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第 0363 話

綿は会場に入り、雅彦が外から戻ってきた。

「ボス、ちょっと悪い知らせがある」雅彦が言った。

綿は斜めに雅彦を睨み、「言ってみて」

「M国の証明書がなくて、今日急に来たから事前の手続きができてない。資金が制限されちまった」雅彦は眉をひそめ、非常に困った表情を見せた。

綿は眉をひそめ、「どうしてこんな初歩的なミスを犯したの?今日は何をしに来たか分かっているんでしょう?」

オークションだ。

当然、多くのお金を使う必要がある。

資金が制限されたら、この柏花草を落札できないかもしれない。

せっかく見つけた柏花草が他人の手に渡ったら、大変なことになる。

「ボス、急いで来たから、俺のミスだ!」雅彦は後悔し、頭を下げた。

綿は3秒間沈黙し、柏花草の競り価格が低いことを思い出し、「様子を見てみましょう。」と言った。

何があっても、とりあえずオークションに参加しよう。

もし価値がわからない人がいれば、適当に二度ほど価格を上げて終わるかもしれない。

「上限はいくら?」綿は雅彦に尋ねた。

「8億Mドル。為替レートで換算すると、4億現金だ」彼は答えた。

綿は眉をひそめ、「8億……それで足りるといいけど」

やがて、M国の女の子が英語で皆に次の手順を知らせた。

「こちらでオークションの番号札を受け取り、会場にご入場ください!」という内容だった。

綿と雅彦は3号室を割り当てられた。

会場に入ると、広い円形のステージがあった。全てが自動化されており、目を見渡すと小部屋がいくつもあり、豪華な落地ガラスの窓がついていた。

綿は番号札を使って3号室のドアを開けた。

中に入ると、そこには1台のインテリジェントなロボット執事がいて、「ようこそ。本日は16名の競り手が参加しています。素晴らしい品を落札されることをお祈りいたします」と言った。

綿はロボットの頭を軽く触れ、大型のソファが置かれた部屋に入った。

綿がソファに座ると、向かい側にも二人の男性が入ってきたのが見えた。

綿はその男性を睨み、目に深い感情を込めた。

「ルイスも今日競りに参加するのか?」雅彦が興味津々に言った。

綿は雅彦をちらりと見た。何?

雅彦は隣の部屋を指差した。確かに金髪のルイスがいた。

先ほどトイレでのルイスの言葉を思い出すと、綿は不快感を覚えた。

綿はソファに座り、足を組み、顔に
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