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長男の彼女に愛人扱いされて末っ子を殺された
長男の彼女に愛人扱いされて末っ子を殺された
Author: 甘くないシュークリーム

第001話

 やんちゃな末っ子が蛇を捕まえて離さず、蛇に噛み返された。

 夫は出張中で、長男は夜勤で病院にいた。

 私は迷うことなくタクシーを呼び、末っ子を連れて長男の病院の急診室へ向かった。

 華やかなな看護師が小走りで近寄り、末っ子の容態を尋ね、救急外来にベッドを手配してくれた。

 私は声を詰まらせながら因果関係を説明し、息子を救ってくれるよう懇願した。

 彼女は医療器具を見ながら、周りの人たちと話を続けていた。

 しかし、救急室の前に差し掛かった瞬間、突然、ベッドが止まった。

 私は理由がわからず、どうしたのかと尋ねた。

 その看護師は暗い目で末っ子の顔をじっと見つめ、「立花湊を知っていますか?」と問いかけた。

 私は頷き、「もちろん知ってます、彼は私の…」

 「長男」と言う前に、顔に平手打ちを食らった。

 「何をするの?」

 腫れ上がった頬を押さえながら、私は彼女を見上げた。

 看護師は憎悪に満ちた顔で私を睨みつけ、「私が誰だか分かってるの?立花湊と1年間付き合っていて、もうすぐ結婚するつもりよ」と怒鳴った。

 その時初めて、彼女の顔をよく見ると、確かに長男のSNSで見たことがあるようだった。

 長男の彼女、田中舞だった。

 私は手を上げ、彼女の手を握ろうとした。

 息子の彼女と初めて会うには不適切な状況だとは思ったが、まずは自己紹介をと思い、「私は立花湊の…」と言いかけた瞬間、再び顔に平手打ちを受けた。

 今回は彼女が全力で打ってきたので、頬がひりひりと痛んだ。

 「この下品な女、ちょっと美人だからって、私の男を奪おうなんて思わないで!」

 彼女は私の腹を蹴りつけ、痛みで私は体を起こせなかった。

 そして、ベッドに横たわる末っ子を睨みつけて言った。

 「これが私の目を盗んで産んだ不義の子なの?」

 末っ子は兄とそっくりで、兄弟揃って父親に似ている。

 湊も父親に似ていると説明したかったが、田中舞はその機会を与えてくれなかった。

 彼女はベッドで顔色が悪くなっている末っ子を一瞥し、ゆっくりとこう言った。

 「今、もっと緊急の患者がいるから、この子は後回しにするわ」

 そう言うと、他の看護師を連れてその場を去ろうとした。

 頭がぐるぐるしていたが、末っ子の症状が一刻を争うものだと分かっていた。

 私は慌てて携帯を取り出し、湊に電話をかけようとした。

 「プルルルル…」

 しかし、電話の向こうは話し中の音が続くだけ。

 末っ子の顔色はどんどん悪くなり、私はますます焦っていたが、湊の電話はつながらなかった。

 思わず、私は荒い言葉を口にしてしまった。

 すると、まだ遠くに行っていなかった田中舞がそれを聞き、私が彼女を侮辱したと思い込んでしまった。

 彼女は即座に振り返り、早足で私の前に来ると、私の髪を掴み、憎しみに満ちた顔で言った。

 「誰に電話してるの?」

 「さっき、湊君が交通事故の緊急手術を受け、今もまだ手術室にいるわ。

 湊君に連絡がついたとして、彼が助けてくれると思う?」

 彼女は自分の首にかけていたネックレスを取り出し、見慣れた赤いルビーが私の目の前で揺れている。

 「これは湊君が私にくれた愛の証よ。彼は私と結婚するの。あんたが不義の子を産んだからって、彼があんたを気にすると思わないで。

 言っておくけど、私たちの愛は絶対に揺るがないわ!」

 そう言って、彼女は私を力強く床に投げつけた。 服が乱れ、私の首にかかっていた赤いルビーが露わになった。

 田中舞の表情が一瞬固まり、次の瞬間、彼女の怒りはさらに燃え上った。

 「どうしてあんたまで、この家宝のルビーを持っているのよ?」

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