第6話

彼女は顔を上げて私を見た。その目には隠しきれない得意げな表情が浮かんでいた。

前世から分かっていたことだが、浦月は常に私のことを憎んでいた。

私が成績も良く、家庭環境も恵まれ、容姿も整っていたからだ。

彼女は容姿以外に取り柄がなかった。

最も気にしていたのは、彼女が奨学金を受けなければならない貧困家庭の出身だということだった。

だから、彼女は私の失敗や没落を心待ちにしていたのだ。

彼女には私に何かをする背景がなかったので、景輝を通じて私を攻撃するしかなかった。

景輝を手に入れることで、彼女が想像する大金持ちの家に入り込めるだけでなく、私の

意気込みを挫くこともできると考えていたのだ。

残念ながら、景輝はそのことを全く知らなかった。

私は彼女のくだらない話を聞く気はなく、ただ彼女を見つめて一言尋ねた。

「あの人たち、本当に私が雇って君たちを襲わせたの？」

浦月の顔に一瞬、動揺が走ったが、すぐに落ち着きを取り戻した。

「そ......そうじゃないっていうの？」

私は浦月を見つめて笑った。

私の目に浮かぶ笑みが深ければ深いほど、彼女の顔には恐怖の色が濃くなっていった。

しかし、私はまだ彼女の嘘を暴くつもりはなかった。

景輝自身の手で、少しずつ、彼の最愛の人の仮面を剥がしていくのを見たかった。

その仮面の下にある醜悪な正体を、彼自身の目で確かめさせたかったのだ。

そうすることで、初めて彼の心を殺すことができる。これこそが、最も残酷な復讐なのだから。

　中間試験が終わると、大学入試がいよいよ近づいてきた。

あの日以来、景輝と江崎浦月は顔を合わせるたびに犬猿の仲のように言い争い、収拾がつかなくなっていた。

景輝は頑なに自分のやり方で私に償おうとしていたが、私は大学入試のプレッシャーに耐えながら、夢の大学を目指すことだけに集中していた。

ついに、蝉の鳴き声とともに大学入試の幕が開いた。

二日間の試験は、驚くほどスムーズだった。

これほどの一気呵成の爽快感は今まで味わったことがなかった。

どの科目も、どの問題も、ほとんど全てが解けた。

東京大学か大阪大学は間違いない！

予想通り、私は646点という成績で市の首席となった。

たとえ人生をやり直しても、この瞬間の興奮は隠しきれなかった。

実は前世でも、私には東京大学や大阪大学