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第296話

好きだからこそ、俺が傷つくのを見ていられなくて、俺のために銃弾を受けたってことか?もしかして、彼女は本当にマゾなのか?俺、ずっと彼女をいじめてたよな。それでも、彼女は俺のことが好きだって?

月宮は思わず自分の顔を触った。すると、急に自信が湧いてきた。

俺のことが好きだなんて、まぁ普通だろ。

月宮はスマホをしまい、視線を昏睡状態のかおるに向け、ため息をついた。

残念だな。彼女の気持ちに応えることはできない。

かおるがぼんやりと目を覚ましたとき、左肩がまるで自分のものじゃないように感じた。

痛い!めちゃくちゃ痛い!麻酔は?このクソ野郎、麻酔すら使ってくれなかったのか?こんなに人を酷使するなんて、あり得る?

かおるは痛みに耐えきれず、息を飲んだ。涙がじわっと浮かんできた。

月宮は彼女が目を覚ましたのを見て、「今は動かない方がいい。傷が痛むから」と言った。

かおるはベッドにうつ伏せになり、もう限界だった。

顔は真っ青で、か細い声で聞いた。「月宮さん、ちょっとお聞きしてもいいですか?あなた、一体どんな悪事を働いたんですか?どうして誰かに襲撃されるんですか?」

なんてことだ!まるで小説やドラマの中のシーンを体験したみたいだ!

月宮はかおるの額ににじんだ冷や汗を見て、なぜか心が少し柔らかくなった。「今回は君を巻き込んでしまった。本当にすまない」

かおるは目を閉じ、深呼吸を数回してから聞いた。「じゃあ、私って命の恩人ってことですよね?」

「うん」月宮は否定しなかった。

かおるは続けた。「それなら、ひとつお願いを聞いてもらえますか?」

月宮はその言葉を聞いて、一瞬固まった。急に掲示板の返信を思い出した。もしかして、かおるは身を捧げたいと言ってるのか?

それは無理だ。俺が好きなのはかおるじゃない、ユキちゃんなんだ!

無理やり一緒になったって、幸せになれるわけがない!

月宮は真剣な顔で言った。「いいだろう。ただし、無茶なことは言うなよ。俺たちの立場はかなり違うんだからな」

かおる:「?」

何それ?こいつ、何言ってるの?全然意味が分からない。でも、彼が承諾してくれたなら、その意味不明な言葉なんて気にしない。

かおるは言った。「お願いですから、もう私をいじめないでください。それと、
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