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第77話

「祐介さん、どうしてここにいるの?」

里香は疑問に思いながらも、声には少し震えが混じっていた。

本当に怖かった…さっきはもう少しで雑木林の中に引きずり込まれるところだった。そこで何が起こるか、考えるのも恐ろしい。

「もともと路肩で電話してたんだ。こっちで何か音がしたから見に来たら、まさか君だったとはね」

そう言って、祐介は携帯電話を取り出し、「今、警察に通報するよ」と言った。

里香は頷いて「はい」と答えた。振り向くと、その男の姿はもうなかった。

「犯人は?」

里香は驚いて、さらに顔色が青ざめた。

祐介は目を細めて「逃げられないよ」と言った。

すぐに警察が到着し、里香は自分の遭遇したことを話し、その後警察署で事情聴取を受けた。警察は監視カメラの映像を確認し、里香の爪に残っている皮膚の破片を採取した。すべてが終わる頃には、もう明け方が近かった。

警察署を出ると、里香は祐介に向かって「祐介さん、本当にありがとうございました」と言った。

祐介は微笑み、銀色の短髪が明かりの下で薄い光を帯びて見えた。笑うときの彼は美しくも妖艶だった。

「気にしないで、ただの手助けだよ」

里香は心の中で申し訳なく思った。この恩は「ありがとう」だけでは返せない。

「この時間、ちょうど朝ごはんを食べるのにいいね。私がご飯をご馳走するよ」と言った。

祐介は眉を上げて「こんなに早く?」と尋ねた。

里香は「どうせ家に帰っても寝られないし、先にご飯を食べてから休もう」と答えた。

祐介は少し考えた後、「いいよ」と頷いた。

二人はそのまま道を歩き、朝食屋を探し、開いている店を見つけて中に入った。

雅之は別荘に戻ったが、里香の姿が見当たらなかった。

直接執事を起こして尋ねると、執事は驚いて「小松さんはずっと部屋にいるはずですが」と言った。

雅之の顔色は暗くなった。

「里香は出て行った」

「え?こんな遅くに?私が寝すぎたせいです。坊ちゃん、早く小松さんに電話をかけてください。こんな遅くに女の子が外にいるのは危険です」

なんとなく、雅之は里香からの電話を思い出した。雅之は予備のスマートフォンで里香に電話をかけたが、今回は「電源が切れています」と表示された。

どうして電源が切れているのだろう?

心の中で不安が募り、雅之はすぐに立ち上がって里香が住んでいるマンショ
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