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第44話

みんなが驚いて振り返ると、里香が入ってきた。彼女の顔色は少し青白かったものの、目には冷たい光があり、場にいる皆を一瞥した。「陰で私の悪口を言うのは勝手だけど、聞かれたら謝るべきじゃない?」

里香は、さっきまで彼女の陰口をしていた同僚たちをじっと見た。同僚たちは目をそらし、一人の男性が立ち上がった。「なんでお前に謝らなきゃいけないんだ?お前が担当していたプロジェクトの資料が漏れたんだぜ。誰もお前の机に触れてないし、お前が疑われるのは当然だろ!」

里香は冷静に彼を見返した。「だから、君自身が言ったじゃない。疑いだって、確かな証拠がないってことだよね?」

男性は言葉に詰まり、少し恥ずかしそうに見えた。里香は周りを見渡しながら、「謝らないの?それにしても、あなたたちの厚かましさには驚かされる」と言った。

すると、すぐに反発する声が上がった。

「お前が間違ったことをしたのに、なんで俺たちが謝らなきゃいけないんだ?」

「そうだ、俺たちは何も悪くない!」

「大口叩いて、解決策はどうなったんだ?」

里香は手に持っていたファイルをテーブルに叩きつけた。

「マツモトグループとの提携を再び得た。これで十分じゃない?」

その言葉に、みんなは驚き立ち尽くした。

「クライアントを取り戻したの?」

「本当に取り戻したの?どうやって?」

さっきまで騒いでいた人たちも黙り込み、同僚の男性は契約書を確認し、確かにマツモトとの提携契約であることを確認すると、顔が真っ赤になった。

「ごめんなさい、焦りすぎました」と彼は謝った。

里香は微笑んで、「気にしないで。もう過ぎたことだし」と答えた。他の人たちも次々に里香に謝り、彼女も同じように返した。

その時、部長が戻ってきて、「小松さん、聞いたよ。すごいじゃないか!マツモトとの提携を再び得たなんて、これで私たちの業績は確実だ!」と嬉しそうに言った。

里香は淡々と微笑みながら「提携の件は解決しましたが、まだ解けない謎があります」と言った。部長は驚いて「何のこと?」と尋ねると、里香の顔から笑みが消えた。

「もちろん、情報漏洩の犯人を突き止めることです。犯人を放っておくわけにはいかないでしょう?」

部長は頷いて「君の言う通りだけど、誰が漏洩したのかわからないじゃないか」と答えた。里香は「私は犯人を突き止める方法を知っています」と言
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