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復顔師の母が自ら私の頭蓋骨を復元した後
復顔師の母が自ら私の頭蓋骨を復元した後
著者: 綾川美鯉

第1話

私が遺棄されてから1か月後、私の骨はゴミ拾いのおばあさんによって発見された

警察はすぐに現場に駆けつけ、その光景を目の当たりにして思わず息を飲んだ。

同行した佐藤法医学者は顔を曇らせ、注意深く調べた後、口を開いた。

「死者の年齢は15歳から20歳の女性で、死亡時期は約1か月前だ」

「ここにあるのは頭蓋骨と脚の一部で、おそらく遺体遺棄現場の一つだろう」

「骨格は多くの箇所で激しい衝撃を受けており、白骨は自然に腐敗したのではなく、犯人が小刀のようなもので削ぎ落としたものだ」

「非常に高い確率で、犯人は被害者を少しずつ打ち殺した後、遺体を煮て骨を取り出し、砕いて捨てたと考えられる」

その場にいた全員が衝撃を受け、立ち尽くしていた。

こんなにも残酷で非人道的な手段で人を殺す者がいるとは。

犯人は必ず極悪非道の者に違いない。

佐藤法医学者はため息をつき、手に持っている白骨を見つめながら言った。

「遺体がこんなにも壊されていると、おそらく晶子が骨格を復元して犯人を見つけるしかないだろう」

その言葉を聞いた途端、私のぼんやりしていた意識は一気に冴え、心の奥から歓喜が湧き上がった。

それは母さんだ。

母は最も優れた復顔師であり、頭蓋骨とデータ分析によって、生前の持ち主の真の容貌を再現できるのだ。

彼女はきっと私を見分けるだろう。

私の遺骨は警察署に運ばれ、母はすぐに駆けつけ、一目見るなり眉をひそめた。

「頭蓋骨が不完全でこんなにも粉々では、似顔絵は描けない」

「行方不明者の情報は何もないの?」

山田警官は私の遺骨をじっと見つめ、首を振りながら言った。

「佐藤法医学者は、死者の脚に深刻な骨折があると言い、激しい打撃によって両脚が使用不能になったと考えられると述べた」

「骨折部分に、犯人が突き刺して通したブレスレットが入っていた」

「このブレスレットが殺人の動機に関係している可能性がある」

山田警官はそう言って写真を母に見せた。

その言葉を聞いて、私は興奮して考え込んでいる母を見つめた。

母は覚えているはずだ。

このブレスレットは、母が自らデザインし、父が私のために作ったものだ。

母は、このブレスレットがあれば、どんな姿になっても私を見分けられると言っていた。

今の母も、きっと私を見つけて家に連れ帰ることができるだろう。

しかし、母はまっすぐ視線を逸らした。

「頭蓋骨の欠損部分が多すぎて、私は骨格を描くことができない」

「できるだけ早く、遺骨を集めてください」

「亜也加はまだ家で、私が持っていくケーキを待っているんだ」

山田警官はこの言葉を聞いて少し不満そうに言った。

「晶子、君は亜也加を幼い頃から両親を失ったかわいそうな子だと思っているのは分かる」

「晴美にももう少し気を配ってあげてくれ」

「彼女が大学入試を終えた後、君は一度でも彼女に電話をかけたことがあるか?」

母はすぐに山田警官を見つめ、怨みを込めて言った。

「私の娘は、最初から最後まで亜也加だけだ」

「彼女は何者だ?」

「この前も亜也加の誕生日に、わざと彼女が誘拐されたと言った」

「アキラが問題を起こした後、あの連中が全員捕まっていたことを誰もが知っている」

「あの不自由な彼女に手を出せる人間が他にいるか?」

母のその態度を見て、山田も少し怒りを浮かべた。

「それは単なる事故だった」

「晴美がわざとやったとでも?」

「忘れないでください、彼女もあの連中に脚を折られて、生涯椅子に座ったままだったんだ」

「10代の少女を5年間も一人で生活させて、それでまだ足りないと?」

「こんなことでアキラに顔向けできるのか?」

母は完全に表情を冷たくし、自分の制服をそばの椅子に投げつけた。

「それならアキラを生き返らせてみせて!」

「彼を生き返らせて、どうやって殺人者に向き合えばいいのか教えてくれ!」

山田は怒りで胸を押さえたが、母は振り返りもせずその場を立ち去った。

私は母の背中を見つめ、涙が少しずつこぼれ落ちた。

お母さん、私は嘘をついていないよ。

当時も、今も変わらないんだ。

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