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第 0349 話

夕方、上野忱晔は薄野荊州に電話をかけたが通じなかった。そこで田中栩に尋ねたところ、彼が会社に来ていないことを知り、また瀬川秋辞に拒絶されたのだろうと悟った。

彼は直接車を走らせて御汀別邸へ向かった。使用人が出迎えて彼にドアを開け、「坊ちゃんは二階の書斎にいます」と告げた。

上野忱晔は礼を言い、慣れた様子で二階に上がっていった。

書斎のドアは鍵がかかっていなかったが、彼は一応形だけノックを二回した。

薄野荊州の冷たい声が中から響いた。「いらない、下がれ」

上野忱晔は彼が食べるかどうかは気にせず、ドアを押し開けてそのまま中に入った。

来客が勝手にドアを開けて入ってきたことで、薄野荊州のすでに悪い機
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