とわこは、娘から携帯電話を受け取り、画面を見ると中村真からの着信であることを確認して、すぐに通話を始めた。「とわこ、明けましておめでとう!」中村真の楽しい声が響いた。とわこは微笑んで、「中村さん、おめでとう!新年のお祝いは明日だよ」と訂正した。「ハハハ!もう食事は済んだ?本当は少し遅くに電話しようと思ってたんだけど、さっき病院から良い知らせがあったから、すぐ君に伝えたくてね」と中村は少し間を置いてから、「涼太が座れるようになったんだ!意識もどんどんはっきりしてきてる!」と伝えた。「それは本当に良かった!」とわこは喜んだ。「とわこ、彼と彼の家族が君にとても感謝してるよ。お正月が終わったら、直接君に会いに行きたいと言ってた」と中村は彼らの気持ちを伝えた。「そんな手間をかける必要はないよ。お正月が過ぎたら、私が彼を見に行く。今は彼がリハビリに集中するのが一番大事なことだから、他のことは全部些細なことだよ」「どうして些細なことだと言えるんだ?彼らは君に治療費を払いたいと言ってるし、いくらが適切かを僕に聞いてきた。だから、君と直接話し合うように伝えたんだ」と中村は言った。とわこは少し考えた後、「私は羽鳥教授のやり残した仕事を引き継いだだけだから、もし治療費を支払うなら、当初教授と約束した額を彼の家族に渡して欲しい」と答えた。「やっぱり君は受け取らないと思ってたよ」と中村は納得したように言った。「教授があまりにも突然に逝ってしまったからね」とわこの声は急に沈んだ。「多くの人を救ってきたけど、最後には自分があまりにも早く逝ってしまった」「もしかしたら、神様は教授が生きるのに疲れているのを見て、早めに休ませてあげたのかもしれない。とわこ、ポジティブに考えて、あまり悲しまずにいよう」と中村は優しく言った後、話題を変えて、「大晦日の後、いつ時間がある?僕は君に新年の挨拶をしに行きたいんだ」「本来なら私があなたに挨拶に行くべきよ」とわこは微笑み、「その時は子供たちも一緒に連れて行くわ」「いいね!僕は2日以降ならいつでも空いてるから、いつでも来てね」「わかった!」電話を終えた後、とわこは娘を抱きしめながら食卓に戻って座った。井上美香が餃子の入ったお碗を彼女の前に置いた。「お母さん、今日の餃子は大きい」とわこは餃子を見て微笑
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