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第 0306 話

綿は眉を上げ、「私はいつでもいいわ」

司礼は、綿がこんなにあっさりと承諾するとは意外だった。「じゃあ、今夜仕事終わりに迎えに行くよ」

「うん」綿は電話を切った。

今日は天気がとても良く、雲一つない青空だ。

病院に到着。

綿が心臓外科に着くと、桑原看護師が「先生、小栗先生が来たら直接会議室に来るようにって」と伝えてきた。

「了解」綿は頷き、白衣に着替えて会議室へ向かった。

髪をクリップでまとめ、両手をポケットに入れて廊下を歩く。みんなが綿に目を向け、今日は何かが違うと感じていた。

「聞いた?綿先生って無能じゃないらしいよ」

「綿先生が無能なわけないでしょ。心臓外科にこんなに長くいるんだから、彼女が何ができるか知らないの?」

「そうだよ。前に患者さんが急に心停止したとき、救ったのは綿先生じゃない」

「いやあ、彼女は医療一家だし、無能なわけがない。まあ、私たちは先生の噂をするのはやめて、早く会議に行こう。最近、病院で大きな動きがあるらしいよ!」

綿が会議室のドアを開けると、心臓外科の面々はすでに揃っていて、彼女だけが遅れていた。

「遅れてすみません。今日会議があるとは知らなくて」綿は言った。

小栗先生は綿の席を指し、座るよう促した。

続いて、小栗先生は会議の総括を始めた。「最近、病院でいくつかの事柄が話題になっています。皆さんもご存知の通りです。今日集まってもらったのは、二つの件があります」

「一つ目は、病院は他人の学歴を盗むという悪質な行為を断固として取り締まります。そのため、今後の採用においては、より厳格になるでしょう。しかし、皆さんには病院を信じてほしい。病院がある医師を採用するのには理由があります。見た目は平凡でも、実は大きな実力を秘めている医師もいます」ここで、小栗先生は綿に視線を送った。

これは小林院長が特に各科のスタッフに伝えるよう求めた内容だ。

綿は指をいじりながら下を向いていた。

「二つ目は、病院は皆さんのメンタルヘルスに常に関心を持っています。そのため、病院は皆さんに無料の心理健康診断の資格を提供し、さらに一人当た六万円の医療資金を支給します」

この内容が発表されると、皆は拍手でその有用性を称えた。

無料の検査資格と資金ほど、人の心を慰めるものはない。

「馬場副主任の件については、当院として非常に遺憾に思い
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