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第5話

騒ぎが最高潮に達したとき、オフィスのドアが突然ノックされた。

「被害者の最後の頭蓋骨が、羅桂山で見つかりました」

オフィス全体が突然静まり返った。

羅桂山は、父が亡くなった場所だ。

母は一瞬で冷静さを取り戻し、乱れた髪を耳の後ろにかき上げた。

「待っていなさい」

「私は被害者の姿を完璧に復元してみせるわ」

「晴美がただの嘘つきで詐欺師であることを証明するために」

「これから、誰も彼女のことを私の前で話してはいけない」

頭蓋骨は作業室に運ばれ、母は制服を着て全ての道具を整え、全員を外に出してから作業を始めた。

これは母の習慣で、彼女が似顔絵を描くときには誰にも邪魔されてはいけない。

作業室は驚くほど静まり返っていた。

母は最も優れた復顔師であり、ついさっきまで私に怒っていたにもかかわらず、今は気持ちを落ち着かせ、真剣に仕事に取り組んでいる。

だが、錯覚かもしれないが、母は表向きほど穏やかではないように感じられた。

なぜ?

理由はわからないし、これ以上考えたくもなかった。

これが5年ぶりに、母とこんなふうに二人きりになる初めての機会だった。

その一瞬一瞬を、私は大切にした。

復顔師は非常に高度な職業だ。

頭蓋骨が粉々に砕かれていたため、母はまず少しずつ頭蓋骨の本来の形を組み立てる必要があった。

母の動きは慎重そのもので、まるでかけがえのない宝物を扱っているかのようだった。

生前の私がどれだけ願っても、こんな風に扱われることはなかった。

そう考えると、私は不条理ながらも奇妙な安堵を感じていた。

私の遺体がすぐには識別されず、母が一つひとつ手をかけて顔を描かざるを得ないことに、なぜか感謝していた。

では、母はどうだろう?

亡くなった娘の姿を自ら描き出すとき、彼女はどんな気持ちになるのだろうか?

組み立てを終えた母は、いつものように位置を調整し、遠目にはまるで抱きしめているかのように見えた。

母のその動きに一瞬息を呑んだが、それも束の間のことで、彼女はすぐに似顔絵の描画に取りかかった。

時間が刻一刻と過ぎていき、紙の上にぼんやりとした人の顔が浮かび上がり始めた。

しかし、母は完成間近になると、その紙を破り取って床に投げ捨てた。

一枚、二枚、三枚……

昼から夜、そして次の日の朝まで。

丸一日と夜が過ぎ、何かが起こっ
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