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第6話

タイミングが整ったころ、私は証拠を2セット用意した。

1セットは会社で働いている風介に送った。

もう1セットは団地でチェスをしている義父に送った。

風介のオフィスコンピューターと団地の入り口にある電子掲示板に、義母の見るに堪えない動画が360度死角なしで流れた。

団地の入り口では、親たちが自然と子供たちの目を覆った。

動画の中で義母は男性と親密な行為をしながら、男に尋ねていた。

「ねえ、私とあなたの奥さん、どっちがきれい?」

皆が吐き気を催すような光景だった。

ドローンが降下すると、まるでチラシをまくかのように、写真が団地中や風介の会社の入り口に散らばった。

義母は自慢好きで、以前はよく風介の会社に弁当を届けていたので、会社の人々は写真の人物が風介の母親だと認識し、あちこちでひそひそ話が始まった。

団地の人々はなおさらだった。義父は恥ずかしさのあまり怒り狂い、チェス盤をひっくり返して逃げるように家に帰った。

私は陰でこの素晴らしい芝居を楽しんでいた。義母はネットで有名になりたがっていたのだから。

今回、私は義母にチャンスを与えた。果たして彼女がこれに耐えられるかどうか、見物だった。

義母が再び家に戻ってきたとき、道中の証拠はすでにきれいに片付けられていた。

義母は帰り道で人々の奇妙な視線に気づいたが、深く考えず、自分の魅力がさらに増したのだと思い込んでいた。

時折、通りすがりの女性に白眼を向けながら、満足げに家に戻った。

しかし、家に着くなり、義父の平手打ちが顔面に飛んできた。

義母は殴られてぼう然としたが、すぐに義父の髪を掴んで引っ張り合いになった。

風介が立ち上がり、大量の写真を義母の顔に投げつけた。

かつては孝行で素直だった息子が、今では自分を殺したいかのような目つきをしているのを見て、義母はようやく事態の深刻さを悟った。

すると義父がまた一発平手打ちを食らわせ、その強さで義母の鼻と顎がゆがんでしまった。

「よくも浮気なんてしてくれたな。殺してやる」

そう言いながら義父は義母を地面に押し付け、何度も何度も殴りつけた。

風介はそばで冷ややかに見ていた。この母親のせいで会社で完全に面目を失ったのだ。

会社は悪影響を理由に彼を解雇した。まさに昇進が決まりそうだった矢先のことで、風介は自ら手を下したい衝動に駆られた。

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