お前!」大輝は葵花を抱え、数歩後退した。「大人しくした方がいい。この寄生虫の妖怪は十年間かけて育てた寄生虫の妖怪の王だ。しかも猛毒持ちだぞ。肌に触れただけで、即死だ」「優子、お前はもう用済みだ、死ね」彼には寄生
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