第7話

12

思いにふけっていると、ドアの外でノックの音が聞こえた。

母が応じて、ドアを開けに行った。

　太一が大きな袋や小さな袋を持って入ってきた。彼はいい言葉をかけて、母や弟嫁たちを笑わせていた。

しばらく話をしてから、彼は言いました。「母さん、僕が悪かったんです。昨日、美琴を怒らせてしまいました。今朝、一刻も早く駆けつけました。あなたも怒ってしまうんじゃないか心配で、美琴を連れて行くのをやめられるかもと思って」

母は笑いながら言いました。「どうしてそんなことに？」

それから　太一が私を連れて帰るように言った。私は行きたくなかったけど、母は警告の眼差しで私の腕をそっとつねってきた。

私は　太一と一緒に行きました。マンションの入り口に着いたとき、彼の手を振り払った。

　太一は振り向き、眉間をつまんで言いました。「美琴、もうやめろよ。母さんが君を僕と一緒に帰るように言ったのに、今ここで僕と帰らなければ、君はどこに行くつもりなんだ？」

彼は断言して利害を分析し、僕が彼なしでは生きられないような口ぶりでした。

「あなたに関係ないわ。私は橋の下で寝ようが、川辺で寝ようが、あなたには関係ないよ。あなたは忙しいんだから、自分の妊婦の世話でもしてな」

　太一は僕の皮肉な言い方を聞いて、不耐な様子になりました。

「美琴、少しは大人になれよ。君も年齢的にいい加減にしなさい」

「そうだね。私の青春は全て無駄になったわ」

　太一は顔を曇らせ、私たちはマンションの入り口で対峙しました。

13

突然、見覚えのある声が聞こえ、一人が私の手首を掴んだ。

彼は言った。「美琴がどこに行くか、あなたが気にする必要はありません」

私は振り返り、しばらく会っていなかった中村陽介を見つけた。

中村陽介は私の幼馴染で、幼い頃から一緒に育ったが、子供のころの彼はとても生意気で、ちょっとしたことで私と喧嘩していた。良いことをしたのに認めたがらなかった。

ただ、その後彼は海外に行き、私たちは次第に連絡を取らなくなり、今日ここで会うとは思ってもみなかった。

私は彼が掴んでいる手を見て、子供のころのことを思い出し、自然と笑みがこぼれました。

　太一はそれを見て、激怒して言いました。「美琴、お前はまだ僕に文句を言うのか？彼は誰だ？お前たちはもうとっくに一緒にいたんだろう」

僕は笑み